お尻の悩みを解決!たるんだお尻の脂肪を落とす方法を徹底解説
鏡を見ると気になるお腹や二の腕。
そして太ももまでは気が付いても、ついうっかりお尻のたるみを見逃していませんか?
キュッと引き締まった上向きのヒップを手に入れるため、果たしてどのような方法が最適なのか、その答えを見つけていきましょう。
スキニーパンツやレギンスなど、お尻のラインが出やすいファッションを避ける日々は終わりです。
今ではインスタグラムなどのSNSを通じ、そしてコロナ禍をきっかけに様々なトレーニング情報が発信されています。
トレーニングブームをきっかけに、あなたの『お尻』の形、こだわってみませんか?
そこで今回は、引き締まった上向きのヒップになるためのトレーニングを、筋肉の仕組みを踏まえてパーソナルトレーナーが解説していきましょう。
目次
第1章【お尻がたるむ理由とは?】
しかし、お尻にばかり何故こんなにも脂肪がついてしまうのでしょうか?
せめて全身にまんべんなく体脂肪がつけばよいのですが、部分的に脂肪がついてしまうと、あまりのシルエットの変化に気分が落ち込んでしまうことでしょう。
お尻がたるむ理由については、こちらの記事も併せてご覧ください。
∇何故お尻が垂れるのか?
第2章【お尻の筋肉】
それでは早速、理想的なヒップを手に入れる為に、お尻まわりにある筋肉について詳しく調べていきましょう。
1.大殿筋
プリっと上がったヒップを作る為に、大殿筋は必ず鍛えるべき筋肉です。
骨盤の後方から太ももの後面に付着する大殿筋は足を後方に伸ばす動き、そして階段などを上る動きで作用します。
例えば「垂れ尻」ではこの大殿筋を日常生活で上手く使うことができず、それにより筋肉の衰えやハリ感、ボリューム感の無いヒップを作り上げてしまうのです。
また大殿筋はその筋肉の構造上、ヒップのボリュームアップの為に必要な上部とお尻と足の境目を作るヒップアップに必要な下部に分けることができます。
▪大殿筋上部は股関節を後ろに蹴り上げる動作に加え、足を外に開くことで鍛えることができる
▪大殿筋下部は足を開かずに(もしくは内転位)股関節を後ろに蹴り上げる動作で鍛えることが出来る
2.中殿筋
股関節のインナーマッスルである中殿筋は、大殿筋の深部に位置しています。
この中殿筋の働きにより、立ち姿勢・歩き姿勢における大殿筋の働きを助けてくれます。
中殿筋自体の主な働きは股関節の外転(足を外に開く動作)ですが、日常生活において足を外に開く動きはあまり見られません。
しかし立ち姿勢や歩き姿勢において、中殿筋が弱まることで腰が側方に抜けてしまったり、膝が内側に入ってしまう(knee-in・ニーイン)ことが多くなります。
これらの動きは太ももの前にある大腿四頭筋が過剰に働く原因となり、ヒップアップの妨げとなってしまうのです。
またこちらも大殿筋と同様に、お尻のシルエットを形作る中殿筋の前部とヴィーナスのえくぼのように魅力的なヒップとなる中殿筋の後部に分類することができます。
▪中殿筋の後部は足を外に開く動きに加えて、つま先を外に向けることで鍛えられる
3.梨状筋
中殿筋と同様に股関節のインナーマッスルである梨状筋は、図のように大殿筋後面の深部に位置しています。
またここでは梨状筋のみを解説致しますが、梨状筋を含む周囲には深層外旋六筋という総称で筋肉が存在しており、股関節の外旋(膝・つま先を外に開く動き)を担っています。
つまり内また姿勢(股関節内旋位)では深層外旋六筋の筋力が低下し、土台が崩れるようにして垂れ尻が引き起こされてしまうのです。
∇深層外旋六筋とは?
