太もも痩せには順番がある?美脚にする鍛え方とは

アイドルや女優のような美脚に憧れますよね?スラっと綺麗な太もも、キュッと引き締まったお尻、一度はなってみたいものです。

 

「一生懸命ランニングをしてみたり、食事に気を付けてはみたものの変化なし・・・」

そこで今度は、

「ジムで筋トレを始め、太ももを中心に鍛えてみたけど逆に太くなったような・・・」

 

これではあなたのモチベーションも続きません。

もしかすると、トレーニングの順番を間違えてしまったのかもしれませんよ?

そこで今回は美脚を目指すあなたの為に、ちょっとしたトレーニングの豆知識から実際に行いたいトレーニングをご紹介します。

 

第1章【トレーニングを始める前に知っておきたい筋肉の話】

いきなりトレーニングに取り掛かる前に、鍛えるべき筋肉の特徴を少し詳しく見ていきましょう。

 

人間の身体にはおよそどれくらいの筋肉が存在するのでしょうか?大小さまざまな筋肉は勿論の事、内臓をコントロールするような無意識のうちに活動している筋肉もあります。

 

そして筋肉はその1つ1つが個別に好き勝手に動いている訳ではありません

実は筋肉は単体で働くと効率が悪く、より多くの筋力やエネルギーを必要とします。

例えば腕を外側から上げる動作(肩関節の外転)では、三角筋という肩の筋肉が単体で働きます。また、この動作は1つの関節のみ動くことから単関節運動と言われています。

※肩まわりにべったり付いた三角筋

 

ボディビルダーが鍛える筋肉としても有名で、ショルダープレスという種目で鍛えることができます。このトレーニングを行うことで、本来は共同して動くはずの肩甲骨と上腕骨のリズム(肩甲上腕リズム)が失われ、肩甲骨を固定したまま肩を上げることに慣れてしまい、歯磨きの姿勢も辛くなってしまうのだとか。

これでは日常生活も大変ですね。

 

1-1.身体が動く仕組み ~共同しあう筋肉~

それでは次に協力しあう筋肉(共同筋)についてくわしく見ていきましょう。

まずは肘を曲げてみてください。あなたの上腕にコブができるのがわかりますよね?これが上腕二頭筋です。そして今度は手のひらを内側に返した状態で肘を曲げてみましょう。このとき、先ほどよりコブが小さくなるのがわかります。これは上腕二頭筋を使わずに上腕筋のみを使って肘を曲げているからです。このように、肘を曲げると言っても、同じ作用を持つ筋肉はいくつかあり、「メインとして」「補助的に」働いているのです。

 

そして発揮される筋力は体積の大きい筋肉の方が大きいため、体積の大きい上腕二頭筋がメインとして肘を曲げる動作を担っているのです。

 

1-2.人間らしく動くには? ~主動筋と拮抗筋~

普段の生活で肘をどれほど曲げるかはさておき、トレーニングでは筋肉を意識しながら動かすことが非常に大切です。あなたはマグカップに入ったコーヒーを飲む度に、上腕二頭筋の活動を意識していますか?おそらくしていないでしょう。もし意識しながらコーヒーをすすっているのであれば、あなたはかなりのトレーニング上級者です。

つまりそれほど自然に動いているという事です。

 

しかし体型の崩れが現れる頃には、この自然な動きに異変が起きています。

 

同じく肘を曲げる動きを例に取ると、上腕二頭筋をスムーズに収縮させるためには、その真裏に位置する上腕三頭筋は緩んでいなければなりません。肘を曲げる筋肉と伸ばす筋肉が同時に収縮してしまうと肘は上手く曲がりませんよね。これではコーヒーは飲めないので、仕方なく身体は肩をすくませてマグカップを高く引き上げ、ようやくコーヒーにたどり着くことができます。

 

この場合肘を曲げる上腕二頭筋は主動筋、その真反対である肘を伸ばす上腕三頭筋は拮抗筋であり、お互いがバランスよく「縮む」・「伸びる」ことで人間らしい(不自然ではない)動きが出来るのです。

 

第2章【もも上げチェックであなたの動きのクセがわかる】

さて、動きのパターンをご理解いただいた所で、今回は女性のお悩みとしても非常に多い、太ももが太くなりやすいパターンを、主動筋や共同筋の観点から見ていきましょう。

 

まず初めに、膝を上げていきましょう。

この時、あなたのまっすぐ真上に上がっていますか?

