【身体のツボ】身体の調子を整えたければ筋膜を緩めよ
身体全体に張り巡らされるように覆う筋肉。
そして更に、その筋肉を連ねるように存在する筋膜の存在をご存知でしょうか?
筋膜リリースという言葉が流行り、言葉だけは聞いたことがある方も多いことでしょう。
しかし何が身体に良いのか、その効果まで詳しく知りたいと思ったことはありませんか?
実は筋膜の働きの大部分は東洋医学における経絡と類似しており、多くの方々がその可能性について言及しています。
そこで今回は、身体の痛みや不調によってダイエットやボディメイクを躊躇っている方々には何が必要なのかを解き明かしていきたいと思います。
目次
第1章【経絡(けいらく)とは?】
以前の投稿広島で最先端のパーソナルトレーニング×鍼灸治療でボディメイクを紐解くでも経絡(けいらく)について解説しておりますが、ここでもう一度解説しておきましょう。
簡単に言うと、経絡(けいらく)とは東洋医学におけるエネルギーである気血(きけつ)を全身を巡らせるためのルートのことを示しています。
※経絡には正経十二経脈と総称されるように12本のルートがあり、その他にも身体の変化に対応するため奇経という特殊なものも存在する。
経絡を国道そして気血を車に当てはめてみると、流れゆく車が渋滞を起こす所、即ち経絡の乱れが如何に身体に悪影響を及ぼすかがわかりますね。
そして更に、経絡は臓腑(内臓)と体表(皮膚表面)を繋ぐものという役割があります。
つまり身体の各臓器に不調が生じたことを知らせるサインとして、経絡上のツボに反応が出るのです。
ツボへの刺激は身体を内部から整える方法であることが、ほんの少しご理解いただけたのではないでしょうか。
1.ツボが大切
経絡上に存在し、気(身体のエネルギー)の唯一の出入り口であるツボ(経穴)。
少し捉え方を変えてみると、気の流れが滞りやすいところであるとも言えます。
そして気の流れが滞ったサインが痛みとして自覚される訳であり、鍼灸治療を行う上で身体の状態を判断するために見逃すことが出来ない重要なポイントなのです。
ここで合谷(LI4:ごうこく)というツボを例に取ってみましょう。
これは陽明大腸経と呼ばれる経絡上に存在しているツボの1つで、東洋医学において、大腸のリズムを司るだけでなく肺にも関係があると考えられています。
特に現代社会では精神的なストレスだけでなく、猫背などの不良姿勢による身体的なストレスによって呼吸や腸の乱れが起こることもしばしば。
もし合谷を押さえて痛みがあるのであれば、知らず知らずのうちにストレスをため込んでいる可能性があります。
このようにツボの反応を調べるだけで、あなたの身体が発する様々な兆候を読み取ることが出来るのです。
2.トリガーポイントはツボのこと?
さて、ここまで身体を巡る「気」が与える影響について取り上げてきました。
東洋医学の解説を入れると少し長くなってしまうので割愛させていただきますが、もし興味があればこちらの記事を是非参考にしてみてください。
そしてここで、おそらくあなたは疑問を抱くことでしょう。
「目に見えない“気”をどうやって信じれば良いの?」
そこに“ある”ということを実感できないのですから無理はありません。むしろ疑問に思って当然のことなのです。
ですが近年トリガーポイントの解明と共にツボの存在が再認識されつつあり、トリガーポイントとツボ、そして筋膜の関係性が解き明かされるようになりました。これにより私の鍼灸治療における考え方が深まり、治療実績が高まったのです。
トリガーポイントとは専門用語的に過敏化した侵害刺激受容器とされており、即ち押さえると痛い場所だと言えます。
またトリガーポイントの好発部位は
▪筋肉が骨に付着する部分
▪筋肉同士が連結する部分
▪筋肉から腱に変わる部分(筋腱移行部)
▪力学的にストレスが掛かりやすい部分
などが挙げられ、発生したトリガーポイントの大部分は筋膜に存在することが研究によって明らかとなっています。
そして筋膜と経絡の走行は類似しており、より化学的にツボの効果が実証されたと言っても過言ではないのです。
第2章【筋膜と経絡は一致?!】
それでは筋膜と経絡がほぼ一致する、決定的な証拠をご覧ください。
※左側が筋膜の走行(スーパーフィシャルフロントライン)、右側が経絡(足陽明胃経)の走行。
勿論これが全てではありませんが、ここまでくると偶然で収まるような話ではないと私は考えています。
「気」という見えないエネルギーは電「気」刺激として筋膜上を伝わり、力学的ストレスが原因により動きが滞ることでツボ(トリガーポイント)として確認することができる、
こう考えていくと理解しやすいのではないでしょうか。
1.筋膜とは?
経絡と類似すると言われる筋膜とは何なのでしょうか?