第3章【お尻のタイプ】
崩れたお尻の形にはいくつか種類があります。
まずはあなたがどのタイプに属しているのかチェックしてみましょう。
1.丸尻・ピーチ尻
自然な丸みを帯びた理想的なヒップです。
のっぺりと横に広がっていたり弛んだりしていない、そして側面から見た場合は綺麗な半円形をしており、上向きのヒップとなります。
またヒップの輪郭と腰部の前弯によって曲線が協調され、ウエストラインを際立たせることが出来ます。
2.扁平尻・垂れ尻
お尻全体の厚みが無く、のっぺりとした印象が特徴のお尻です。
日本人に多いタイプと言われており、全体的なお尻まわりの筋肉量の低下がみられます。
一見脂肪がついていないため小尻のように思いがちですが、メリハリがなく、ボディラインの出やすい服を上手く着こなすことが出来ません。
扁平尻を引き起こす大きな理由は骨盤の後傾です。
お尻のボリューム感を作る大殿筋は主に足を後ろに蹴る動き(股関節の伸展)によって働きます。しかし骨盤後傾位では大殿筋の働きは抑制され、ハムストリングや大腿四頭筋が代償的に作用してしまいます。
つまりお尻以外の筋肉を使ってしまうため必然的にお尻まわりの筋肉は衰えてしまうのが最大の原因と言えます。
このケースではお尻全体を形づくる大殿筋の筋肥大が大切となります。
∇骨盤の後傾が引き起こす体型の変化
3.ピーマン尻
お尻の上が角ばり、側面全体に脂肪がついた状態となります。
後ろからお尻を見ると四角形に見えるのが特徴で、お尻まわりの筋肉量が低下することによる垂れ尻+皮下脂肪を蓄えたお尻となってしまうのです。
「加齢により・・・」
などのように、多くのボディメイク情報では切り捨てたように記載していることが多いですが、決して原因はそれだけではないのです。
このケースでは大殿筋・中殿筋そして梨状筋の全体的な筋肉を鍛える必要があります。
第4章【実践!ヒップアップトレーニング】
自分のお尻のタイプが把握できた所で、さっそくトレーニングに移りましょう。
1.ヒップアブダクション
お尻まわりのインナーマッスルである中殿筋を鍛えることが出来る定番とも言えるトレーニングの1つです。横に広がってしまったヒップラインを整えていきましょう。
□方法
①膝上にチューブを巻いた状態で横向きになり、背筋を伸ばした状態のまま図のように両膝を曲げましょう。そして上側の足をまっすぐ伸ばします。
②お腹の力を抜かないように注意しながら、膝が曲がらないように注意しながら伸ばした足を真上に引き上げていき、力を抜かないようにゆっくりと地面と足が平行になるまで降ろしていきます。これを左右20回×3セット行いましょう。
※足関節は背屈(つま先を上げた状態)させ、正面もしくは少し地面側に向けておくことで、膝が曲がりにくくなり中殿筋(特に前部)を効果的に鍛えることができます。
2.クラムシェル
股関節を開く(外旋)させることで、お尻のインナーマッスルである梨状筋を鍛えることが出来ます。
梨状筋を鍛えることでお尻のサイズだけでなく、垂れ気味なお尻を引き上げる効果が期待できるのです。
特に日常的に内またのクセが付いている場合は梨状筋が衰え、垂れ尻などの原因となるため注意しましょう。
□方法
①膝上にチューブを巻いた状態で横向きとなり、膝・股関節を45°程度に曲げていきます。
※この時背筋は伸ばし、お腹に軽く力を入れておきましょう。
②上半身が動かないよう注意しながら、膝を出来る限り開いていきましょう。そしてお尻の後下方に筋肉の収縮を感じながら、左右20回×3セット行っていきます。
また股関節の曲げる角度を深くするとお尻の上部(※1)、浅くするとお尻の下部(※2)を引き締めることが出来ます。
※1
※2
3.変形ヒップアブダクション
前述した中殿筋を鍛えるヒップアブダクションのレパートリーとなります。
股関節を内側に捻った状態(内旋)で外側に開く(外転)ことで、中殿筋だけでなく梨状筋や大殿筋を連動させて鍛えることが出来ます。
ヒップのボリューム感を出す、そして丸みのある形を目指す方は是非取り入れていきましょう。
□方法
①膝上にチューブを巻き、側臥位となりましょう。そして膝を少し地面に向けた状態を維持するように、足を外に開きます。
※この時膝・股関節は45°程度曲げ、背筋は伸ばし軽くお腹に力を入れておきましょう。
② “かかと”を斜め後方に蹴り上げるようにしていき、お尻の収縮を意識しましょう。これを左右10回×3セット行っていきます。
4.うつ伏せヒップエクステンション
うつ伏せの状態で足を引き上げることで、大殿筋を鍛えることが出来ます。
この体勢では反動を使うことが出来ないため、筋肉の引き締め効果が非常に高いのが特徴です。
□方法
①膝上にチューブを巻き、両手を重ねるようにしてうつ伏せとなりましょう。そして恥骨(骨盤)をマットに軽く押し付けるようにお腹に力を入れたまま図のように膝を曲げ、“かかと”を付けます。
