ホルモンバランスの乱れはダイエット失敗と身体の不調につながる
生活リズムの乱れや心の乱れ。
何気ない日常の中にも多くのストレスが隠れています。
そんなストレスを回避するために、過食に走っていませんか?
ダイエットやボディメイクには食事管理や運動が欠かせませんが、その他にも注意をしなければならないポイントがあります。
それはホルモンバランスです。
そこで今回は、ホルモンバランスがダイエットやボディメイクにどのような影響を及ぼすのか詳しく解説していきましょう。
目次
第1章【まずはホルモンを知る所から】
そもそもホルモンとは何なのか詳しくご存知の方も少ないと思いますので、まずは簡単な説明から。
ホルモンとは、身体の様々な部位で作られる化学物質のことを言います。
この化学物質が血管内に分泌され、 血液を介して目的の臓器に到達することで初めて効果が現れるのです。 そしてホルモンが存在する理由は大きく分けて3つ。
①極少量で十分な効果が発揮できる
②血液を介して作用するので効果が長期間持続する
③目的の臓器にだけ作用する
身体の状態を一定に保つ機能(生体恒常性)や各細胞や組織機能の抑制、そして促進をする働きがあるホルモンは体内に100種類以上あることがわかっています。
この数の多さから身体の外側だけでなく内側から多くのストレスを受ける身体のバランスを保つために、一体どれだけホルモンが必要なものかご理解いただけたのではないでしょうか。
第2章【ダイエットでホルモンバランスが崩れる2つの理由】
ホルモンとは何かがご理解いただけた所で、本コラムの本題です。
誤ったダイエット法では身体のリズムを整えるホルモンのバランスが大きく崩れ、ダイエット失敗だけでなく健康にも害を及ぼしてしまう可能性があります。
そこでホルモンバランスが崩れてしまう原因を探り、ダイエットやボディメイクの効果が出やすい身体、そして健康的で女性らしい身体づくりにチャレンジしていきましょう。
1.偏食に気付いていない
偏食によってホルモンバランスを崩す方は、ダイエットに興味を持ち始める思春期以降の女性に多い傾向があります。
「スリムになりたい」
「もっとオシャレをしてみたい」
このように考えるのは大人だけではなく、今では10代(小学生や中学生)でダイエットをする方も珍しくないのです。
しかし知識が乏しいこの年代では要注意。
何週間も“サラダと豆腐だけ”などといった食生活を繰り返していては栄養バランスが崩れるのも当たり前と言えます。
過去のくびれ美人ダイエットコラムダイエットを始める前に知っておきたい5大栄養素の話【何事もバランスが大切です】で詳しく解説しておりますが、ダイエットにおいて必要なのは気合や根性よりも正しい栄養の知識です。
真っ先に減らしてよいのは、食事とは別で食べてしまうお菓子に含まれる“身にならない”栄養素、すなわち糖質なのです。
2.食事量が極端
そして次に極端な食事量の変化です。
「今週は食べるけど、来週は食べないから大丈夫」
などのように根拠のない自信がある方は要注意。
これは前述した“偏食”と少し類似する所がありますが、この時注意すべき問題点は2つ。
①糖新生
②血糖値の急上昇
まず糖新生から説明していきましょう。
糖新生とは食べなさ過ぎによって起こる筋肉量減少のことを言います。
詳しくは【トレーナー直伝】リバウンドの原因は?絶対避けるべき4つのポイントで解説しておりますが、身体を動かす限り、エネルギー源としての糖質(炭水化物)を欠かすことは出来ません。
しかしキャベツダイエットやサバ缶ダイエットなどのように、あたかも“それだけ”ならどれだけ食べても大丈夫という誤解を招くようなダイエット法では、身体が糖質不足となるのは時間の問題です。
筋肉や肝臓に貯蔵された糖質(グルコース)が底をつけば代替エネルギーとして筋肉を分解してアミノ酸を作り出してしまいます。一見問題ないように思えますが、要はダイエットに必要不可欠な基礎代謝を自ら減らしに掛かっていると考えた方が良いでしょう。
次に血糖値の急上昇が身体にどのような影響を及ぼしてしまうのでしょうか?
