睡眠が上手くいくとダイエットは成功する
日々増え続ける体重、そしてどんどん広がっているベルトの穴・・・
あなたはこのような自分の身体の変化に気付いていますか?
そしてダイエットを決意し、まず何から改善を図ろうとするのでしょうか。
恐らく始めに思い浮かべるのは食事と運動のはずです。
余分なエネルギーをカットし、余分なエネルギーを消費する、勿論この2つはダイエットに欠かすことは出来ませんが、これと同じくらい意識すべきことがあります。
それは睡眠です。
いわゆる睡眠ダイエットという訳では無く、食事と運動の効果を最大限発揮するためには質の高い睡眠が必要なのです。
本記事では睡眠不足が肥満の原因となる理由と、質の高い睡眠を取る方法について解説していきますので、是非ダイエットの参考にしてみてください。
目次
第1章【身体が寝不足と感じる時間は?】
「最近寝不足気味で・・・」
様々なケースでこのような発言を耳にしますが、実際に身体が寝不足だと感じるボーダーラインはどれくらいなのでしょうか?
ただ“眠い”というだけではなく、具体的な症状として
▪身体全体の倦怠感
▪頭痛
▪集中力低下
などの症状がみられる場合、“睡眠不足”を伴うケースが非常に多いのが特徴です。
そして統計的にこれらの症状がみられる対象者の睡眠時間を平均すると5時間前後とされており、この事から普段の睡眠時間が5時間に満たない場合は身体が睡眠不足と認知してしまう可能性が高くなります。
1.7~8時間が理想
それでは理想的な睡眠時間の目安について調べていきましょう。
まず結論から申し上げますと、最適な睡眠時間は6~8時間です。
睡眠にはリズムがあり、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)が交互に現れることでバランスが保たれています。
※レム(REM)とは、Rapid Eye Movementの略称。
眠りはノンレム睡眠から始まり、この時一気に深い眠りへと入ります。そして1時間ほど経過すると眠りは徐々に浅くなり、レム睡眠へと移行します。
このようにレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返す約90分の周期が一晩で3~5回繰り返され、そして浅い眠りの時に目覚めることで熟睡感を得ることができるのです。
睡眠時間の目安である6~8時間は、この周期から逆算することでご理解いただけたのではないでしょうか?
ただし、あくまでもこれは目安。
当然個人差があり、生活リズムも異なる場合が多いので、普段の睡眠習慣を意識して自分に合った時間を探すことが重要となります。
2.睡眠負債とは?
眠りが浅くなる、そして少ない結果として、どのような問題が生じてしまうのでしょうか?
最近では徐々に休校や外出の自粛などは解消されていますが、まだまだ日常の活動量が低下したままの方も多いようです。
大手スポーツクラブでもエアロビクスなど様々なレッスンコースが中止となっており、その影響もあって一日の中で体力を消費することが無くなり、肉体的疲労が少ないので夜更かし気味になってしまう方が増加傾向にあります。
このように、簡単に【睡眠の質の低下】は引き起こされてしまうのです。
睡眠は物理的に身体を休めるだけでなく、脳を休めて精神的にリラックスさせたり、成長ホルモンの分泌によって細胞の修復や疲労回復効果が発揮されます。
※下記の第3章【ダイエットと睡眠不足の裏付け】を参照
しかし日常的に活動量が低下することによって精神的、肉体的活動のオン・オフのスイッチが上手く切り替えられなくなり、睡眠効果が低下してしまうのです。
つまり身体(脳)が疲労を認識していないから休むことができないのです。
この状態では上手く入眠することができず、結果として睡眠時間が短くなってしまうのも無理はありません。
このように日常の歯車(生活リズム)が崩れ、少しずつ睡眠不足な状態を作り出してしまうことを睡眠負債と言います。1回や2回の夜更かしや、ついうっかりやってしまった徹夜とは異なり、長期的に繰り返されることで蓄積される身体の疲労が問題となるのです。
第2章【睡眠不足を解消するべき3つの理由】
「毎朝スッキリ起きたい・・・」
