ダイエットの味方!痩せホルモンを知ろう
人の身体をコントロールする様々なホルモン、その数は100種類以上にも及びます。
中でも代表的なもので成長ホルモンや女性ホルモンなど、何となく聞いたことがあるものから女性に必要不可欠なホルモンまで、様々のものがあるのです。
当然その中には健康に役立つホルモンだけでなく、ダイエットに必要不可欠なホルモンもあります。
そこで今回は、美しく健康的な身体を目指すため、そしてダイエットの正しい知識を身に付けるためにも、各ホルモンの働きについてご紹介致しましょう。
目次
第1章【ホルモンの仕組みと働き】
ここでまず、ホルモンとは何かを確認しておきましょう。
ヒトの身体のバランス(恒常性)は、神経系と内分泌系(すなわちホルモン)によって調整されています。
∇身体を支える神経系と内分泌系
①神経系による情報伝達は主に電気信号によって行われる(早い)
②内分泌系(ホルモン)による情報伝達は電気信号に比べゆっくり行われる
このように、日々行われている私たちの生活は神経系による直接的な反応と、内分泌系(ホルモン)による間接的な反応によって成り立っているのです。
1.ホルモンとは?
関節的に働くホルモンの存在により、より広範囲への持続的な影響が可能となりました。
神経は機械で言う電気コードや配線の役割を担っています。
つまり直接的な影響しか及ぼさないのです。
それに比べホルモンの分泌タイプは多岐に渡ると同時に、より広範囲に影響を及ぼします。
∇ホルモンの分泌方法は3つ
①血管内に直接分泌する(ホルモンの大部分)
②神経を通して血管内に分泌する
③細胞を介して分泌する
※②は下垂体後葉ホルモン(バソプレシン)、③はサイトカインを分泌するが、今回は詳細について割愛。
そしてホルモンの大きな特徴は以下の3つです。
①極少量で十分効果を発揮する
②ホルモンは特定の内分泌腺や細胞によって血中に分泌する
③ホルモンは標的細胞の受容器(レセプター)としか結合しない
このように、身体の遠く離れた細胞でも遠隔的に機能するのがホルモンという訳です。
日常生活に必要不可欠なものから、ダイエットの効果を最大限に生かすことが出来るものまで、ホルモンの効果を知っておいて損はありません。
そして次はいよいよ、ダイエットに役立つ様々なホルモンをそれぞれご紹介致しましょう。
第2章【ストレス軽減ホルモン“セロトニン”】
セロトニンとは、脳内の神経伝達物質の1つです
別名“幸せホルモン”とも呼ばれ、まさに精神面を制御する大切なホルモンです。
一日の生体リズム・睡眠・体温調節など、その役割は多岐に及び、健康的な生活を送る為には必要不可欠なものとなります。
1.心と身体をつなぐセロトニン
セロトニンが“幸せホルモン”と呼ばれる所以は、不足することでうつ病や不眠症のリスクが高まることにあります。
つまり、カラダの安定の為に日々働きかけているのです。
セロトニンの体内分布は腸内に約90%、血液中に約8%、そして残りの約2%が脳内とされています。
腸内では消化管の働きを補助する役割を持ち、血液中では血液の凝固作用や血管の収縮作用をコントロールしています。
そして脳内のセロトニンは、いわゆる幸福な状態を作るドーパミンや恐怖・興奮を司るノルアドレナリンといった感情を左右する脳内神経伝達物質の暴走を抑える効果があるのです。
これにより衝動的な行動を抑制し、精神的な安定をもたらしてくれます。
2.セロトニンが不足すると?
感情的な行動は、心身とものマイナスとなりかねません。
特に強いストレス行動とセットで働くのは、強い食に対する欲求です。
つまりセロトニンが不足することで食欲抑制ホルモン【レプチン】の分泌を抑制し、食欲増進ホルモン【グレリン】を促してしまうのです。
『むしゃくしゃして食べてしまった』
ダイエットの挑戦を考えているあなたは、一度はこのような行動に移ってしまったことがあるのではないでしょうか?