②腰を反らさないように注意しながら“かかと”を天井に向かって引き上げていき、お尻の収縮を感じましょう。これを20回×3セット行いましょう。
※お尻を締めながら行うことで、より大殿筋が活性化されます。
5.サイドウォーク(股関節伸展位)
お尻の側面を形づくる中殿筋を鍛えることが出来ます。
足を外側に開く動きにより活動する中殿筋に、チューブによって負荷を掛けたままサイドウォークを実施することにより、強度の高いトレーニング効果が期待できます。
お尻全体のシルエットを整えるために必要なトレーニングの1つです。
□方法
①膝上にチューブを通し、両手を前で組むようにして真っ直ぐ立ちます。
※この時足幅は股関節の幅よりもやや広めにとっておきましょう。
②膝を曲げないよう注意しながら、側方へ移動します。この時足幅が狭まらないようにしながら30秒×3セット続けていきましょう。
※場所の広さに合わせて左右に往復しましょう。
6.モンスターウォーク(股関節屈曲位)
次はサイドウォークをやや腰を落とした姿勢で行っていきます。
これにより中殿筋だけでなく、大殿筋にも刺激を入れることが出来るためヒップアップ効果が期待出来ます。
お尻から足首にかけてのシルエットをつくるためにも是非チャレンジしていきましょう。
□方法
①チューブを膝の上に通し、足を腰幅程度に広げておきましょう。そしてお尻を後ろに突き出すようにして腰を落とします。
※この時両手は前で組むようにしましょう。
②足幅を変えないよう、そして腰を落としたままゆっくり側方へ移動しましょう。これを30秒×3セット続けていきます。
※膝が内側へ入ったり、膝が前方へ出ないよう注意しましょう。
7.骨盤引き上げエクササイズ
お尻を形取る中殿筋を、立ち姿勢のまま鍛えていきます。
動き自体は小さく地味なものとなりますが、“立ったまま行うトレーニング”はすなわち姿勢の変化に直結します。
立ち姿勢に自身を取り戻すためにも是非行っていきましょう。
□方法
①壁に手を付き、横向きの状態となります。そして反対側の手を骨盤に置き、壁側の膝を90°引き上げておきましょう。
※この時軸足の膝が曲がらないように注意しましょう。
②手を当てた側の腰を押し込むように、そして少し膝を引き上げるようにして中殿筋の収縮を感じましょう。これを左右10回×3セット行っていきます。
※上半身が真っ直ぐなるよう意識し、横に傾いたりしないよう注意しましょう。
8.ブルガリアンスクワット
ベンチ台やイスなどに片足を乗せた状態で行うスクワットです。
単純に片足に掛かる負荷が増大するため、大殿筋にピンポイントで刺激を入れることができます。
しかし効果的である反面、両足で行うスクワットメニューと同じ股関節屈曲と伸展動作とを繰り返すといっても、これを片脚で繰り返す必要があるのです。つまりバランス能力を必要とするため難易度が高いと言えます。
□方法
①ベンチや膝ほどの高さの台を用いて、後ろ側の足を乗せます。そして手を頭の後ろに組んで股関節・膝・つま先が正面を向くように揃えましょう。
②お尻を後ろに引いて下げるようにして上体を少し前傾させます。この時背筋が丸まらないように注意し、ゆっくり腰を落としていきます。これを左右10回3セット目安に行いましょう。
※膝が前や内側に入ると、大殿筋ではなく大腿四頭筋に負荷がかかってしまうため注意しましょう。
また負荷を強めたい場合には図のようにプレートやダンベルを保持して行うとよいでしょう。
※プレートバージョン
※ダンベルバージョン
9.バックスクワット
バックスクワットで主に鍛えられる筋肉はお尻にある大殿筋、もも裏にあるハムストリング、もも前にある大腿四頭筋、そして背中全体をカバーする脊柱起立筋です。
このように下半身から体幹にかけて広範囲の筋肉を鍛えることができるメニューがバックスクワットなのです。
引き締まったお尻や肩甲骨まわりに仕上げたいのであれば、是非挑戦すべきメニューと言えます。
□方法
①バーを担ぎ、肩甲骨を寄せるように肘を後方に引きます。この時背中が丸まらないように注意しましょう。そして足を腰幅よりやや広い程度に開き、股関節・膝・つま先が同じ方向を向くように意識します。
②胸を張るように意識し、お腹に軽く力を入れた状態でお尻を後ろへ突き出すようにして腰を落としていきます。太ももが床と平行になる深さまで腰を落としたら、同じスピードで元の姿勢に戻ります。これを10回3セットを目安に行いましょう。
※この時膝が内側に入ったり、前に突き出てしまうと腰や膝を痛める可能性があるので注意しましょう。
第5章【まとめ】
いかがでしたか?
トレーニングやダイエットを行う前に、まずは自分が一体どのようなお尻のタイプか把握できたでしょうか。
美尻、そして理想的なヒップを目指すためにも、現状を把握することは非常に大切です。
そして自分のお尻の特徴を理解し、それぞれ適したトレーニングを実践してみてくださいね!
広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人
山戸 勝道