重心を変えればダイエットは成功する!正しい姿勢を身に付けよう
普段何気なく立っているとき、自分の身体を意識したことがありますか?
おそらくいつものあなたは次の用事の考え事やスマホの画面に夢中になって自分の身体は二の次三の次といった所でしょう。もし本当に身体を変えたいのであれば、どんなにキツイ筋トレをこなすよりも、普段の姿勢を意識したほうが良いのです。
そこで今回は、“脚の太さ”や“足の疲れ”で悩んでいる方が鍛えるべきポイントをご紹介しましょう。
目次
第1章【疲れの原因は重心?】
普段から立ち姿勢が多い方は是非、姿勢を左右する“重心”について意識を持って欲しいのです。
「朝から晩まで働いて足がパンパン・・・」
「毎日夕方になると足が疲れてしんどい」
このような悩みを抱えている方も多いはずです。そしてこれらの慢性的な症状は、マッサージのような対症療法では太刀打ちできません。その理由は単純明快。イメージしてみてください。もしあなたが「今から一日中肩をすくめて過ごしてください」と言われ、忠実に再現したなら、一日であっという間に“肩こり”が完成します。これと同じことがあなたの足で起こっているのです。
“こり”や“痛み”という結果に対してだけではなく、その原因を根本から改善しなければあなたの悩みを解決することはできないでしょう。その重要なカギとなるのが重心というわけです。
第2章【重心にクセが出る】
脚の太さの原因は体重(体脂肪)の増加によるものだけではありません。実は身体の“重心”を整えるだけで体型はガラッと変わります。いわゆる身体の歪みが太る原因であり、リバウンドを繰り返したり、下腹や太もも、二の腕などの特定の部位が気になる方にとって改善すべきポイントなのです。
カバンを同じ側で持ったり、足を組んで座ることで身体の歪みは作られてしまいます。
この歪みによって筋力にばらつきが生まれ、身体はそのアンバランスを補うために重心を変化させて最終的に“脚の太さ”だけでなく腰痛に発展することもあります。
それでは次に、その重心について詳しく見ていきましょう。
第3章【そもそも重心って何?】
さて、ここまで“重心”と一言で言ってきましたが重心について一度整理していきましょう。
重心とは重さの中心(バランス)が取れた場所を表します。人間の重心はどこにあるかと言えば、おヘソの下である“丹田(たんでん)”とイメージする方も多いでしょう。
しかし立ち姿勢を見ていくと、“丹田”という一か所だけの話ではなく頭から足先までのバランスを見ていかなければなりません。この時大切なのが、身体の各パーツ毎の基準となる重心線なのです。
①重心線
それではヒトの重心線(前後の変化)についてみていきましょう。まずは身体を横から見た時についてご説明します。人間らしい立ち姿の為には、
◆耳
◆肩峰(肩の骨)
◆大転子(太ももの骨)
◆膝
◆くるぶしのやや前方
この5つのポイントを結んだ線が垂直であるときに前後のバランスが均等であり、いわゆる姿勢が良いとされています。
そしてこれらのポイントを垂直に結んだ線を重心線と呼び、理想的なボディメイクの為に必要な要素となります。
この重心線よりも頭が前に出ていたり、腰が突き出ていたり(反っていたり)することで、その周辺に過剰に負荷が掛かってしまいます。このように重心線に変化が起こる原因が筋力の不足なのです。
②支持基底面
そして地面に向かって重力により引っ張られている状態に抵抗しているのが足であり、その重さを支えている面が“支持基底面”です。この支持基底面の中心に重心線が通ることで、綺麗な立ち姿を保つことができるのです。
第4章【きっと見たことある?様々な姿勢】
重心線のイメージが掴めた所で、街行く人々の姿勢を参考に“悪い姿勢”について説明しましょう。
「これ私のことかも?」と思ってみていくと、あなたの問題点がきっとわかることでしょう。
①後ろの壁に寄りかかった姿勢(スウェーバック)
何気なく立っている時、このように“おヘソ”が前に突き出た姿勢を取っていることは少なくありません。この状態をスウェーバックと言います。
スウェーとは前後に揺れることを表しており、重心線のなかでも大転子(太ももの骨)もしくは腰骨(腰椎)が大きく前方に移動した状態を表しています。
そしてこの姿勢では大きく4つの問題点があります。