食物は胃で消化された後に小腸の働きによって栄養素を分解・吸収し、糖(グルコース)を血液中に放出します。まずこれが血糖値上昇のメカニズムです。
このように筋肉や脳のエネルギー源として利用される“糖”は血液を介して全身を巡っており、そして膵臓から分泌されるインスリンホルモンの働きによって血液中の糖はグリコーゲンとして筋肉細胞や肝臓に貯蔵され、直ぐに使えるエネルギー源として利用されるタイミングを待ちます。
しかし、血液中の糖(グルコース)全てがグリコーゲンとして貯蔵される訳ではありません。
当然貯蔵量にも限界があり、それは日々の運動量は勿論のこと、筋肉量(=貯蔵タンクの大きさ)によっても大きな差があるのです。
つまりグリコーゲンとして貯蔵できなかった血液中の糖(グルコース)は体脂肪として貯蔵されるしかなく、これが体脂肪の多い身体、すなわち肥満体を作り出してしまうのです。
そして更に肥満化が進む要素として、どれだけ短期間で血糖値上昇が起こるのかという事があります。
エネルギー源として必要不可欠な血液中の糖(グルコース)ですが、実は血液中の濃度が高まるにつれて血管を痛めてしまい、高血圧をはじめ動脈硬化や心筋梗塞などの疾病リスクが高まります。
身体は本能的に高血糖が如何に危険な状態か認知しており、すぐさま血糖値を下げるよう膵臓に働きかけ、 大急ぎで体脂肪の製造に取り掛かってしまうのです。
これが血糖値の急上昇がホルモンバランスを崩す理由なのです。
また血糖値が上昇しやすい食品は高GI食品、反対に血糖値が上昇しにくい食品は低GI食品として分類され、太りにくい食品のヒントとなります。
↓GI値とは?↓
「普段の食事は我慢するけどスイーツは食べる」
血糖値を上げるだけの食生活など言語道断と言えますね。
第3章【ホルモンバランスが崩れて起こる3つの異変】
ここまでホルモンバランスが崩れる原因について取り上げてきましたが、次は“何が困るのか”を詳しく解説していきます。
①妊娠しにくくなる
②骨が脆くなる
③痩せにくくなる
肌トラブルなどの原因だけでなく、身体の内側ではもっと深刻な影響が及んでいるかもしれません。
それでは1つずつ見ていきましょう。
①妊娠しにくくなる
妊娠のタイミングを図る上で重要な月経。
その月経が止まってしまったり、リズムが崩れる大きな原因はホルモンバランスの乱れにあります。
※勿論不妊の原因には男女それぞれに要素があります。
月経をコントロールするホルモンは主に2つ。
女性ホルモンとして知られるエストロゲンとプロゲステロンは、互いにバランスを取り合うことで月経(生理)のリズムを作り、妊娠しやすい身体へと変化していきます。
しかし過度な食事制限や極端な偏食によってダイエットをした場合、レプチンというホルモンの分泌量が低下することがあります。
レプチンは脂肪細胞から作り出されるホルモンで脳下垂体に作用し、卵巣から女性ホルモンを分泌するように指令を出します。ですが体脂肪率が極端に減ってしまうとそれだけレプチンの分泌量が低下し、月経が乱れるリスクは高くなります。
体脂肪率と月経異常率の相関についての研究によると、体脂肪率が15%を下回る女性の約40%、そして体脂肪率が12%を下回った女性の半数以上が月経異常(不順や無月経)を訴えることがわかっています。
特に思春期(10~18歳頃)は第二次性徴期と重なって女性ホルモンが増える時期とされており、この時期はエストロゲンの分泌量が増え始めるタイミング。いわば女性らしい大人の身体へと成長する時期です。
この頃に過度な食事制限などのダイエットを行うことでホルモンバランスが崩れ、無月経を引き起こしてしまえば将来的な不妊の可能性は高くなってしまうのです。
女性ホルモンと月経については過去の投稿記事ダイエットの味方!痩せホルモンを知ろうが参考になります。
②骨が脆くなる
次に問題となるのは骨量の減少、つまり骨の強度が下がることは大きな問題となります。
先ほど女性ホルモンの1つであるエストロゲンについて取り上げましたが、月経リズムを司るだけでなく、骨の形成を進める働きがあります。
実は筋肉だけでなく骨にも新陳代謝があり、常に破壊と産生のサイクルを繰り返しています。しかし月経異常を引き起こすほどエストロゲンの分泌量が低下すると骨形成(産生)が十分に行うことが出来ず、骨の破壊(吸収)ばかりが行われ、次第に骨がスカスカになってしまいます。
これを骨粗しょう症を呼びます。
閉経後の女性の問題とされる骨粗しょう症はエストロゲン分泌が激減することによって発症リスクが高まる訳ですが、近年では栄養バランスの乱れやホルモンバランスの崩れによって閉経が早まり、骨粗しょう症の発症年齢が下がっているとのデータもあるため決して他人事ではありませんね。
③痩せにくくなる
ダイエットを成功させたのならば、リバウンドは必ず避けたい所。
しかしホルモンバランスが崩れることで太りやすいどころか、痩せにくくなる可能性があります。
身体がストレスを感じることで、まず起こる反応の1つがストレス認知の軽減です。 つまり脳がストレスを感じにくいよう身体全体に働きかけるのです。
この働きを持つホルモンがセロトニン。
脳の中間部に位置する脳幹にはセロトニン神経が存在し、脳全体にセロトニンを分泌しています。 ※その他腸管などにも存在する。
衝動的な行動にストップをかけて精神的な安定をもたらすセロトニンの分泌量が低下することで、食に対する欲求が高まることもわかっています。これは食欲を抑制するホルモンであるレプチンの分泌量がセロトニンと関係しているからです。
これらをまとめると、ホルモンバランスの崩れによってセロトニンの分泌量低下に伴いレプチンの分泌量も低下。それによって食欲が抑えられなくなり、過食へと繋がっていくのです。
本章の“①妊娠しにくくなる”でも登場したレプチンですが、月経異常だけでなく食欲のコントロールにも関与しているのは驚きですよね。
このようにホルモンの分泌量が1つ崩れるだけで全身への影響は計り知れないものとなってしまいます。
リバウンドを繰り返したり、なかなか痩せられない。
その原因はホルモンバランスの負の連鎖が始まった証拠かもしれませんね。
↓絶対リバウンドしたくない方は要チェック↓
第4章【まとめ】
今回はホルモンバランスが身体にどのような影響を及ぼすのか、そしてダイエットとの関係について取り上げました。
そして誤ったダイエット法が招く深刻な問題点3つを最後に確認しておきましょう。
①妊娠しにくくなる
②骨が脆くなる
③瘦せにくくなる
ダイエットを目指すはずが、知らず知らずのうちに身体をボロボロにしてしまってはいませんか?
一日でも長くあなたらしさを保つため、そして疾病リスクから遠ざかるためにも、是非本コラムを参考にしてみてくださいね。
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山戸 勝道
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