筋膜とは文字通り筋肉を包み込む膜のことを指しますが、これだけではありません。
筋肉から繋がる腱や骨、神経、そして内臓など身体を構成する全ての膜のことを筋膜(fascia)と言います。
※鶏肉の表面に存在する薄い皮が筋膜に該当する。
2.全身を連ねる
筋膜が担う大きな役割は、全身の筋肉と身体を繋げることです。
人間がまるでロボットのようにカクカクした動きをするのではなく、滑らかな動きをすることが出来るのは筋膜が筋肉の動きをコントロールしているからであり、筋膜に何らかのダメージを生じればその分どこかに影響が及んでしまうのです。
この身体が出来上がるためには、全ては1つの受精卵から起こる細胞分裂から始まります。
つまり元々は同じものであり、ただそれが細胞分裂によって伸びて成長したに過ぎないのです。
骨や筋肉、内臓として組織自体は分かれていても筋膜を介して全てが繋がっている訳ですから、合谷(※第1章参照)のツボを刺激し、大腸や肺に影響を与えるのは決して魔術のようなことではないことがわかりますね。
第3章【痛い所が全てじゃない】
ここまで東洋医学における経絡と、西洋医学における筋膜について触れてきました。
過去の投稿広島で最先端のパーソナルトレーニング×鍼灸治療でボディメイクを紐解くでは、現代医学として確立する西洋医学は病気が身体部位に発症して始めてアプローチを行うものと説明しましたが、筋膜の概念を取り入れることでガラッと性質が変わります。
「腰が痛い・・・」
「肩がこる・・・」
その痛みの原因は経絡を流れる「気」が滞ることで起こっているのかもしれませんし、もしくは力学的ストレスによる筋膜の歪みのせいかもしれません。
繰り返しとなりますが、痛みは目に見えないものだからこそ、目に見えない身体の反応(=気)を確かめる必要があるのです。
第4章【経絡は美容にも効果あり】
肩や腰に慢性的な痛みを抱える方がダイエットやボディメイクにチャレンジするためには身体のメンテナンスが大切ですが、これでは治療というイメージが強いですよね。
このように身体の不調を整える経絡と筋膜ですが、効果はそれだけではありません。
「気」を巡らせる経絡や筋膜の反応を基に、内臓の働きを活性化させて本来の身体が持っている自己治癒力を呼び起こすことで、内側からの美しさを作ることが出来るのです。
腸は第二の脳と呼ばれるように自律神経が集中しており、ストレスの影響を受けやすい部位とされています。
つまり身体のストレス反応として「気」の流れが滞ると腸の活動量が低下し、消化・吸収・排泄のリズムが乱れてしまうのです。
栄養が正しく吸収できなければ
▪肌のくすみ、たるみ
▪乾燥
▪むくみ
▪血色の悪さ
に繋がります。
栄養の入り口である腸を整えることが美容にとって一番大切なことであり、そして腸のリズムを整える唯一の方法が経絡や筋膜を刺激することなのです。
美容において効果の高いツボは今後紹介していきますので、是非見逃さないように楽しみにしておいてください。
それではここで、簡単に出来る筋膜の緩め方についてご紹介しましょう。
繰り返しとなりますが、筋膜の柔軟性や滞りを取り除くことは内臓を含めた全身の血液循環を改善することにつながり、ダイエットやボディメイクを目的としたトレーニング効果を増幅させることが出来るのです。
1.お腹まわりを緩める
このストレッチを行うことで、身体の前面を通る経絡(足陽明胃経)の流れを改善することが出来ます。
その名の通り胃腸のバランスを整える働きがある足陽明胃経は、顔から身体前面を通って足の人差し指へと抜けていくのですが、猫背姿勢などで背中が丸まることで気の流れが滞りやすくなります。
※筋膜と経絡の走行が非常に近いことが分かる。
胃もたれや腹痛などは食べ過ぎや飲み過ぎだけが問題なのではなく、経絡上に現れた不調のサインの可能性があるのです。
□方法
①股関節を前後に開き、両手を前方に伸ばして手のひらを合わせます。この時前側の膝関節は90°になるよう注意しましょう。そして後ろ足側の股関節を伸ばすように、身体を少し前方に移動させます。
※足首は寝かせておくことで、指先まで伸ばすことが出来る。
②息をゆっくり吐きながら、合わせた両手を天井に向かって大きく伸ばしながら上半身を後ろへ反らしていきます。息を吐き切ったら元の位置に戻り、これを5回ほど繰り返しましょう。(反対側も同様)
※上半身を反らす際はお腹に軽く力を入れた状態で胸を前方に突き出すイメージを持つと、お腹まわりにストレッチ感が強くなります。
2.背中まわりを緩める
背中には多くのツボが存在しています。
これは細胞分裂の際には脊髄周囲から盛んに行われるためと言われており、それを証明するかのように腎臓や胃の不調は背部に現れるケースが多く見られるため、背中まわりの柔軟性は保つことで身体のバランスを維持することが出来ます。
□方法
①両手をテーブルに乗せ、身体を支えます。そして上半身と下半身を引き伸ばすように意識しながら、股関節を中心に身体を畳んでいきます。
②背筋を丸めないように注意しながら、背中からもも裏、ふくらはぎにかけてゆっくりと伸ばしていきます。これを20秒3セット繰り返していきましょう。
※顎を引きながら行うと、より背部全体を伸ばすことができます。
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第5章【まとめ】
今回はご紹介した経絡と筋膜の関係について解説していきました。
目に見えないからこそ難しい所はありますが、身体に変化が起こるのには理由が必ずあります。
▪生活習慣が招く姿勢の変化
▪食生活の乱れによる体型の変化
▪様々なストレスに伴う体調の変化
これらは全て、あなたの身体を巡る「気(エネルギー)」が滞っているのが原因かもしれません。
「なんだか調子が悪い・・・」
このようにはっきりとしない症状だからこそ、放っておいてしまい、身体が発するサインを見逃しているのです。
その場しのぎではない、不調の原因を根本から改善し、理想の身体を手に入れたくありませんか?
不調の原因を突き止め軽減させる方法を症状別に連載していきますので、次回以降も引き続きご覧くださいね。
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山戸 勝道
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