朝が苦手な誰しもが思うことですが、ダイエット成功のカギが睡眠にあることがわかれば解消しない訳にはいきません。
それでは睡眠のメリットについて、3つご紹介しましょう。
①食欲がコントロールできる
②睡眠でカロリー消費
③自律神経を整える
1.食欲がコントロールできる
次章の【ダイエットと睡眠不足の裏付け】にて詳しく解説していますが、十分な睡眠は食欲を抑える効果があります。
ストレスの軽減という理由もありますが、食欲にはホルモンバランスが関与しており、食欲を抑えるレプチンと食欲を増進させるグレリンによってコントロールされているのです。
これらのホルモンは主に睡眠時に分泌されるホルモンであり、睡眠不足の場合は顕著にグレリンの分泌が促されてしまいます。
つまり睡眠不足によって食欲が高まってしまうという訳です。
「なかなか食欲が抑えられない・・・」
もし食事管理が上手くいかない場合、一度睡眠時間を意識してみたほうが良さそうです。
2.睡眠でカロリー消費
「寝ているだけで痩せられる」
少し危ないキャッチフレーズですが、あながち間違いでもありません。
睡眠には2種類あり、脳を休めるタイミングと身体を休めるタイミングあります。脳が休まっている間は身体は起きている状態にあり、この時ダメージを受けた筋肉が修復されるのです。
そして代謝は盛んに行われ、質の良い睡眠が取れている場合は約300kcalものエネルギーが消費されているとの研究結果があります。
睡眠不足の場合はこの消費が半減してしまうとの報告もあり、もし夜更かしをして尚且つチョコレートやクッキーなどの間食も食べてしまえば、一体どれだけダイエットに悪影響を与えてしまうかは簡単に想像が付きますよね?
3.自律神経を整える
まずは自律神経とは何かについて軽く整理しておきましょう。
そして自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。
交感神経は骨格筋(内臓以外の筋肉)を活性化させて脂肪を燃焼させる働きがあり、副交感神経は内臓における消化吸収などの働きを活性化させます。
つまり自律神経が乱れることで基礎代謝が低下し、内臓機能が低下することで脂肪を溜め込みやすい身体へと変化してしまうという訳です。
自律神経の乱れがダイエットに及ぼす影響についてはこちらの記事も是非ご参照ください。
第3章【ダイエットと睡眠不足の裏付け】
睡眠不足を解消するメリットについて確認したら、次はダイエットと睡眠の関係がいかに深いかがわかる理由を3つ紐解いていきましょう。
1.睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌量が低下する
ダイエットの為には食事と運動のバランスを取らなければなりません。
そして運動の効率を高めるためにも成長ホルモンが重要となります。
成長ホルモンとは脳下垂体から分泌されるホルモンの1つで、ヒトの身体を作り上げるホルモンです。
成長ホルモンの働きをまとめると、
▪成長期に伴う骨や筋肉の合成を促す
▪成人以降の身体を維持する
▪代謝を高めて脂肪の分解を促す
このように成長期において身体を作るだけでなく、成長期を終えた成人であっても、成長ホルモンは身体にとって欠かすことは出来ないのです。
しかし身体の成長が止まる20歳以降を境に、成長ホルモンの分泌量は低下してしまいます。
代謝が低下して痩せにくい身体となる理由の1つに、このような内分泌系の問題があることを知っておかなければなりません。
“睡眠中”は成長ホルモンの分泌が促され、特に入眠~3時間の間に一日の分泌量における70~80%が分泌されると言われています。
これだけで、いかに睡眠不足がダイエットに悪影響を及ぼすかがご理解いただけたのではないでしょうか?
2.睡眠不足では太りやすい
ダイエットが成功しないその他の要因として、先ほどの成長ホルモン分泌量低下に伴う代謝の低下だけでなく、当然食欲の影響も非常に大きいものがあります。
成人の男女8000人を対象とした研究によると、平均睡眠時間が5時間以下の場合は50%、そして4時間以下の場合は70%以上の方が肥満傾向にあるというのです。
それでは何故睡眠時間が短いと太ってしまうのでしょうか?
