ボディメイクのために知っておくべきトレーニングの基礎知識
トレーニングの種目はたくさんあり、色々なメディアで取り上げられている現代。
情報が多すぎるが故に、本当にあなたにとって正しいトレーニング知識をつけることが出来ていますか?
女性らしいボディラインを手に入れるためには何が必要なのでしょうか?
人は知らず知らずの内に自分の得意な動きと苦手な動きを鑑別し、得意な動きばかり行う傾向があります。しかしこの得意な動きは必ずしも良い動きとは限りません。関節に負担が掛かったり、同じ筋肉に負担が掛かりすぎてバランス悪くなり極端な筋肥大を起こしたり、様々な不具合が生じてしまいます。
つまりカラダを正しい位置でコントロールすることは、プロポーションの改善に繋がるということです。
そして一概にダイエットをしたいと言っても、人によって目的は様々。
あなたは、体重を減らしたいですか?
それとも、体型を変えたいですか?
ここで大きく認識が変わってきます。
体重が減る=体系が美しくなる(変わる)と思っている女性は多く、皆さんにこれが事実ではないことを伝えると、かなり驚かれます。やはり認識から介入することは大切なようですね。
あなたは、体重が〇〇g落ちた!増えた!と言って一喜一憂していませんか?
運動をしているけど見た目が変わらない。もしかしたらあなたのダイエット方法は間違っているかもしれません。
目次
第1章【筋トレを始める前にトレーニングの目的をはっきりさせる】
ただ漠然と、「体重〇〇kg減らす!」「体脂肪を〇〇%に!」と大きすぎる目標を掲げていませんか?
大きすぎる目標がプレッシャーとなり、途中で止めてしまいかねません。
チャレンジする勇気を無駄にしない為にも、まずはトレーニングを始める目的をはっきりさせ、ゴール目標を定めることから始めていきましょう。
第2章【あなたの目的はダイエット?それともボディメイク?】
ダイエットとボディメイク。TVや雑誌などのメディアで多く取り上げられている言葉ですよね。しかしその意味を把握している人は少ないようです。
目標設定の為にも、まずはあなたの理想はダイエットとボディメイクのどちらなのかを明確にしていきます。
それではその言葉の意味を調べていきましょう。
2-1.ダイエットの本当の意味
ダイエット(Dieting)とは本来、健康や美容などを目的に主に食事の質や量を改善・制限することを意味しています。しかし今日の日本ではこの意味が転じて、主に痩せるための運動や生活習慣の改善の意味を示しています。
そして多くの人が、「ダイエット=運動や食事制限によって痩せること」と解釈しています。
しかしここには大きな誤解があり、実際は「ダイエット=運動や食事の管理により適切な体重にする」ことを示しています。
つまり体脂肪や体型にはあまりフォーカスを当てておらず、体重の増減のみを評価しています。
2-2.ボディメイクとは?
ボディメイクとは、比較的最近用いられるようになった新しい造語という認識で良いでしょう。その意味として「痩せることだけではなく、美しいカラダ作りを目指すことを目的にトレーニングを行う」が一般的な認識のようです。
ダイエットと圧倒的に違う所といえば、サイズダウンはもちろん、気になる部位を重点的に引き締めてボディラインを整えていくという点でしょうか。
体重や体脂肪といった目先の数値を追いかけるという概念はなく、あくまで全身のバランスを整えるようなトレーニングを示していることがわかりますね。
極端な食事制限や偏りのある誤ったトレーニングを繰り返して痩せても、ただ痩せただけで女性らしく美しくてバランスのよいカラダになるとは限りません。
つまり、「足りない所に筋肉をつけ、余分な部分の脂肪を落としカラダをデザインすること」がボディメイクの本当の意味と言えるでしょう。
第3章【筋トレを始める前に覚えておきたいこと】
まず皆さんに知っておいてほしいポイントがあります。
それは男女間で筋トレの効果は異なるという点です。
この大きな理由が“ある”ホルモン分泌の割合が異なるからと言われています。
性差による体格や身体的な違いを把握しておくことで、筋トレに対するモチベーションを高めていきましょう。
3-1.テストステロンの作用
テストステロンの主な作用は2つ。筋肉の増大(筋肥大)や骨格の発達です。
別名“男性ホルモン”と呼ばれています。テストステロンは体を成長させるためには必要不可欠なホルモンで、分泌量は異なるものの、男女ともに一定量分泌されています。
そして成長ホルモン(筋肉や骨を成長させるために必要不可欠なホルモン)にも働きかけ、身体全体の維持をしています。
3-2.男性ホルモンが増えるとマッチョになる?