また睡眠不足によるストレス反応も同様で、疲労の回復を促すために糖質や脂質といった血糖値を高めやすい摂食行動を取りやすくなってしまうのです。
3.セロトニンが不足する原因と改善策
いつの間にか生活リズムが崩れ、その結果セロトニンの分泌量が低下してしまうことは珍しくありません。
セロトニン不足してしまう主な原因は、
①太陽光を浴びない
②運動不足
③食生活の乱れ
と言われています。
つまり一日中室内に籠った状態でデスクワークを続けるのではなく、適度に屋外に出る生活リズムを取り戻す必要があるのです。
その他、セロトニンを作る材料となる必須アミノ酸である“トリプトファン”の摂取、そしてセロトニンの分泌を促す栄養素であるビタミンB6の摂取が推奨されています。
∇トリプトファンが豊富な食材
∇ビタミンB6が豊富な食材
第3章【食欲をコントロールする“レプチン”】
『食べる』・『食べない』の意思決定を行うためには、ホルモンの働きを欠かすことはできません。
実は満腹感をコントロールするのもホルモンの重要な働きです。
そのホルモンとはレプチンであり、全身の脂肪細胞によって作り出されています。
レプチンは交感神経の活動を亢進させる働きがあり、身体が消費するエネルギー量を増加させ、体脂肪量の増加を制御する役割があります。
1.レプチンが食事にストップをかける
脂肪細胞から生成・分泌されるレプチンは、インスリンの刺激を受けて生成されます。
分泌されたレプチンは脳下垂体の視床下部にある満腹中枢に作用して食欲を抑えることが出来るのです。
しかし日常的な摂取カロリーのオーバーによって肥満が進むと、次第にレプチンの分泌量自体が低下してしまうだけでなく、その効果が薄れてきてしまいます。
これをレプチン抵抗性と呼びます。
この事から、慢性的に肥満の傾向にある方が中々食べる量を減らすことが出来なくなるのです。
2.レプチンが不足する原因と対策
食べ過ぎを招くレプチン不足は、一体どのようにして引き起こされてしまうのでしょうか?
その原因は大きく分けて2つ。
①食事時間の短さ
②睡眠時間の短さ
食べ過ぎにストップを掛けるレプチンですが、その分泌量には食事に掛ける時間が大きく関係しています。
レプチンが多く分泌されるのは、食事を開始して20分程度と言われています。
つまり早食いが習慣付いている方は十分なレプチンが分泌されず、満腹を実感するまでに時間が掛かってしまいます。
これは直接的に食事量の増加を招き、その結果摂取カロリーをオーバーしてしまうという訳です。
あなたはついつい早食いをしていませんか?
食べ過ぎを抑えるだけでなく、体脂肪の蓄積を抑えエネルギーの消費を促すレプチンを分泌させるために、まずは20分程度ゆっくり時間をかけて食事を摂る習慣を身に付けるようにしましょう。
また前章にてご説明したセロトニンも食欲の抑制に関与していますので、生活習慣の乱れには十分注意を払うようにする必要があります。
そして睡眠不足もレプチンの分泌量が低下する大きな原因となります。
睡眠時間が短くなることでレプチンの分泌量が低下し、反対にグレリンと呼ばれる食欲増進ホルモンの分泌量が増加してしまうことが研究によりわかっています。
睡眠時間が短いと食欲が増してしまうのは決して気のせいではなく、生理的な反応という訳ですね。
∇グレリンとは?
第4章【痩せホルモン“GLP-1”】
あなたはGLP-1というホルモンを聞いたことがありますか?
本来小腸から分泌されるホルモンの1つであり、食事中から食後に掛けて分泌され、インスリン(膵臓から分泌)の分泌を促します。
∇インスリンとは?
※肥満の原因となる”血糖値”を下げることが出来るのはインスリンのみである。
この事からインスリンの不活性化は肥満だけでなく、様々な疾患に繋がります。
そしてインスリンの分泌を助ける作用がGLP-1には備わっているのです。
1.GLP-1とは?
