身体の疲労は脳の疲労?疲れが取れにくいあなたを回復させる3つのこと
仕事にプライベートに大忙し。
寝る間も惜しんで何かに没頭できるほど、やりたいことに溢れる毎日は、一体どれほど充実していることでしょう。
そんな他人を羨むかのように、あなたの行動を咎める疲労感に悩まされていませんか?
パソコンやスマホなどの電子機器を始め、様々なストレスに晒される私たちにとって、真の疲労回復方法を身に付けることは必要不可欠。
※近年の研究でも日本人の6割は疲労を日常的に感じているとのデータがある。
そして疲れの根本は脳にあることを、あなたは知っていましたか?
脳の疲れは自律神経の乱れ。自律神経が乱れると、もはや心と身体は制御不可能なのです。
本コラムでは疲労の根本的な問題である脳の疲れと疲労回復を早める具体的な方法について詳しく解説していきます。
目次
第1章【疲れとは?】
実は疲労にも定義が存在します。
引用:日本疲労学会
つまり身体が疲れを感じるのは心身にそれだけストレスが掛かっている合図が疲労の正体であり、無理が祟って壊れないよう行動にストップを掛ける為に必要なものとなります。
1.脳が疲れを感じるメカニズム
疲れは大きく分けて二種類あります。
いわゆる【末梢性疲労】と呼ばれる肉体的な疲労と、【中枢性疲労】と呼ばれる中枢性疲労があり、それぞれ特徴がありますが、本コラムでは主に脳の疲れを示す中枢性疲労について取り上げていきます。
疲れを溜め込んだ現代人の為に、近年では疲れにまつわる脳・中枢神経の研究が盛んに行われており、疲れが発生するメカニズムが解明されています。
まずはこちらをご紹介しましょう。
①副交感神経の機能低下が起こる
②活性酸素※が増加する
③ダメージを受けた細胞を修復するエネルギー産生機能が低下する
④炎症反応(サイトカインなどの放出)が起こり神経伝達機能が抑制される
※活性酸素とは細胞がエネルギーを消費する過程で発生する副産物のことであり、本来は酵素などの働きによって除去されるが、ストレス反応により活性酸素の除去が遅れることがある(酸化ストレス)。また活性酸素は脂質やタンパク質、細胞のDNAを変性・劣化させてしまい、老化や疲労の大きな原因となる。
少し難しい話となりましたが、あなたが疲れを感じるのはそれなりの理由があることがわかりますね。
2.中枢性疲労
では話を脳の疲れに戻しましょう。
前述したように疲れにはメカニズムがあり、身体に様々な反応が引き起こされた結果として疲労を感じるようになります。
しかし重要な会議後や過度に緊張する場面の後にはドッと疲れてしまった経験があるのではないでしょうか。
このような精神的な緊張は交感神経が大きく反応し、相対的な反応として副交感神経の機能は低下します。自律神経の乱れは即ち、脳の疲れ(中枢性疲労)に直結していることがわかりますね。
3.末梢性疲労
末梢性疲労とは即ち肉体的な疲労(筋疲労)のことであり、普段からトレーニングを行っている方であればきっと経験したことがあるはずです。
筋肉を意識的に動かす際は必ず、脳から筋肉に掛けて①神経回路を介して電気刺激が伝わり、②神経筋接合部では化学的伝達物質が放出されます。
これら①・②はどちらも繰り返し行われることで活動が制限されます。そして筋肉を思うように動かせなくなり、筋出力も低下してしまうのです。これが末梢性疲労(筋疲労)の正体なのです。
この事から、肉体労働を繰り返したり、ハードなトレーニングを継続することで起こる疲労はもっぱら末梢性疲労ということとなります。
第2章【脳が疲労を感じた時の5つのサイン】
あなたが感じる疲労にも種類があることがわかりましたね。
普段の生活を思い返してみると、きっと様々なストレスが身体に掛かり、それだけ疲労を溜め込んだままとなっているはずです。
「あまり疲れた感覚は無いんだけど・・・」
しかしそれは疲労を実感していないだけで、しっかり疲れていない訳では無いかもしれません。
それでは次に、脳が疲労を感じた時に現れるサインを見ていきましょう。
1.飽きやすい