 

おそらくほとんどの方が膝が内側に入ったような姿勢になるかと思います。これは股関節を曲げる作用のある腸腰筋が上手く働かず、補助的に共同で働くはず大腿筋膜張筋メインとして働いてしまうことで起こります。

 

大腿筋膜張筋は股関節の前外側に位置しており、腸腰筋が働かないと過剰に大腿筋膜張筋を使ってしまう傾向があります。そして日常的に大腿筋膜張筋にばかり負荷が掛かるため腸腰筋は更に弱くなり、結果的に太もも前のハリ感や太もも太りの原因となってしまうのです。

 

このように1つの筋肉が何らかの理由で使えなくなっても、周囲の共同筋が動き自体は補ってくれるので私生活で大きく困ることは少ないでしょう。しかし、正しい姿勢・女性らしいプロポーションを手に入れる為にはこのような誤った運動パターンは修正する必要があるのです。

 

第3章【猫背はセルライトの原因?!】

さて、次は太もも裏セルライト問題についてみていきましょう。

セルライトとは、脂肪細胞が老廃物をため込んで巨大化してしまったものです。このように巨大化してしまった脂肪細胞は、周囲にある健康的な組織(毛細血管やリンパ管など)を圧迫してしまい、より循環の悪い身体へと変化させてしまいます。

このように、肌の凸凹の現認となるセルライトは見た目の美しさを損なうだけでなく、健康にも悪影響を及ぼしてしまうのです。

 

セルライトはお腹や太もも、お尻の付け根など皮下脂肪が多い部分に見られ、オレンジの皮に見た目が似ていることから別名「オレンジピールスキン」と呼ばれています。

 

そんなセルライト、なぜ太ももまわりに多いのでしょうか?

答えはやはり、筋肉量の低下による基礎代謝の低下が考えられるでしょう。もっと細かく見ていくと、全身の筋肉量だけでなく部分的な筋肉量の低下がより大きな要因となりそうです。つまり、姿勢の変化によって知らぬ間にセルライトが出来上がってしまうのです。

 

3-1.猫背は太もも・お尻まわりにセルライトができやすい

悪い姿勢の代表とも言える猫背。腰痛や肩こりの原因となることは知られていますが、少しダイエットやボディメイクの観点から見ていきましょう。

 

□骨盤の後傾

□腰椎の前彎消失

□胸椎の後弯増強

□突き出た頭

□伸びてない膝

 

猫背によってあなたの身体にこれだけ様々な変化を起こしてしまいます。

 

この姿勢ではお尻が垂れる原因となる大殿筋の弱化が起こります。そして大殿筋をカバーするように太もも裏のハムストリングが過剰に働いてしまうことで、股関節の可動域が狭まります。

これが太ももまわりにセルライトができる原因なのです。

 

第4章【腸腰筋を鍛えると解決?】

さて、太もも太りの様々な原因についてご紹介しました。太もも前・太もも後ろやお尻の脂肪はどれも姿勢によって蓄えられてしまったのですね。そこで意識して鍛えていきたい筋肉があります。

 

それが腸腰筋です。

 

腰骨(腰椎)と足の付け根を繋ぐ“大腰筋”と、骨盤と足の付け根を繋ぐ“腸骨筋”を合わせて腸腰筋と言います。

上半身と下半身を結ぶ重要な筋肉の1つで、骨盤から背骨に掛けての安定に大きく関与しているため、姿勢の維持に非常に大切となります。

 

主な作用は股関節の曲げること、つまり膝を上げる動きです。これは前述しましたように、膝を真っ直ぐ上げることが出来れば正しく腸腰筋が使うことができますが、膝が内側に入った状態で膝を上げると大腿筋膜張筋が代償し、腸腰筋を弱らせる原因となります。

 

そして腸腰筋が正しく使われるために必要な条件がもう1つあります。それは反対側の大殿筋の活性化です。腸腰筋と反対側の大殿筋は共同で働くことがわかっています。骨盤を介して対側につくこれらの筋肉は、歩行などでの人間らしい機能的に動きを行うために互いに補い合って働いているのです。