まず1つ目は背中の上部を丸めて頭が前方に突き出た状態となる為、バストが下がってしまいます。そして2つ目は前方に突き出た“おヘソ”を引き上げる腹筋の弱さによって下腹が出やすくなるということです。3つ目は垂れ尻です。“おヘソ”が突き出ているということはお尻の筋肉を上手く使うことができなくなってしまうからです。そして4つ目は、ふくらはぎのハリ感です。骨盤が前方へ移動したスウェーバックの中でも、重心がつま先寄りになっている人に多く見られます。身体が前のめりになった状態では、体勢を立て直すために自然とつま先で踏ん張ってしまいます。これがふくらはぎのハリ感、そしてふくらはぎ太りに繋がるのです。
何故このような姿勢の変化が起こってしまうのかと言うと、やはり腹筋の弱さが原因の1つと言えます。更に言うと下腹を中心とした腹筋のことを言います。上半身を丸めるような腹筋ではなく、下腹を引き上げるような腹筋を意識することが、結果としてバストアップやヒップアップに繋がるのであれば意識しない手はありませんね。
②休めの姿勢(側方スウェー)
学校の朝礼でよくやっていた“休め”の姿勢。あなたは普段から使っているかもしれません。信号やレジでの待ち時間、歯磨きや食器洗いなど、立ったままその場にいるシチュエーションは非常に多くあります。その時、少しだけ自分の身体を意識してみましょう。
このように、左右どちらかの足に体重を掛けて過ごしていませんか?この姿勢では足の筋力を使わずに立つことができるため、はっきり言って非常に楽です。やはり“休め”の姿勢なだけありますね。しかし常に休んでいる訳にはいきません。むしろ、あなたの腹筋やお尻をこれ以上休ませてはいけないのです。
この時あなたの支持基底面における重心は大きくどちらかの足側に移動しています。そして図の正面を見てみると、体重を預けた側のお尻が横に突き出ていることがわかります。ここに位置する筋肉が中殿筋と呼ばれる股関節・お尻まわりのインナーマッスルであり、ヒップラインを引き締める為に非常に重要な筋肉となります。つまり、“休め”の姿勢を続けて行うことで、あなたのお尻は一段と締まりが無くなってしまうのです。
このように、何気ない普段の立ち姿勢からあなたの身体の変化は既に始まっています。
第5章【姿勢の変化は自分の弱点!】
前章でご紹介したように重心が変化することによって姿勢は大きく変わり、その変わり幅は人によって個人差があります。そしてこの個人差とは筋力の差であり、裏を返せばトレーニングをすることで元に戻すことは十分可能という訳です。
また、姿勢が変化するということは必ずどこかの筋力が弱くなっている証拠です。
正しい重心に近づくことで、弱くなって普段使うことができなくなった筋肉をしっかりと使えるようになり、あなたの体型の悩みやダイエットを成功させることが出来るというわけです。
当然使える筋肉が増えるということは、普段から消費されるエネルギー(基礎代謝)が増えることを意味します。これがリバウンドの恐怖からあなたを守ってくれる役割も果たしてくれます。
第6章【重心がズレるデメリット】
ここまで重心の変化についてみていきました。
しかし、「まだ体型も崩れてないし、気にしなくていいや」と思っているあなた。ちょっと待ってください。変化が起こってからでは遅いのです。
食生活や運動量など、今までと同じような生活をしていても身体は年齢を重ねる毎に変わります。その変化がネガティブなものであれば悲しいはず。今のカラダをより良いものとするためにも、立ち姿勢は気にしたほうがよいのです。
①基礎代謝(エネルギー消費量)の低下
前章の最後で少し触れたように、重心がズレるということは筋肉で身体を支えられなくなっているという事です。そして姿勢が崩れ、更なる筋力の低下を生じてしまいます。このように負の連鎖に入ってしまうと、自然と回復することはまずありません。これでは基礎代謝が高い20~30代に問題なくても、40代以降では大きく身体に変化が起こっても無理はありません。
筋肉は使わなければ衰えてしまうのは当然の事。ダイエットやボディメイクを成功させるためにも、姿勢のチェックはマストなのです。
②“冷え”や“むくみ”の原因となる
“冷え”や“むくみ”で悩む女性の方は多いですよね。着圧ソックスや湯たんぽなど、様々な道具に頼って寒い冬を乗り越えていませんか?“冷え”が酷い方では夏場にも「手足が冷たくて・・・」というケースもあります。
“冷え”や“むくみ”の原因は全身の血液の流れが滞り、老廃物が上手く排出されないことが原因で起こります。体内で温められた血液を手足の隅々まで流すために必要なのが筋肉のポンプ機能であり、筋力が低下することで当然この機能も低下してしまうという訳です。