「何かに取り組んでみても、ふと気が付くと熱が冷めて飽きてしまう・・・」
もしかすると、あなたの脳が疲れている重要なサインかもしれません。
脳科学の研究によると、長時間同じ作業を続けることで脳の同じ部分に負荷が集中してしまいます。そして本章の冒頭でも記載したように、活性酸素が発生して神経伝達能力が低下します。
これによって脳の情報処理能力が低下し、集中力の著しく欠如させてしまうのです。 あなたが飽きたと感じるのは、脳にとって刺激的ではないだけでなく、脳細胞を酸化ストレスから守るための自己防衛反応という訳ですね。
2.もの忘れ・ケアレスミスが多い
いつも何気なくしていることでも、何故か人は忘れてしまうようです。
電気を消し忘れたり、鍵を閉め忘れるなど、普段では考えられないようなことが脳の疲労によって引き起こされてしまいます。仕事においても同様で、文字や数字の入力を間違えていたり、指示された案件を忘れてしまうなど、ケアレスミスや物忘れが連発してしまった時は脳の疲労を疑ってみたほうが良さそうです。
※もの忘れにはその他にも様々な原因が考えられるため、長期的に引き起こされる場合には専門医へ受診するようにしましょう。
3.怒りやすい
「上司や部下の言動にイライラしてしまう・・・」
「恋人や家族と些細なことでケンカをしてしまった・・・」
後々冷静になってみればそんなに怒る内容でもないのに、脳が疲労している状態では怒りをコントロールできないことが多々あります。
喜怒哀楽の感情をコントロールするのは大脳における前頭葉(前頭前野)であり、脳科学の研究データによると、脳の疲労は前頭葉の血流を低下させるそうです。そして栄養不足となった前頭葉は制御不可能となり、負の感情の1つである怒りを抑えられなくなってしまのです。
4.やる気が起きない・ネガティブ思考
「自分ひとりのタイミングだと、色々な不安が頭を巡ってしまう」
「どうせやっても無駄だと思ってしまいがち」
自分でもこんな思考はダメだと分かっていても、なかなか行動を変化させることは出来ません。
それはやはり、脳が疲れているからです。
物事を悪い方向に考え続けてしまう思考(反芻思考)は即ち脳が正常に機能せずボーっとした状態を表しますが、これは脳の栄養不足も関与しています。
実は我々の脳は主にグルコース(ブドウ糖)しかエネルギー源として利用することが出来ません。それ故に脳や身体の酷使による血糖値の低下は脳のエネルギー不足を引き起こしてしまうのです。
そして脳のエネルギー不足はドーパミンの分泌低下を招きます。ドーパミンはやる気と幸福感が得られる脳内物質ですが、それだけでなく運動や学習、感情、意欲など人の行動を左右する大きな役割があります。
※ドーパミンの過剰分泌はアルコール・ギャンブル依存症を招く。
▪やる気が出ない
▪考えがまとまらない
などのネガティブな感情は脳の疲れが引き起こす重大な問題なのです。
5.身体の疲れが酷い
「慢性的な肩コリが酷い」
「せっかくの休みなのに倦怠感で動くのが億劫・・・」
一見肉体的な問題だけかと思いがちですが、脳の疲労も大きく関係しています。
繰り返しとなりますが、脳と身体には密接な関係があり自律神経のバランスを崩してしまうことがあります。自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、心臓血管系・胃腸の消化吸収・ホルモンバランス・体温や呼吸に至る生命維持の為に必要な臓器の活動をコントロールする為に働く神経です。
つまり脳の疲れが自律神経のバランスを乱し、筋肉に必要な栄養が行き渡らないため疲労を強く感じてしまうという訳ですね。
自律神経について詳しく知りたい方は【ツボケア】身体を整えるには鍼灸が良い理由【自律神経】が参考になるかと思います。
第3章【疲労回復に導く方法3つ】
それでは次に、脳の疲れを改善し心も身体もリフレッシュさせる方法について解説していきましょう。
1.ストレッチをする
ストレッチはスポーツ選手がするものというイメージがある方も多いのではないでしょうか?