 

このように筋肉は単独で鍛えるだけでなく、複数の部位を意識しながらトレーニングを行うように発展させることも大切なのです。

 

それではまず、腸腰筋を意識出来るように単独で鍛えていきましょう。

 

4-1.腸腰筋活性化エクササイズ

①壁にもたれるように肩甲骨を付け、少し腰を浮かせます。この時少し腹筋に力を入れておきましょう。そして膝を抱え、腰と壁の空間をキープできる高い位置まで太ももを引き上げます。

 

膝を抱えた手を離した状態15秒ほどキープしましょう。これを左右3セット繰り返していきます。股関節付け根のやや内側の収縮感を意識しましょう。

 

この時膝はまっすぐ上げるか少し開く(踵が反対側の膝に掛からない程度)ことで、腸腰筋の収縮をより感じやすくなります。

 

□注意点

下の図のように股関節が内側に捻れ過ぎてしまうと、ターゲットとなる腸腰筋の活動は抑制され、股関節の外側にある大腿筋膜張筋が過剰に働き、太もも太りの原因となってしまうため注意しましょう。

更に外側に開き過ぎ(踵が反対側の膝を超える)ても、腸腰筋ではなく内転筋の作用が強くなるため、こちらも注意が必要です。

 

4-2.姿勢改善に!“もっと”腸腰筋トレーニング

(4-1.腸腰筋活性化エクササイズ)で腸腰筋を上手く意識出来たら、次は大殿筋と組み合わせていきましょう。膝を上げるだけでなく、地面に付けた側のお尻の収縮感を意識することが大切です。

 

□方法

①腰に手を当て、足を腰幅に立ちます。

 

②片膝を上げて片脚立ちとなり、地面に付けている側のお尻を引き締めるようにして背筋を伸ばしていきましょう。

これを左右10秒キープ3セット行いましょう。

 

4-3.美しいウエストまわりに!ダンベルキープBoxステップ

先ほどご紹介した腸腰筋と大殿筋のエクササイズを、ダンベルを用いて負荷を高めていきます。また、BOXなどの台を使うことで大殿筋への負荷を強調でき、ヒップアップ効果も期待できます。初めはダンベル3kg程度、BOXの高さは20cmを目安に行っていきましょう。

腸腰筋を入れることで腹筋も活性化されることがわかっている為、お尻の引き締めや姿勢改善だけでなく、お腹まわりの引き締め効果も期待できます。

 

□方法

①左手にダンベルを持ち、図のように肘を畳んで胸の前に抱えて反対側の手で支えるようにしましょう。そして右足をBOXに乗せます。

 

②踵で地面を押し込むように、BOXの上で片脚立ちとなります。この時、膝はおヘソの高さまでしっかり引き上げておきましょう。右側のお尻を締め、右膝はしっかり伸ばします。

これを左右10回3セット行いましょう。

※頭から真上に引っ張り上げられるような意識で、背筋を真っ直ぐ伸ばしましょう。

 

第5章【美脚ストレッチ】

5-1.ヒップアップの前に!大殿筋ストレッチ

デスクワークなどで長時間猫背のような姿勢で座っていると、骨盤が後傾して大殿筋の柔軟性が低下してしまいます。これによって股関節が更に曲げにくくなり、下半身太りの原因となってしまうため、積極的に大殿筋をストレッチしていきましょう。

 

□方法

①右足を前に出し、膝を90°に曲げて床に座ります。この時左膝も90°に曲げておきましょう。

 

②背筋を伸ばしたまま上半身を前方に倒していき、右側の大殿筋にストレッチ感を出していきましょう。

これを15秒キープ3セット行いましょう。

 

5-2.綺麗なお尻を目指す!梨状筋ストレッチ

股関節の深部にある梨状筋をストレッチしていきます。主な役割は膝を外に向ける(股関節の外旋)動作ですが、柔軟性が失われることで”もも上げ”のような股関節を曲げる動作を制限してしまいます。そこで梨状筋をストレッチし、股関節を曲げる腸腰筋に上手く力を入れられるようにしていきます。また同時にストレスのかかりやすい股関節の前側の筋肉(大腿筋膜張筋)もストレッチすることができます。

