ダイエットのために!インナーマッスルとアウターマッスルの真実とは
インナーマッスル・アウターマッスルという言葉をご存知ですか?
ここ数年でスポーツやリハビリテーションの専門書だけでなく、テレビなどのメディアにも多く取り上げられており、かなり一般的な言葉として根付いてきている印象を受けますね。
しかし、あなたはインナーマッスルとアウターマッスルの意味や違いをしっかりと把握していますか?
インナーマッスルとアウターマッスルの違いをしっかりと知ることで、トレーニング中に意識すべき所がはっきりし、より効果的なトレーニングを実施することができます。
名前から想像できるように、インナーマッスルとアウターマッスルはそもそも存在する場所が違います。そして存在している場所が違うだけでなく、筋肉として担う役割も大きく異なります。
担う役割が違うということは、当然鍛えることによってプロポーションに与える変化も異なります。
あなたが抱えるプロポーションの悩みとは何ですか?
インナーマッスルとアウターマッスルを詳しく知ることで、いままで解決できなかった悩みを解決する糸口となることでしょう。
それではまず初めに、インナーマッスルとアウターマッスルの違いについて理解を深めていきましょう。
目次
第1章【インナーマッスルとアウターマッスルの違いとは?】
1-1.アウターマッスルとは「表層筋」のこと
アウターという言葉が示すように、三角筋や大胸筋、大腿四頭筋のような目でしっかりと確認することができる、つまり身体の表層に存在する筋肉をまとめて「表層筋」と表現することができます。
このようなアウターマッスルの大きな特徴として、意識的にはっきりと動かすことができるような、つまり関節を曲げたり、大きな力を発揮するときに使われる筋肉であるという点が挙げられます。
またこの後述べていくインナーマッスルと比較して筋肉自体の体積が大きく、鍛えることによって筋肥大(足りていない筋肉をつけるという意味を含む)を起こすことが可能なため、基礎代謝アップにも大きく貢献することができるため、ダイエットにも効果を発揮します。
基礎代謝が落ち始める40代以降では、このアウターマッスルの筋力低下も同時に進行し、いわゆるおばさん体型のような運動不足や加齢の影響を受けたプロポーションになってしまうこともあります。
1-2.インナーマッスルとは「深層筋」のこと
アウターマッスルが身体の表層筋であるならば、インナーマッスルは身体の深部に存在する「深層筋」と表現することができます。
また身体の深部にある筋肉の特徴として、体積が小さいことが上げられます。そして関節周囲の靭帯を覆うように存在する筋肉が多く、人間らしいなめらかな動きを作るため、持続的に常に働いている筋肉であるとも言えます。
アウターマッスルに比べて発揮できる筋力が弱い場合が多く、関節を大きく動かす能力が劣っていると言えます。しかしインナーマッスルには各関節を細かく微調整し、関節を安定化させて身体全体のバランスを司る重要な役割があるのです。
各関節のバランスを取るということはすなわち正しい姿勢を維持するために必要不可欠であり、関節への負担を軽減する大きな役割があります。
悪い姿勢を取り続けると、肩や腰、膝の関節にダメージが及び関節の変形や痛みに発展しかねません。
このように、インナーマッスルは美しく健康的な身体であるために、縁の下の力持ちとして日々働いているのです。
第2章【インナーマッスルを鍛えるべき4つのメリットとは?】
インナーマッスルとアウターマッスルは、場所も違えば役割も違います。つまりそれぞれ鍛えることで得られるメリットも異なるのです。当然あなたの目的によって重点的に鍛えるポイントにも違いが出てきますので、それぞれの鍛えることによって得られるメリットは知っておくべきと言えますね。
まずはインナーマッスルを鍛えることで得られる4つのメリットをご紹介します。
この効果を知るだけで、あなたはトレーニングをやってみたくなるのでは?
