その空腹感、本物ですか?満腹でもダイエットは出来ます
どんな行動でも、その意志決定は脳が行っています。
人間の3大欲求である食欲も、胃袋が食べ物を求めているのではなく、脳や身体の栄養不足が原因なのです。
そして脳が満足しなければあなたの食欲を満たすことは出来ません。
これが食べ過ぎの大きな原因であり、ダイエットを目指す方々が乗り越えなければならない壁なのです。
ですが、体が満腹感を感じなくとも、脳さえ満足してしまえば、それが結果として満腹感に繋がります。
そこで今回は、ダイエットと満腹感の関係について掘り下げていきましょう。
「食事量がなかなか減らない・・・」そう自覚しているのであれば、是非読み進めてみてください。
目次
第1章【人は満腹をどうやって感じるのか】
飽食の現代において、食事に対する意識は二極化しています。
“好きなものを好きなだけ食べる”のか、それとも“ただ食べれれば良い”のか。
これは食事に対する興味が薄れている証拠であり、どちらも肥満に繋がってしまう可能性があります。
ダイエットを始めるなら食事量に関する知識は必要不可欠。
まずは満腹を感じるメカニズムについて整理しておきましょう。
1.満腹中枢とは?
「胃袋がいっぱいになることが満腹感じゃないの?」
このように考えるのが一般的かもしれませんが、これはあくまで1つの要素に過ぎません。
胃腸に運ばれた食物は消化され、栄養分が吸収されることで脳にある満腹中枢を刺激し、食事にストップを掛けます。
ダラダラ時間をかけて食べるような“ながら食い”も食事量を増やしてしまう要因となるので注意が必要ですが、やはり満腹中枢を正しく機能させるためにも、いつも以上にしっかり噛むことを意識したほうが良いのです。
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2.満腹を感じるのはカロリー摂取したからではない
次に味覚という観点から食事の満足度を見ていきましょう。
あなたが食事で満足するのは一体どんな時なのでしょうか?
「ドーナツを食べた時?」
「大好きなラーメンを〆で食べた時?」
甘党の方も、そうでない方も、きっとお腹は満たされることでしょう。
しかし食べたものが低カロリーな”おからドーナツ”であったり、低糖質麺を使ったラーメンであったとしても、満腹感は変わらないはずです。
オランダのヴァーヘニンゲン大学の研究によると、人間が満腹感を得られるのはカロリーの多さではないことが明らかになりました。
参照:学術誌『The American Journal of Clinical Nutrition』
満腹の幻覚(Phantom fulness)とも呼ばれるこの錯覚。
人が満腹感を得られる本当の要因は、食べたものの濃度(味や質量)にあるのです。
3.脳の快楽物質の影響
ギャンブルやアルコール、ゲームなど、人間は様々なものに依存しています。
これらを適切にコントロール出来ている方もいれば、依存症として治療せざるを得ない状況にまで追い込まれている方もいるのです。
そしてコントロールのカギとなるのが脳内物質であるドーパミンの存在です。
これはラットの研究ですが、肥満体質のラットの脳を調べたところ、側坐核に異常が見られ、ドーパミンの分泌量が低下していることがわかりました。
そしてドーパミンの出が悪いラットは、ドーパミンが十分な量に達するまで食べ続けるのだとか。
つまり必然的に食事量が増えてしまうという事です。
勿論これはラットの実験ですので、人とは違う部分があります。
しかし食事中の脳をスキャンするとドーパミン量が増えるということは事実であり、それは食事のメニューによっても変化するのです。
『ドーパミンの分泌量が増えることで欲求は満たされる』
食欲は報酬として認知され、食べることが心を満たすとなれば、食事量が増えてしまうのも当然です。満足したくない人間などいないのですから。
そこで出番となるのが、このドーパミンやノルアドレナリンなど脳内神経伝達物質の暴走を抑えるセロトニンです。
太陽光を浴びたり、運動習慣を身に着けることでセロトニンは分泌されるので、くびれ美人のパーソナルトレーニングやサーキットトレーニングをすることはボディメイク含め非常に良い効果を発揮します。 その他にもセロトニンの材料となるトリプトファンの摂取や、分泌を促すビタミンB6の摂取も重要となります。
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4.咀嚼回数の影響
「しっかり噛んで食べなさい」
幼少期にはいつも聞かされていた言葉も、大人になれば誰も注意してくれなくなります。
“噛む”ことは成長期における脳の発育に良いだけでなく、食事量にも大きな影響を与えるのです。
本章の冒頭でも解説しましたが、食物を噛む(咀嚼)ことは満腹中枢を刺激し、満腹感を与えて食欲を抑える働きがあります。