男性ホルモン(テストステロン)の増加=男性化(筋肉がムキムキになる)というわけではありませんのでご安心を。
そもそも、女性が分泌するテストステロンの量は男性の5~10%程度です。単純に男性と比較して10倍筋トレを頑張らなければ筋肉は大きく肥大することはないと言えますね。
3-3.上半身の筋肉差
ホルモン分泌量の違いにより男女の差があるとご紹介しましたが、この差が顕著に表れるのが、上半身の筋肉量の差です。
女性はもともと上半身の筋肉量の比率が男性に比べて少ない傾向にあります。もちろん誰しもに当てはまることではありませんが、筋肉量が少なければその分脂肪も付きやすくなります。そして筋肉量が少ないことにより、トレーニングの効果を実感しづらいと言えます。
第4章【トレーニングの原則に従うべき】
ただ闇雲にトレーニングの数をこなせば結果がでるものではありません。
実は、トレーニングの効果を最大限に発揮するためのトレーニングの原則というのはご存知ですか?
「人間の持つ機能は、使わなければ退化し、適度に使えば発達するが、使い過ぎると萎縮してしまう」
このような言葉を残し、トレーニングの原則(ルーの原則)を提唱したのがドイツの学者ウィリアム・ルーです。生理学の基本原則「ルーの原則」の考えを基に、今日のボディメイクの為のトレーニングプログラムは構成されているのです。
それではまず、必ず知ってもらいたい4つの法則について紹介したいと思います。
4-1.オーバーロード(過負荷)の原則
これは筋の活動量(筋肉をつける準備)を高めるためには、日常で使用するよりも高いレベルでの運動刺激(オーバーロード)を与える必要があることを示しています。
つまり毎回同じレベルの運動負荷(例えば足痩せのために常にスクワット20回など)を課しても、いずれ身体が変わりづらくなる、いわゆる頭打ちが来ることによるトレーニング効率の低下を回避するために必要なことと言えますね。
毎回同じトレーニングばかり、同じ量ばかりこなしていませんか?
もしかしたら、あなたのトレーニングレベルを上げるタイミングに差し掛かっているかもしれません!
4-2.漸進性の原則
これは筋力・運動レベルの発達に合わせて、次第に負荷量(運動強度・回数などを示す)を高めていくと、トレーニング効果を最大限に発揮することを表しています。
1つめのオーバーロードの原則と関連しており、トレーニングの種目を増やしたりフォームを変えたりすることを示しています。
4-3.継続性の原則
筋力の増加だけでなく、筋肉量を上げ、身体のシルエットを変えるためのボディメイクには継続が大切となります。
(参照記事URL→第6章【筋トレの効果が出るまでの期間は?】)
4-4.特異性の原則
トレーニングは、筋肉に与えた刺激によって効果が異なります。つまり、目的に合ったトレーニングの条件(筋肥大・引き締めなど)を適切に選ぶ事が大切と言えます。
(参照記事URL→筋肥大の為の筋トレと引き締め筋トレは違う!)
