ダイエット中に気を付けたい食事のこと
ダイエットを行う上で、誰しもが悩んでしまう食事についてご紹介していきたいと思います。
「食べることは生きること」という言葉があるように、私たちの身体は食べたもので作られています。
ダイエットを開始する際に、まず最初に考えることは食事についてではないでしょうか?
炭水化物を食べるのはやめよう
お肉を食べるのはやめよう
野菜をたくさん食べよう
など、よく聞くダイエット時の食事管理です。
ですが、本当に炭水化物をカットすることが、お肉・お魚をカットすることがダイエットに繋がるのでしょうか?
そしてその先にある健康に繋がるのでしょうか?
その答えは「NO」です。
健康的にダイエットをしたいとお考えの皆様、ぜひ最後までお目通し下さい。
なにかヒントになることがあるはずです。
無理なく、そして細く長く続けていける生活にしていきましょう。
目次
1.正しい食事制限?
1-1.極端な糖質制限はNG
最近のダイエット食のトレンドは「糖質制限食」と言っても過言ではありませんね。
糖質制限食とは、食事から摂取する糖質の量を減らすことで、ダイエットを行うための食事のことです。
では、なぜ糖質が太ると言われているのでしょうか?
糖質を摂取した場合、血液中の糖の濃度、いわゆる血糖値が上昇します。
この糖は身体を動かすためのエネルギーとして活用されるため、生きるためには必要不可欠なものです。
しかし、その糖が身体に対して必要以上に摂取されてしまった場合、過剰になってしまった糖は血糖値を下げるホルモン、「インスリン」の働きによりエネルギーの備蓄として、内臓脂肪や皮下脂肪として身体に蓄えられます。
この蓄えられた脂肪は、身体のエネルギー不足に陥ってしまった場合に、分解されエネルギーとして使われるのです。
また、急激な血糖値の上下により「グルコーススパイク」に陥ってしまった場合、インスリンの分泌量が普段から過剰になってしまい、より脂肪を蓄えやすい身体になってしまいます。
そもそも、糖質制限食というのは、この血糖値の上昇を抑えることで蓄えられる脂肪の量を減らし、現状蓄えられている脂肪を燃焼させることで痩せるという理論に基づいて提唱されているものなのです。
しかし、冒頭でお伝えをしたように、糖は身体を動かすためのエネルギーです。
これをあえて欠乏させてしまうことは決して良いとは言えません。
血中の糖が減ってしまい、エネルギー源がなくなってしまった場合、人間の身体ではどこからエネルギーを補給するのでしょうか。
これまで蓄えてきた内臓脂肪や皮下脂肪から!とはいかないのが人間の身体です。
実際にエネルギー源として使われるのは、筋肉なのです。
筋肉と脂肪、どちらもあった場合、より効率よくスピーディーにエネルギーに変換されるのは筋肉と報告されております。
そのため、過度な糖質制限では筋肉が落ちやすくなってしまうのが実際のところなのです。
ダイエットのために、筋肉トレーニングを行なっているのにも関わらず、エネルギーが足りないからと言って筋肉が分解されてしまっては元も子もありません。
理想通りに脂肪からエネルギーを産生することが出来ないのが人間の身体なのです。
また、蓄えられた脂肪をエネルギーに変換する際に発生するケトン体。
これは、脳のエネルギー源として使われるため良いものであるとする考え方がある一方で、ケトーシスと言われる状態のように、血中にケトン体がたくさん出てくることで身体に悪影響を与えてしまうこともある物質が発生するなど、賛否両論であるとも言えます。
これらのことを踏まえると、せっかくつけた筋肉を分解させないためにも、身体に悪影響を与えないためにも、日常生活の中で必要な糖質というのはしっかりと食事から摂取する必要があるのです。
1-2.摂取カロリー目安
そもそも、なぜ太るのか、という原因に立ち返りましょう。
一般的に、太る際は摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまった際に太るというように考えられています。
過剰に摂取してしまったカロリーというのは、形を変え内臓脂肪や皮下脂肪という形で蓄えられるのです。
この理論に関してはご存知の方が多いのではないでしょうか?