2-1.基礎代謝が向上する
特にお腹まわりインナーマッスルトレーニングを行うことで、身体の中心に近い筋肉を鍛えることができます。つまり内臓周囲の筋肉が鍛えられることで内臓自体が安定し、内臓下垂などによって低下した内臓機能を取り戻すことが可能となるのです。そして内臓は本来の機能である消化や吸収が活性化され、結果的に消費エネルギーが増加し、基礎代謝の向上が期待できます。
2-2.運動能力が向上する(出来ることが増える)
もしかするとあなたの運動嫌いは、インナーマッスルがうまく機能していないことによるバランス能力の低さが起因しているかもしれません。しかしインナーマッスルを鍛えることで体幹や股関節まわりの筋肉が安定し、腹筋や背筋、大殿筋といった大きな筋肉をしっかり動かせるようになります。
プロのアスリートが日頃からインナーマッスルを鍛えることを重要視しているように、一般人にとっても、筋力を最大限活かすためにもインナーマッスルを鍛えるべきと言えますね。
2-3.歪みが整い、バランスの良いカラダになる
普段の生活でバランスや姿勢を意識するようなことはありますか?もしまったく意識をしていないのであれば、あなたの腰や背中は曲がり身体が傾くなど、知らぬ間にどんどん歪んでしまうかもしれませんね。
身体の歪みを改善しないままトレーニングを行うと、プロポーションの改善が出来ないだけではなく、怪我などのリスクに繋がることもあるのです。
前述したように、インナーマッスルは関節を安定化させて身体のバランスをコントロールする筋肉です。つまりトレーニングメニューのなかにインナーマッスルトレーニング取り入れて実施することで、歪みの少ないバランスの取れたカラダを目指すことができるのです。
例えば片脚でのデッドリフトなど、難易度の高いメニューでは動員されるインナーマッスルの筋肉も多く、正しいフォームで実施することによって筋力強化だけでなく、姿勢改善にも効果的なのです。
2-4.関節を安定させる
関節を安定させると言っても、ただまわりの筋肉で挟み込んで固めるという意味ではありません。インナーマッスルの大きな特徴の1つとして関節の求心化があります。
関節の求心化とは、関節が曲がったり捻れたりする際に関節の軸がズレないよう作用するリズムのことです。インナーマッスルの働きにより関節面同士を求心的に引き付け、常に関節がベストな位置でキープできることは非常に大切なことと言えます。
関節の軸がズレることは、筋肉だけでなく関節を痛めるリスクが高くなることを意味しており、トレーニング時だけでなく日常生活でも避けるべきと言えます。そこでインナーマッスルを効果的に鍛えることによって関節の凹凸面が適切にはまり、関節自体にストレスを掛けることなく筋肉の力を最大限に発揮することができるようになるのです。
第3章【どちらを鍛えるべき?】
インナーマッスルとアウターマッスルの違いがわかったところで、1つ疑問に思うことがありませんか?
それは、どちらを優先的に鍛えるべきかという事です。
結論から言うと目的が「シェイプアップ」や「ボディメイク」の場合は、アウターマッスルとインナーマッスルは同時に鍛えるべきですが、トレーニング開始時はインナーマッスルから刺激していくことがポイントと言えます。
3-1.実際のパーソナルトレーニングにおけるインナーマッスルトレーニング
くびれ美人での実際のパーソナルトレーニングセッションでは、いきなり負荷の強いトレーニングから入るのではなく、まず初めにインナーマッスルトレーニング、すなわち呼吸トレーニングから取り組むところから入ります。
これはダイエットやボディメイクに有効な良い姿勢を保つために必要な土台作りの1つであり、カラダを変える大切な要素と言えます。
つまり、「アウターだけ」「インナーだけ」といった偏ったトレーニングは行うべきではないということです。筋肉をつけるためには、高負荷のトレーニングのみ行うべきと思っていませんでしたか?