単純に夜遅くまで起きていれば間食をしてしまうケースも考えることが出来ますが、それだけではありません。
何と食欲ホルモンの分泌に影響を及ぼしてしまうのです。
睡眠時間が短くなれば食欲を抑えるレプチンの分泌量が低下し、反対に食欲を増加させてしまうグレリンの分泌量が増加してしまうことも研究によって証明されています。
この生体反応は、活動時間の増加に対応するためエネルギー量を確保する必要性を脳が判断したと言えます。
残念ながら、本能的な行動において“瘦せすぎてはならない(飢餓状態)”という判断はあっても、“太り過ぎてはならない”という判断は下されることは無いのです。
生死に直結するのはどちらかと考えた場合、その判断にも頷けますよね。
そして生きる為に必要なエネルギーを確保する(本当は必要ありませんが・・・)という至上命題をクリアするため、特に糖質の摂取量・吸収効率が高まることがダイエット失敗に拍車をかけてしまうのです。
ダイエットに必要な痩せホルモンについては、こちらの記事も是非ご参照ください。
3.免疫力が低下する
ダイエットを成功させるには、健康的な身体であることは必要不可欠です。
しかし睡眠不足となってしまえば太ってしまうだけでなく、免疫力が低下し、風邪を始めとした様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
深いノンレム睡眠では、成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモンなど代謝や免疫力を高める効果があるホルモンの分泌が促されます。
つまりしっかりと睡眠時間が確保できれば、ホルモンバランスが整い、健康の維持がしやすくなるのです。
あなたも経験あるかもしれませんが、風邪をひくとタンパク質を中心とした食事を摂ることは非常に難しくなります。
活動量の低下・消費エネルギー量の低下・糖質を中心としたエネルギー補給
消化・吸収が良いものは基本的に高カロリーで低タンパク。これでは痩せたとしても筋肉量の低下は明らかで、ダイエットの成功とは程遠いのです。
第4章【ダイエットを成功させる“睡眠”を手に入れるには?】
しかしいくら睡眠が大切ということが頭で理解できていても、寝室に入ると目が覚めてしまう・・・
きっとこのような方は多いはずです。
そこで本章では【ダイエットを成功に導く睡眠のとり方】についてご紹介致します。
①就寝前に照明を暗くする
②寝室を落ち着く環境にする
③食事を就寝の2~3時間前までに済ます
④寝る前に軽いストレッチをする
この4つを意識することで、質の高い睡眠を取ることが出来るはずです。
①就寝前に照明を暗くする
強い光を感じることで、脳は覚醒状態を維持します。
テレビは勿論のこと、パソコンやスマホなどの電子機器によるブルーライトは眼精疲労を引き起こし、睡眠の質を下げてしまうのです。
また本来の睡眠リズムとして光量の減少があり、生物学的本能から明るい場所では熟睡できないのです。
②寝室を落ち着く環境にする
寝室には趣味のものがたくさん、特に漫画本などを置いている方は要注意です。
眠れない時にリラックスして本を読むことは良いですが、それが漫画であれば逆に興奮して読み進めてしまうことがあります。
これでは余計に寝不足となってしまうのも無理はありません。
やはり寝室は“寝るため”の部屋なのです。
③食事を就寝の2~3時間前までに済ます
食事をすると摂取された食物は胃で消化され、小腸で吸収されます。
このように内臓が働いている最中に入眠してしまえば、睡眠が浅くなるだけでなく、体脂肪が蓄えられやすくなるのです。
寝る前の“ドカ食い”が肥満となるだけでなく、就寝直前の食事習慣もダイエットにとって大きな障害となり得るという訳ですね。
④寝る前に軽いストレッチをする
睡眠の質には自律神経の作用が大きく関与しています。
そしてストレッチは入眠の為に必要なリラックスのスイッチとなる副交感神経を優位にする効果があります。
特に入浴後のストレッチは筋肉の柔軟性をより一層高める効果があり、疲労回復にも大きく影響を及ぼします。
ダイナミックストレッチやバリスティックストレッチのように大きな動きを伴うストレッチではなく、ゆっくり筋肉を伸ばしていく静的ストレッチを5分程度行う習慣を身に付けていきましょう。
睡眠の質を高めるセルフストレッチを知りたい方はこちらの記事を是非ご参照ください。
第5章【まとめ】
いかがでしたか?
ダイエットを目指す全ての方にとって、食事と運動を欠かすことは出来ません。
しかし、この2つの土台として睡眠が支えていることを知っておかなければならないのです。
もしあなたが今まで食事や運動に気を付けているのにダイエットが成功しないのであれば、是非睡眠に意識を向けてみてくださいね!
広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人
山戸 勝道
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