第5章【筋トレで肌は若返る?】
筋トレで手に入るのは、筋肉だけではありません。女性にとって嬉しい効果がたくさんあるのです。その効果を知ることであなたのトレーニングに対するモチベーションがアップするかもしれません。
5-1.成長ホルモンはアンチエイジング効果あり
成長ホルモンは、テストステロンと同様にトレーニングによって分泌されるホルモンの1つです。
主な作用として、
□タンパク質合成の促進(筋肉を作る)
□脂肪の分解・燃焼の促進
□軟骨の成長の促進
□コラーゲン合成の促進(肌艶の改善)
□免疫細胞の機能増強(病気のリスクを下げる)
□認知症の予防
□糖尿病の予防
などが挙げられます。
カラダの老化へのカウントダウンを止めるためにも、トレーニングを継続的に行い、成長ホルモンが分泌されやすい体質に変化させる必要があることがわかりますね。
第6章【筋トレの効果が出るまでの期間は?】
よくある質問のなかで、「どれぐらいの頻度でトレーニングを行うべきなのか?」というのがあります。もちろんこのコラムを見ているあなたも一度は気になったことでしょう。
「毎日するのはハードルが高い。」
「サボったら効果が出ないのではないか?」
などという不安が先走ってしまい、結局チャレンジすることがないまま月日が流れていませんか?
それではこの疑問を解き明かしていきたいと思います。
6-1.実際に筋トレ効果による身体の変化はいつから感じられるのか?
結論から申し上げますと、実は1回トレーニングを行うだけで身体的変化を感じることができます。
この大きな理由は姿勢の変化です。
それではこちらの図をご覧ください。
弊社のクライアント様のセッション前後の変化の様子です。
当然1回のセッションで体脂肪に大きな変化が出ることはありません。
しかし姿勢のゆがみをチェックし、目的に合わせて適切なトレーニングを課すことで、このような部分痩せを可能としています。
例えばウエストをくびれさせたい場合、ポイントとなるのが肋骨と骨盤の距離です。この距離を適切な位置で留めるようにトレーニングを行うことでウエストのサイズダウン、つまりくびれ作りは可能となります。
しかし身体には日々ストレスがかかり、姿勢を含めた生活習慣を変えるのは至難の業です。その習慣を変え、身体や筋肉がその人にとって正しいポジションであることを覚えさせるために、最低週1回の3か月のトレーニング継続をオススメしています。
第7章【使い分けるべき筋肉の動きの種類】
ただ筋肉を動かすと言っても、実は筋肉の動き方には種類があるのです。そしてこの動き方を把握していなければ、引き締まったカラダを手にすることは難しくなります。
まずは、筋肉はどのように動くのかという疑問を解いていきましょう。
7-1.等尺性収縮
等尺性収縮とは、筋肉がその長さを変えずに筋力を発揮する場合の事を言います。
例えば壁を押すときのように、動かない(動かさない)ようにしている場合がこれに当たります。
7-2.短縮性収縮
短縮性収縮とは、筋肉が短くなりながら筋力を発揮する場合をいいます。
例えば肘を曲げる時の上腕二頭筋のように、筋肉が縮んで厚みを増すような動きがこれに当てはまります。
7-3.伸張性収縮
伸張性収縮とは、筋肉が引き伸ばされながら筋力を発揮する筋肉の収縮形態です。
例えば、重りを持った状態で肘をゆっくり伸ばしていく動きのように、筋肉が伸びていきながら(スピードをコントロールしながら)筋力を発揮する場合を示します。
筋肉の収縮形態がわかったところで、次はあなたに必要な動きはどれかを調べていきましょう。
第8章【引き締めのために絶対取り入れるべき筋トレの考え方】
たるんだお尻や二の腕を引き締めるためにまず意識的に取り入れるべき筋肉の収縮形態は短縮性収縮です。
トレーニングの種類で言うと、トライセップスエクステンションやヒップリフト等、筋肉を最大限収縮させるような動きを伴うものをイメージしてもらえたら良いかと思います。
ここで覚えておいて欲しいのは、必ずしもトレーニングの際に重い負荷を掛ける必要はないという事です。
関節を可動域いっぱい(伸ばす縮める方向)に動かすことができる重さ(負荷)であれば効果を期待できます。
たるんだ筋肉=伸張位(筋肉が引き伸ばされた状態)での筋力発揮が得意