このような間違った認識をしている人は多く、トレーニングにおける負荷設定を誤ってしまいがちです。これにより正しいフォームでのトレーニングを実施できなくなり、インナーマッスルを効果的に導入することができずに痛み等を発症させてしまうのです。
3-2.正しいフォームはインナーマッスルを刺激する
呼吸トレーニングの導入によってインナーマッスルを選択的に刺激する方法はもちろんのこと、正しいフォームや正しい負荷設定によってアウターマッスルを鍛えていけばインナーマッスルもその動きを補助するために導入され、同時に鍛えることができます。
しかしそれだけでは不十分です。人間には同じ身体が2つと無いように、同じトレーニングによってまったく同じ結果になるとは限りません。この時大切なのが、その人の身体のクセに合わせたインナーマッスルトレーニングです。
歪み(クセ)がある状態では左右バランスよく鍛えることはできません。
この歪み(クセ)を改善するためにもピンポイントでのインナーマッスルトレーニングを行い、関節の安定性を高めることで姿勢改善にも繋がる効果が期待出来るのです。
第4章【体力の低下を感じたのであればアウターマッスルが弱っている証拠】
インナーマッスルで良い姿勢を維持すると言っても、身体を動かすためにはやはりアウターマッスルのトレーニングは不可欠です。
インナーマッスルはいわゆる遅筋線維が多く、筋肥大しにくく持久力のある筋肉です。
インナーマッスルは年齢の影響を受けにくいと言われていますが、アウターマッスルは違います。多くの研究結果をもとに、20歳頃と比較して40代では10%、60代では20%前後の筋肉量が低下すると報告されています。
つまりアウターマッスルは運動不足や加齢の影響を非常に受けやすく、これによって身体のたるみの結果であるボディラインの崩れが現れるのです。
意識的に鍛えなければアウターマッスルは衰えるばかり。アンチエイジングのためにも、アウターマッスルのトレーニングは必要不可欠ということがわかりますね。
メリハリのある女性らしいプロポーションを手に入れるためにも、正しいフォームと正しい負荷設定でのアウターマッスルトレーニングは必要なのです。
第5章【代表的なアウターマッスル】
さて、インナーマッスルとアウターマッスルの仕組みについて理解できたところで、具体的に、どのような筋肉がアウターマッスルに分類されるのでしょうか。
まず人間の身体には自分の意志で動かせる筋肉が約400個存在します。
ボディラインを構成する筋肉はこの中に多く含まれており、意識的にトレーニングをする必要があります。今回はその中でも特に鍛えるべき筋肉をご紹介します。
5-1.胸
その名の通り、胸部に存在する非常に大きな筋肉が大胸筋です。
よく男性が分厚い胸板を作るために積極的にトレーニングを行っているイメージですが、女性にも嬉しいバストアップ効果が期待できます。
バストの土台となる大胸筋がしっかりしていなければバストは垂れてしまいます。もちろんその他にも原因として、遺伝・思春期の無理なダイエット・食生活・姿勢などが挙げられますが、まずは90%が脂肪組織で構成されるバストを支えるための土台作りは必要不可欠と言えますね。
5-2.二の腕
いわゆるふりそで肉の原因となるのは上腕三頭筋の弱化です。
肩から肘にかけて存在する上腕三頭筋は、引き締まった二の腕を手に入れるためにも鍛えるべき筋肉の1つです。
上腕三頭筋は肘を伸ばす動き、腕を後方に引く動きに最も働きますが、姿勢の悪さなども影響し、なかなか私生活では使うことができない筋肉と言われています。
そのためプロポーションの低下しやすい部位であり、積極的にトレーニングを行うべき筋肉なのです。
5-3.お腹
実はお腹まわりにある腹筋群は4つに分類できます。シックスパックとして有名な腹直筋、外腹斜筋と内腹斜筋、そして腹横筋といった具合に場所や走行によって形や作用も異なります。
※内腹斜筋・腹横筋はインナーマッスルに分類されるため、次の章でご紹介します。
アウターマッスルの王道である腹直筋はお腹の正面に位置し、体幹の屈曲はもちろんのこと、お腹まわりの強度を高める効果があります。
そして腹直筋の左右を囲うように外腹斜筋が存在します。外腹斜筋は肋骨から骨盤を繋ぎ、体幹部を強化しています。胴体を側屈・回旋させる作用があることから、歩行時には上半身と下半身が交互に捻じれるように連動して動くことが可能となるのです。
そして猫背や反り腰などの不良姿勢の問題となる骨盤と肋骨の位置を安定させる効果が期待できるので、積極的に鍛える必要があると言えますね。
※外腹斜筋の位置
5-4.お尻
プリっと上がった女性らしいヒップを作るためには、大殿筋の存在を欠かすわけにはいきません。骨盤の後方から太ももの後面に付着する大殿筋は、足を後方に伸ばすような動作や、段差を上る動作で本来使われます。しかし猫背などの不良姿勢ではこの大殿筋を日常生活で効果的に使うことができなくなり、垂れたお尻という身体の変化として現れてしまいます。
年齢が出やすい部位と言われており、日ごろから鍛えるべき筋肉の1つです。