これを踏まえると、痩せるためには食事から摂取するカロリーの量を減らすというカロリー制限を行う必要がありますね。
では、実際に自分が生きるためにはどのくらいのカロリーが必要であるかという問題に発展します。
一日の消費カロリーというのは、基礎代謝量の1.5倍と言われており、安静時に代謝されるカロリーに対しその1.5倍は日常生活の中で使われるエネルギーとして計算されます。
一般的には、30代から40代の女性の推定エネルギー必要量は2000キロカロリーと言われており、これを下回ることが出来れば必然的に痩せていくと考えられています。
ただしこの数値はあくまで平均値であり、身長や体重、筋肉量などで個人個人大きく左右されるものであるという点についてはご理解頂ければと思います。
自分にとっての適正な摂取カロリーについて詳しく知りたい、という方は体組成計などの測定器できちんと調べることをオススメ致します。
カロリー制限について、ここまでご紹介をして参りましたが、過度なカロリー制限は決してオススメすることはできません。
カロリーを制限した食事を続けてしまった場合、身体の中は飢餓状態になってしまい省エネな身体になってしまいます。
また、食事によって外からエネルギーを得る事が出来ないのであれば、蓄えられていたエネルギーを分解し利用し始めます。
このときも、真っ先に分解されるのが筋肉です。
筋肉を動かすためには、かなりのエネルギーを消費するため、その消費の高いものを減らし省エネに活動しようとなることは不思議なことではありませんね。
結果的に、過度なカロリー制限もまた痩せにくい身体を作ってしまう原因の1つとなります。
過剰なカロリー摂取は、内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積へ直結しており、もちろんダイエットのためにはよくありません。
だからと言って過度なカロリー制限は行わないように注意をして下さいね。
2.タンパク質の取り方
2-1.タンパク質が必要な理由
人間の身体は、約60%が水分、そして約20%がタンパク質でできています。
これを聞いただけでも、人間の身体にはタンパク質が不可欠であることはご理解頂けるのではないでしょうか。
タンパク質は20種類のアミノ酸が複雑にからみ合って構成されており、筋肉、皮膚、髪の毛や爪、臓器、そしてホルモンや免疫などの大部分はタンパク質によって作られているのです。
タンパク質は多くの食品に含まれておりますが、特にタンパク質が多く含まれて いるのは肉や魚介類、卵、大豆製品、そして乳製品です。
身体を構成しているタンパク質が不足してしまうことによる大きな問題として挙げられるものに、筋肉量が減少してしまうということです。
これまでのコラムでも、ダイエットのためには基礎代謝量を増やす必要があり、そのためにトレーニングは欠かせないという話を何度かさせて頂いておりました。
基礎代謝量が減ると、何もしていない安静時に消費するカロリーが減ることはもちろん、運動をしても脂肪が燃えにくくなり、ダイエットの効果が下がってしまいます。
ダイエット効果の他にも、抜け毛や貧血、下痢やむくみなどの症状が出る場合もあります。
これらのことを防ぐためにもタンパク質の摂取というのは積極的に行うべきですね。
2-2.必要なタンパク質量
トレーニングをしていない人でも、現状の身体の筋肉量を保つためには、1日のタンパク質摂取量は、体重1キロに対して1グラムと言われています。
体重50キロの人であれば、1日に50グラムのタンパク質が必要ということです。
この身体を維持するための最低限のタンパク質量であっても、実際のところしっかりと摂取出来ているという人はさほど多くはないかもしれません。
では、トレーニングを行い筋肉量を増やしたい人であればどのくらいのタンパク質量を摂取すべきなのでしょうか?
筋肉量を増やしたい人の1日当たりのタンパク質摂取量は、体重1キロに対し1.5~2グラムと言われています。
体重50キロの人であれば、1日に75グラム~100グラムという計算になります。
このタンパク質量を見て、どう感じるかは人それぞれですが、1日の食事の中でこれだけのタンパク質量を摂取しようとすると、食べたいものを食べている、という方にとっては非常に難しいことだと思われます。
お店で売られている食べ物には、ほとんどタンパク質量の記載があるかと思いますので、買う前にどのくらいタンパク質が入っているか見る習慣を付けると良いですね。
朝は、このくらいタンパク質を摂れたから、あとはこのくらい摂らないといけない。という計算をすることができるようになるとタンパク質の摂取は比較的スムーズに行えるようになります。
2-3.タンパク質含有量の目安
では、それぞれの食品にタンパク質がどのくらい含まれているのか見ていきましょう。
タンパク質を摂取、といって真っ先に思い浮かぶであろう鶏肉に関しては、
鶏胸肉100グラム当たり19.5グラム
鳥ササミ肉100グラム当たり23.0グラム
と報告されております。
他にも、小腹が空いた時に手軽に食べられるタンパク質として、ゆで卵などが挙げられますが、卵1つに含まれるタンパク質量は6.2グラム。
納豆1パックで7グラム、プロセスチーズ一枚で4.5グラム。