 

□方法(右側の場合)

①立てた右膝を内側に倒し、左足を右膝の外側にかけます。

 

②左足を使って右膝を地面に近づけるように押していきます。また上半身を図のように捻ると、ストレッチ効果が高まります。これを左右15秒ずつキープしましょう。

※膝や股関節に痛みが生じる場合は行わないように注意してください。

 

5-3.太ももをスッキリさせる!大腿筋膜張筋ストレッチ

日常的に膝を上げる動作で腸腰筋を上手く使うことができなければ、代償的に大腿筋膜張筋に負荷が掛かってしまいます。そして大腿筋膜張筋は硬くなり、更に下半身太りの原因となってしまうため、ストレッチを行い筋肉の緊張をほぐしていきましょう。

 

□方法

①右膝を付き、足を前後に開きましょう。

 

②地面に付けた右膝で地面を押すように身体を前方で移動させます。

 

③その状態で右手を上げて身体を左側に倒し、右側の股関節外側(大腿筋膜張筋)をストレッチしていきましょう。

これを左右15秒キープ3セット行いましょう。

 

第6章【美脚エクササイズ】

6-1.姿勢から美しく!デッドバグ

シットアップや上体起こしのよう腹筋でなく、姿勢の維持に必要な腸腰筋や腹筋などの体幹まわり筋力を鍛えていきます。膝を伸ばしたポジションで腹筋を使う事を意識していきましょう。

 

しかし、腰が浮いた(過剰に反った)ポジションで行ってしまうと腰痛の原因となるため注意しましょう。

 

□方法

①仰向けになり膝を引き上げます。そして両手を“前ならえ”のように伸ばしましょう。この時恥骨を頭方向へ引き上げるようにすることで、腹筋を意識しやすくなります。

 

②足関節は90°をキープしながら、右手・右足を地面に接地しないようにまっすぐ伸ばしていきます。

この状態を10秒キープ3セット行いましょう。(反対側も同様)

※腰が浮くと腰椎の伸展、そして腰痛に繋がるため、腰が浮かない角度で始めてみても良いでしょう。

 

6-2.お尻の付け根を引き締める!膝抱えヒップリフト

片脚でヒップリフトを行うことで、お尻の付け根(大殿筋の特に下部)を鍛えていくトレーニングです。

 

□方法

①仰向けとなり、膝を曲げて踵をお尻に近づけます。そして片膝を持ち、胸に引き付けましょう。

 

②お腹に軽く力を入れたまま、踵で地面を押すようにお尻を持ち上げていきます。

これを左右15回3セット行いましょう。

 

6-3.骨盤を整えて美尻に!スプリットスクワット

足を前後に開いた状態で行うスクワットトレーニングの1つです。

前に出した側の大殿筋だけでなく、後ろ側のお尻を引き締める意識を持つことで股関節の動きを整え、ヒップアップや脚痩せ効果が期待できます。

 

□方法

①足を腰幅に立ち、右足を前に足を前後に開いていきましょう。そして上半身を少し前に傾け、背筋を伸ばします。

※この時つま先や膝は正面を向くように注意しましょう。

 

②股関節を畳むように真下に腰を落とし、右側の大殿筋に力を入れることを意識しましょう。

※膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。

 

③右の“かかと”で地面を押すように身体を「①」の状態まで戻していきます。この時左足は真っ直ぐ伸ばし、お尻を締めるようにしましょう。

これを左右10回3セット行いましょう。

 

第7章【まとめ】

「〇〇を鍛える!」「ヒップアップにはこれだけ!」このように、今はSNSなどで多くの情報を手に入れることができますよね。しかし重要なことを忘れてはいけません。人の身体にはバランスがあり、何か1つの筋肉を鍛えることで必ずバランスは崩れてしまいます。バランスを整える為に行った偏ったトレーニングが原因で、更に身体は歪んでしまうような結果では悲しいですよね。

 

筋肉の動くリズムである拮抗筋や共同筋をバランスよく整え、あなたのダイエットプログラムを成功させてみませんか?

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