また股関節周囲には身体のバランスをコントロールする大切なインナーマッスルも存在しており、美しく健康的なカラダを手に入れるためにも重要度は高いと言えますね。
5-5.もも裏
冬場はタイツやジーンズを履いていたので気づかない方も多いかもしれませんが、お尻と同様に、もも裏の筋肉は衰えやすく脂肪の塊であるセルライトが蓄積しやすい所と言えます。この時大切なのがハムストリングと呼ばれるもも裏の筋肉です。ハムストリングは大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つで構成され、姿勢を維持するために非常に重要な筋肉とされています。骨盤を介して大殿筋や背部の筋肉である広背筋や脊柱起立筋、僧帽筋との関連が強く、背部の筋肉の弱さは見た目年齢はもちろん、健康寿命にも大きく影響します。
若々しく、美しい女性を目指すためにもハムストリングのトレーニングは是非鍛えておきたい部位と言えます。
5-6.背中
背中には大きな筋肉が3つ存在します。まずは骨盤から背骨全体を支える脊柱起立筋。そして肩甲骨から頭を支える僧帽筋。骨盤から背骨、肩甲骨を支える広背筋です。
※脊柱起立筋の位置
※僧帽筋の位置
※広背筋の位置
この3つはいずれも姿勢の維持に大変重要な筋肉です。背筋が曲がった状態では、人は第一印象として“老けた”と認識してしまいます。
もしあなたが見た目の年齢を気にするのであれば、背中の筋肉を鍛え、姿勢の改善に取り組むべきと言えますね。
第6章【代表的なインナーマッスル】
アウターマッスルとは違い、インナーマッスルは身体のシルエットを形作ったり、大きな筋力を発揮することができないものが多いと言えます。しかし、だからと言ってトレーニングを疎かにする理由にはなりません。
インナーマッスルトレーニングの特徴である特殊な動きをもとに、代表的な筋肉を調べていきましょう。
6-1.腹横筋
アウターマッスルとして紹介した腹直筋や外腹斜筋の更に深部にあり、内臓を支える作用を担っています。腹横筋をトレーニングするドローインを行うことによって腹腔内圧を高め、内臓の安定だけでなく骨盤や背骨を含めた体幹全体の安定化を図ることができるのです。
腹横筋が活性化されるとコルセットや着物の帯を締めるように働き、ウエストのサイズダウンやウエストまわりの引き締め効果が期待できるため、よりトレーニング効率を高めるためにも、鍛えるべき筋肉の1つと言えます。
6-2.内腹斜筋
アウターマッスルで紹介した外腹斜筋の後面に存在する内腹斜筋は、腹横筋と同様に腹壁前面を覆うように位置しています。外腹斜筋と内腹斜筋は互いに編み目のように交差することによって強度を増しており、体幹部の強化を担っています。そしてどちらとも肋骨と骨盤を繋いでお腹まわりを形成しており、体幹を側屈・回旋させる作用があります。
※内腹斜筋の位置
腹壁を覆い、外腹斜筋と共同で作用することからウエストまわりのシルエットづくりに大きく役立っていることがわかりますね。
お腹の正面にある筋肉だけでない、いわゆるくびれ筋の1つとして鍛える必要があるのです。
6-3.横隔膜
横隔膜は呼吸をコントロールする重要な筋肉の1つであり、当然のことながら筋肉なので、使われなければ衰えてしまうやっかいなものです。
横隔膜は息を吸う時に収縮し、息を吐く時に弛緩します。
また下位肋骨の内縁を囲うように付着しており、腹斜筋群の付着部と隣接するため、この横隔膜が機能しなくなると腹斜筋群にも悪影響を及ぼします。
以上から、横隔膜を意識したドローイントレーニングは必要性が高いことが伺えますね。
6-4.骨盤底筋群
骨盤底筋群とは、“群”と名がついているように筋肉の集合体です。
骨盤の底、すなわち底辺を支える筋肉の集まりであるとされています。骨盤の底辺には、膀胱や子宮、直腸があり、排泄などをコントロールするそれぞれの括約筋に骨盤底筋群は作用します。
特に女性にとって、尿漏れや頻尿といったトラブルが発生しやすいのはこの骨盤底筋群の機能低下によるものが多いとされています。
骨盤の底辺を支える骨盤底筋群は骨盤の傾き、すなわち姿勢の変化によって働きやすさは変わってしまいます。
女性特有のトラブルを解決するためにも、姿勢改善や骨盤底筋群のトレーニングは必要なことがわかりますね。
第7章【まとめ】
いかがでしたか?
一概にトレーニングと言っても、目的や人によって鍛えるべき筋肉に違いがあるのは面白いですよね。同じ身体が2つと無いように、あなたにとって最も必要な筋肉は何かを知ることはとても大切です。
ただ闇雲に回数をこなすようなトレーニングではなく、「どの筋肉に」「何のために」を意識したようなトレーニングを行うことで、より一層あなたの理想の身体に近づけるのではないでしょうか?
トレーニングの意味を知ることによって、モチベーションを維持することができれば幸いです。
もしあなたが少しでもトレーニングに興味があるのであれば、是非一歩踏み出してみてくださいね。
くびれ美人パーソナルトレーナー
山戸