また、体温を産生するためにも筋肉は重要な役割を果たしており、基礎体温が低い方は筋肉量が低い傾向にあります。“免疫力の低下”や“生理不順”でお悩みの方も、姿勢の崩れに伴う筋力の低下が原因かもしれませんよ。
③疲れやすい
重心の変化によって起こった姿勢の崩れ。もしかするとあなたが最近感じている疲労の原因かもしれません。
“休め”の姿勢のように楽をしたくて取っていた姿勢が、結果として疲労を溜め込む結果を生じてしまうケースもあります。本来、立つという事は重力に逆らってわずか2本の足で体重を支えるという事です。休めの姿勢では片脚1本で全体重を支えなければならず、余計な負荷が掛かるのも当然です。そして筋力不足が相まって血液循環が滞り、疲労物質が溜まってしまいます。
腹筋やお尻を含め、全身が連動して働くことで身体の負荷を分散することが出来るのです。
第7章【あなたの重心は大丈夫?壁を使って簡単セルフチェック】
ここまでくると、あなたは自分の身体が一体どうなっているのか気になる所ですよね。
そこで、壁を使った簡単セルフチェックを行ってみましょう。
それではまず、壁に背を向けて両足の“かかと”をピッタリと付けるように立ってみましょう。この時、頭・肩甲骨・お尻・“かかと”の4つが綺麗に壁についていますか?
真っ直ぐ立っているように思っていても、その感覚自体がズレていることは多々あります。
このように何か基準があると人は判断しやすく、改善の糸口や意識を保つことができるという訳ですね。
それでは早速、“正しい姿勢”を体験していきましょう!
とは言っても、やり方は簡単です。先ほどセルフチェックした項目を壁に付けるだけです。
意外としんどいですよね?そして何より、腹筋(下腹)に力が入る感覚があるかと思います。さて、そのまま歩きだしてみましょう。下手に腹筋などのトレーニングを行うよりも、ポッコリお腹やバストアップの効果を実感できるはずです。
そして余裕がある方は、更にその姿勢から頭が天井から引っ張られるようなイメージを持ってみましょう。
ここまで出来たなら、あなたの意識は確実に変わります。美しい姿勢の人は、自身に満ちあふれているのです。
第8章【自信という“オーラ”を身に付けよう!】
いわゆる“良い姿勢”の方は、必ず人の目を引きます。それは厳しいトレーニングを欠かさない一流のスポーツ選手だけでなく、名俳優やモデルでも同じです(最近では俳優やモデルの方もパーソナルトレーニングを受けている方は多いのです)。一般の方とは明らかに違うその雰囲気を“オーラ”の一言で片づけていいのかわかりませんが、やはり人に見られるという意識が高いからこそ、姿勢という身体の基本が出来ているという事なのです。
せっかくトレーニングを行うのであれば、特殊なトレーニングプログラムに取り組む前に、この姿勢の部分から取り組んでいくと、その効果が確実に高まります。重心が崩れ、身体が歪んだ状態でトレーニングを行っても、トレーニングを適切に行うことができないだけでなくケガにもつながりかねません。
くびれ美人ではパーソナルトレーニングの初めに必ず姿勢の歪みをチェックし、歪みを修正してからトレーニングを行っていきますのでご安心くださいね。
パーソナルトレーニングに興味がある方は、是非1度体験レッスンを受けてみてはいかがですか?
第9章【まとめ】
「姿勢を意識しましょう」と一言で言っても、実際何をどう意識したらいいのかわからないまま放っておいていた方に、少しでも参考になれば嬉しいですね。
体型の崩れは勿論の事、“冷え”や“むくみ”の原因が重心の変化に伴う姿勢の崩れであるのならば、より多くの女性が取り組むべきものだと僕は考えています。
「お尻だけを鍛えて姿勢改善!」であったり、「ストレッチポールに乗るだけで姿勢が変わる」といったように、何か1つのトレーニングやストレッチを行うだけで身体の変化を実感できると謳っているものも多々あります。確かに直後での変化は実感できるかもしれませんが、結局また元に戻ってしまえばイタチごっこのように繰り返しとなるだけです。
人は必ず重力に逆らって生活をしています。つまり最も重要なポイントは運動の方向です。この事を普段から意識し、重力に逆らうように頭を天井から引っ張られるようにしながら一日を過ごしてみてくださいね!
くびれ美人パーソナルトレーナー
山戸