小腸から分泌されるGLP-1の働きは多岐に及びます。
①脳の中枢神経に作用し、食欲の抑制(満腹感の促進)を行う
②胃内容物排出の遅延を行い、食後血糖値の急激な上昇を防ぐ(満腹感の促進)
③褐色脂肪細胞に作用し、熱産生(エネルギー代謝)の促進を行う
このように、普段の食生活において正しく作用することによって過剰な摂食行動を防ぐ役割を担っているのがGLP-1という訳です。
2.GLP-1の分泌を促すには食事から
小腸から分泌されるGLP-1ですが、基本的には通常の食事によって分泌が行われるホルモンです。
しかし食事のタイミングや摂取するものを工夫することで、より分泌を促すことが出来ます。
ある研究結果によると【朝食の摂取が昼食・夕食時のGLP-1濃度を高め、インスリンの分泌を促す】ことがわかっています。
そして更に、『玄米』などの全粒穀物を取り入れることもGLP-1分泌を向上させるという研究結果もあります。
この事から、偏った食事を継続することで、摂取カロリーの量に関わらず慢性的な血糖値の上昇を生み、肥満に繋がってしまうことがわかりますね。
第5章【女性ホルモンの乱れは体重の乱れ】
女性にとって、体型や体重の変化はとても気になるものです。
ダイエットを続けているのに中々効果が現れない原因は、もしかすると女性ホルモンの乱れにあるかもしれません。
女性ホルモンには2種類あり、この2つのバランスによって女性の生理(月経)をコントロールしているのです。
∇生理機能を担う女性ホルモン
①エストロゲン
②プロゲステロン
これら女性ホルモンの分泌量が乱れることで、日々の食生活は大きく振り回されてしまう可能性があります。
∇女性ホルモンの乱れが招く生活への影響
▪基礎代謝が低下し、身体がむくみやすくなる
▪イライラして衝動的に食べてしまう
▪満腹感が薄れ、必要以上に食事量が増える
1.エストロゲンとプロゲステロン
女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が互いにバランスを取り合うことで、女性は健康的でヘルシーな生活を送ることが出来ます。
生理周期によって食事量や好みが変化してしまう原因は、このホルモンバランスの影響が非常に大きいのです。
エストロゲンは別名卵胞ホルモンと呼ばれており、卵胞(卵子)を成熟させて排卵を促す働きがあります。
ダイエットにおけるエストロゲンの大きな役割は以下の2つ。
▪脂質代謝を促し、内臓脂肪を減少させる
▪満腹中枢を刺激して食事量を抑える
それに対し、プロゲステロンの役割について見ていきましょう
プロゲステロンは別名黄体ホルモンと呼ばれ、受精卵が着床(すなわち妊娠)しやすい状態を作るホルモンです。
そしてダイエットに関するプロゲステロンの影響は、少しネガティブとなります。
▪情緒不安定となり、イライラしやすくなる(摂食行動に走る)
▪妊娠に備え、体内の水分や脂肪をため込む
つまり生理の開始に伴ってプロゲステロンの分泌量増加に伴い、水分の排出が抑制されることで、全身の“むくみ”や“体重増加”を引き起こす原因となってしまうのです。
その他、生理前は血糖値を下げるインスリンの働きが低下するため、多量のインスリンが分泌される傾向があります。
これが低血糖症状を引き起こしてしまうため、血糖値を上昇させるために摂食行動を促してしまうのです。
このように、細胞レベルで食べることをコントロールしてしまう生理のリズムには注意が必要という訳です。
∇生理中のトレーニングはやっても良い?【参考資料】
2.生理周期に合わせたダイエット計画を
まずは生理周期について確認しておきましょう。
生理周期は4つの時期に分けることが出来ます。
①生理中
②生理終了から排卵前(排卵期)
③排卵日前後3~5日
④排卵後から次の生理(黄体期)
∇月経周期
引用:https://www.seirino-mikata.jp/knowledge/how/
女性ホルモンでご紹介したように、エストロゲンの分泌がダイエット効果に大きな影響を与えることが出来ます。
つまり生理終了から排卵前の卵胞期おいて、エストロゲンの分泌量が増加したタイミングが最もダイエットに取り組みやすいタイミングであると言えます。
また排卵後から次の生理までの黄体期はPMS(月経前症候群)を伴う時期であり、この時期は少しダイエットに不向きなタイミングとなってしまいます。
PMSの症状に個人差はあるものの、イライラや強い眠気など情緒が乱れることがあり、身体が水分や体脂肪をため込む作用が働くため体重の増減が激しい時期なのです。
それだけ身体には大きなストレスが掛かっているため、負荷の大きなトレーニングメニューは体調と相談しながらコントロールする必要があります。
第6章【まとめ】
いかがでしたか?
あなたの身体をコントロールするホルモンの存在を、少し身近に感じたのではないでしょうか。
見えない部分だからこそ疎かになりがちですが、心と身体を繋ぐ大切な役割を担っているからこそ無視することはできません。
あなたの体型が変わっていくのは、必ずそれなりの理由があります。
まずは生活習慣を見直してホルモンバランスを整え、無理のない範囲でトレーニングを継続していきましょう!
広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人
山戸 勝道
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