ダイエットにおける研究では咀嚼回数に関する文献は多くみられ、そのどれもが“多く噛むこと”を推奨しており、それに加えてゆっくり食事をすることが肥満リスクの軽減につながると結論付けています。
肥満リスクについては前回投稿した記事ダイエットに脂質は禁物?【いいえ違います】でも取り上げておりますので是非ご参照ください。
また厚生労働省が提唱した「噛ミング30」によると、一口食べる毎に30回以上噛むことを目標とすることで食の満足感を増やす可能性を示唆しています。
ただ食べるのではなく、良く噛んでゆっくり味わうことがダイエットにおける食事の第一歩となるのです。
第2章【食欲を正しく抑える】
ここまで満腹感を含めた食欲について解説してきました。
そこで次に、正しい食欲の抑え方について学んでいきましょう。
1.脳の錯覚に騙されない
生まれ持った大食いというよりも、後天的な環境の変化によって人の食べる量は変化します。
繰り返しとなりますが、
▪早食い
▪咀嚼回数が少ない
▪濃厚な触感・味付けを好む
これらは基本的に、脳が作り出した“あなたの食事習慣”の錯覚です。
つまり『1口あたり20~30回は噛む』ことや『味付けはそのままでも麺などの内容を低カロリーなものに変える』ことでも、結局は満足できるはずなのです。
基本的に脳は苦痛を嫌います。
苦痛を伴う行動はダイエットやボディメイクの成果に直結する継続率を左右しますので、快楽的でポジティブな行動を取ることを意識する必要があります。
2.食物繊維を含む食材を食べる
以前投稿した記事ダイエットにオススメの食材10選【食を楽しもう】でも触れているように、ダイエットにおいて大切なのは食事を減らすだけの、まるで引き算のような食事計画ではありません。
そこで食物繊維に注目していきましょう。
食物繊維は人の消化酵素では消化されない、いわば食べ物の残りカス。
しかし研究が進むにつれ、食物繊維がダイエットに及ぼす影響が大きいことがわかっています。
そして「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つに分けることができ、それぞれに大きな特徴がありますので整理しておきます。
①血糖値の上昇を抑える
水溶性食物繊維は吸着性があり、粘り気があります。ネバネバした性質が故に胃腸内をゆっくり移動して糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
血糖値の急激な上昇は体脂肪を増やす要因となるだけでなく、疾病リスクなどの健康への悪影響が懸念されています。
②コレステロール値を下げる働きがある
前述したように、水溶性食物繊維には吸着性があるため小腸内のコレステロール値を下げる働きがあります。
吸着させたコレステロールを体外に排泄することよって余分なエネルギーを摂取しなくて済むので、それだけでもダイエットに役立つと言えるでしょう。
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③満腹感のわりに低カロリー
不溶性食物繊維は胃腸で水分を吸収して大きく膨らみます。胃壁が圧迫されることは満腹中枢の刺激に繋がるため、食べ過ぎを防いでくれます。
「食べる量がなかなか調整できない・・・」
その大きな壁に立ち向かうためにも、食物繊維を含む食材を取り入れ、まずはお腹と心を満たせるよう取り組んでみてください。
▪豆類
▪キノコ類
▪海藻類
▪大麦・オーツ麦
▪こんにゃく
3.タンパク質を多く含む食材を食べる
タンパク質中心の食事はダイエットにおいて非常に大きな意味を持ちます。
あなたがダイエットのため、そしてボディメイクのために筋トレをしているのであれば尚更ですが、そもそもタンパク質は筋肉を作るためだけの栄養素ではありません。
内臓や髪、爪、さらには血液に至るまで、健康的で引き締まった身体のためにはタンパク質が必要不可欠です。
そして糖質の多い食材と比較して消化・吸収に時間が掛かるため血糖値の上昇を抑え、そして咀嚼回数が増えるため食べ過ぎを防いでくれますので、是非意識してみてください。
↓ダイエットにオススメの食材↓
第3章【まとめ】
いかがでしたか?
今回はダイエットと満腹感の関係についての内容を取り上げました。
なかなか痩せることが出来ないあなたの行動に、思い当たる節があったのではないでしょうか。
人間の3大欲求である食欲は、ダイエッターにとって永遠の課題です。
そして決して食欲を消し去ることは出来ません。
それを十分に理解した上で、食物繊維やタンパク質を中心とした食材をゆっくり噛んで食べるように心がけてみてくださいね。
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