「そもそも身体が硬いためストレッチに対して抵抗感がある・・・」なんてケースも考えられますね。
ストレッチのメリットは身体の柔軟性を高めるだけではありません。
ここまで脳の疲れについて取り上げてきましたが、結論から言うとストレッチを行うことによって脳を含めた全身の血流が改善し、疲労回復効果が高まります。
前章でも触れたように、疲労を感じている身体は酸化ストレスに晒されており、酸性(錆びついた)に傾いた身体を元に戻すためにはストレッチを欠かすことは出来ないのです。
ストレッチのメリットやセルフストレッチの方法をもっと知りたい方はセルフストレッチでコンディショニング!パーソナルストレッチ+αで効果大に詳しく紹介しておりますので是非ご参照ください。
2.食事を改善
「今日食べたものが明日以降の身体になる」
この言葉の通り、食べるものが悪ければ身体の調子が悪くなるのも至極当然のことと言えます。
脂質を摂り過ぎればニキビや吹き出物などの肌トラブルに繋がり、糖質を摂り過ぎれば糖尿病などの病気の原因となります。
そのことを踏まえると、3大栄養素である糖質・脂質・タンパク質をバランス良く摂取することが大切なのです。
そしてビタミンやミネラルの存在を忘れてはなりません。 これら2つはエネルギー源として体内に吸収されるのではなく、細胞の新陳代謝をよりスムーズに行うためのサポートとして必要となります。
※3大栄養素にビタミン・ミネラルを合わせて5大栄養素と呼ぶ。
ビタミンB群
ビタミンは全部で13種類ありますが、その中でもビタミンB群は特に疲労回復効果の高い栄養素であることは知っておいたほうが良いでしょう。
細胞のエネルギー代謝を高めるビタミンB群は、古い細胞から新しい細胞へ生まれ変わる為に必要であり、新陳代謝のサイクルが活発に行われるようになるため疲労を回復させることが出来るのです。
ビタミンB群が多く含まれる食品は豚肉(ヒレ)や鶏卵、サンマやマグロ、更には大豆製品が代表的ですが、もっと詳しく知りたい方はダイエットを始める前に知っておきたい大栄養素の話【何事もバランスが大切です】が参考になります。
BCAA
タンパク質の一種(必須アミノ酸)であるバリン・ロイシン・イソロイシンを合わせたBCAAは、筋肉を始め身体を作る重要な栄養素です。
これらは血液成分の素となり、エネルギー源となるグリコーゲンを合成するため、BCAAが不足すると全身の筋肉や細胞に酸素や栄養素が巡らなくなり、疲労を招く大きな原因となります。
3.睡眠を整える
やはり疲労を回復させる王道である睡眠を疎かにすることは出来ません。
睡眠が上手くいくとダイエットは成功するでも解説しておりますが、睡眠は肉体的にも精神的にも必要な要素です。
結局のところ、自律神経を整えることが出来れば脳も自然と休まり、疲労を回復させることが出来るという訳ですね。
第4章【まとめ】
今回は脳の疲労が招く身体的疲労と回復の方法について取り上げてきました。
あなたの脳、疲れていませんか?
最後に脳が疲れたサインについて再確認しておきましょう。
飽きやすい
もの忘れ・ケアレスミスが多い
怒りやすい
やる気が起きない・ネガティブ思考
身体の疲れが酷い
この中で1つでも当てはまるものがあれば、ストレッチ・食事・睡眠を見直すことをオススメします。
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山戸 勝道
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