例えば、鶏ササミ肉100グラムを1日3回食べることが出来れば、69グラムのタンパク質を摂取できるため、トレーニング中の方でも必要なタンパク質量の摂取が出来ていることになります。
ササミ肉は一本60グラム程度であるため、1日で5~6本食べればクリア、となります。
これだけ聞くと、出来そうな気がすると思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際の生活の中で行なって頂きたいのですが、これを毎日続けるというのはなかなか難しいものです。
食事に対して飽きがくることもあり、食事が楽しくなくなるというのは生きる喜びを一つ減らしてしまうかもしれません。
ササミ肉は一例ですが、決まった1つのものからだけタンパク質を摂取するのではなく、長く続けるためにも、様々な食品からタンパク質を摂取できると良いですね。
3.理想の食事
3-1.まずは見直す事
これまでお話をしてきたように、ダイエット中であるからといって過度に食事量を減らしてしまったり、糖質を完全にカットしてしまうような食事はそもそもの健康を損なう可能性があるためやめましょう。
まずは、自分の身体の状態、要するに基礎代謝量やその時の筋肉量、年齢・体重・1日の活動量を見直し、摂取カロリーや目標とするタンパク質の摂取量を決めましょう。
自分が摂取すべきカロリー内で、どれだけタンパク質を摂取出来るか、ということがひとつの課題として考えられますね。
まずは1日、つい選んでしまいがちな食事で、自分が1日にどれだけのカロリーを摂り、どれだけのタンパク質を摂取することができているかを見直しましょう。
足りていないことが分かれば、どのタイミングで補うことが出来るのかを再度検討します。
一回の食事の量をたくさん摂る事が出来ない場合は、間食としてタンパク質が多く含まれたものを選びましょう。
1日の総摂取カロリーが、高すぎる場合は摂取カロリー落としつつそのタンパク質摂取量を維持出来るように工夫をしなければなりません。
このように工夫をするためにも、まずは自分がどのような食事を行なっているのか、改めて検討する必要がありますね。
3-2.プロテインで補う
必要なタンパク質量を全て食事から摂取する事ができれば問題はありませんね。
しかし、元々の体重や、どのくらいのトレーニングを行なっているかで左右される、目標のタンパク質摂取量。
この目標値多くなってしまうと、やはり食事だけでは補いきることは難しくなります。
そこで、効率よくタンパク質摂取するために用いられるのがプロテインです。
今回のように、食事で目標とするタンパク質量が摂取出来ない場合にプロテインを飲むべきタイミングというのは、食事の前後や就寝前です。
食前にプロテインを飲むことでお腹がいっぱいになってしまい、食事の量が減ってしまうなら食後に飲む、などご自身の身体に合わせた飲み方をしていきましょう。
また就寝前に飲むと、睡眠時に分泌される成長ホルモンの働きを助けることにも繋がり、疲労回復などに効果的とも言われております。
1日の目標タンパク質摂取量を3回の食事に割ったとき、それに満たない食事をした際に補助的に追加をすることや、食事だけでは補いきれない場合に間食と一緒にプロテインを飲む、など工夫をすることで無理なく1日のタンパク質摂取量を目指す事ができます。
また、プロテインにはホエイ・カゼイン・ソイと大きく分けて3種類のプロテインがあります。
これらは、吸収時間や動物性・植物性とそれぞれ特徴があります。
通常の生活を送る上では、ホエイプロテインで良いですが、就寝中や食間が長時間に渡ってしまう場合には、ホエイプロテインよりもゆっくりと吸収されるカゼインプロテインがオススメです。
ソイプロテインは名前の通り大豆由来のプロテインなので、美容目的の方には適したプロテインと言えます。
このようにタンパク質をプロテインという形で摂取する際に気を付けて頂きたい事が、いくら1日のタンパク質量が足りなかったからといって一度でまとめて摂取しようとしないことです。
人間の身体では、一度の食事で吸収することのできるタンパク質は30グラム程度と言われております。
そのため、それ以上の量を摂取したとしても、そのタンパク質は無駄になってしまうのです。
こまめに30グラムを越えない範囲で摂取していく方法が良いでしょう。
また、このタンパク質を吸収するためには3~4時間かかると報告されております。
一度の食事や、プロテインなどで30グラム程度タンパク質を摂取することが出来た場合は、次の補給まで3~4時間空けて摂取する方法がベストだと考えられます。
このような補助食品に頼りたくない、という方もいらっしゃるかとは思いますが、ひとつのツールとして捉え、果たして自分にとって必要なものであるかを検討してみましょう。
4.まとめ
ここまでダイエット中の食事についてお話しをして参りました。
今まで偏った考え方をされていた方に対して、そのイメージを覆せることが出来ていれば幸いです。
ダイエット中は、早く痩せたいという思いから過度な食事制限をしてしまいがちになりますね。
ですが、結果的に基礎代謝量が落ちてしまいリバウンドをしてしまったり、健康を害してしまうなど、過度な食事制限ではあまり良いことはありません。
自分にとって適切なカロリー摂取やタンパク質の摂取を心がけていきましょう。