言い換えれば、キュッと筋肉を引き締めることが苦手という事です。
これはもうそのまま今の身体の状態を表していますね。
第9章【筋肉量が少ない細見の人がまず取り掛かるべき筋トレの考え方】
このような方をターゲットとした場合、まず取り掛からなければならないのが筋肉量の増加です。そもそもの筋肉量が少ない場合ではトレーニングの効果も実感しづらいことは確かです。カラダのシルエット、つまりボディラインを形作るのは他でもない筋肉であり、女性らしさをより強調するのが適度な皮下脂肪なのです。
筋肉をつけるためにはある程度の食事の介入は必要なため、トレーニングのセッション中やアフターフォローとして普段の食事をアドバイスさせていただいております。
(参照記事URL→ボディメイクに必要な栄養の知識)
それでは本題に移りましょう。
例えばヒップアップを目的とした場合で、もともとの筋肉量が少ない方だと、大殿筋の筋肥大を目的としたトレーニングプログラムを作成します。
この時重要なのが負荷(重さ)強度や反復回数、セット数そしてインターバル(休息時間)です。
この設定が何よりも大切なのです。
トレーナー指導の下、まずは「どれくらいの負荷強度でトレーニングを行うべきか」を調べる必要があります。
この方法がRM法です。(※Repetition Maximumの略で、ギリギリ1回だけ上げられる重量の意味)
1回しか上げられない重さの場合は1RM、そして10回上げられる重さであれば10RMとなります。
筋肥大が目的の場合は8~12RMの重さを用いて8~12回反復し、それを3~5セット行うことが必要であると言えます。(セット間の休みは1分以内が理想)
第10章【ワンランク上のカラダを目指す人は?】
筋トレとは筋肉を破壊して超回復を促し、筋線維を発達させる行為を言います。
この筋線維の破壊に対して体は本能的に防御反応を示し、本当の限界よりも早めに限界が来たと錯覚してしまうようになります。
この限界を見極めるのは自分ひとりでは難しく、トレーナーによる補助が必要となる場合もあります。
そして目的とした筋肉に効果的に刺激を与えられるようなトレーニング方法があります。
今回はその代表であるスーパーセット法とコンパウンドセット法について調べていきたいと思います。
10-1.スーパーセット法
筋肉はトレーニングによる反復動作を繰り返すことで徐々に筋線維が疲弊していき、動作を繰り返すことが困難になります。
そこで、通常のインターバル(休息時間)を鍛えている筋肉の※拮抗筋(反対側の筋肉)にトレーニングターゲットを移し、疲労物質の除去を促して再び本来のターゲットの筋肉を鍛えていく方法をスーパーセット法と言います。
この方法では通常のインターバルよりも早く筋肉の回復が見込め、トレーニング効率が高まると報告されています。
※例えば上腕三頭筋を鍛えている場合は上腕二頭筋を示す
10-2.コンパウンドセット法
コンパウンドセット法とは、同じ筋肉に対して複数種類のトレーニング種目を連続して課し、高強度の刺激を与えるトレーニング法を示しています。
トレーニングのレパートリーはもちろんのこと、フォームを安定させるためにも比較的難易度は高いので、トレーナーの指導を受けながら行うほうが良いでしょう。
第11章【まとめ】
ボディメイクは自分のカラダをデザインすること。
あなたの理想とする体型にチャレンジする準備は整いましたか?
一般的に美しいと感じられるボディラインには、綺麗と感じる黄金比が存在します。
バスト-ウエスト-ヒップはもちろんのこと、太ももやふくらはぎにも美しいとされる比率はある程度数値化することができるのです。
このようにボディメイクを達成するには目標を明確にし、運動レベルに合わせて段階的にトレーニングプログラムを組むことが大切となります。
専門家であるパーソナルトレーナーのサポートを受けながらトレーニングを行うことで、自己流では成し得ない結果を達成することが可能となります。
なりたい自分に近付き、これまで以上にオシャレを楽しんだり、自分に自信を持った女性が増えてくれることを目標にトレーニングを一緒に行っていきたいと思います。
くびれ美人パーソナルトレーナー
山戸