【目的別】ダイエットのために腹筋の効果を最大限発揮する方法
薄着の季節がやってくると、どうしても気になってくるお腹まわり。
日頃のストレスと運動不足が相まって日を追うごとに大きくなっていくお腹の脂肪は、ただ眺めているだけでは減ることはありません。
お腹を引き締めるために腹筋をしようと思っても筋力が無いから“上体起こし”が出来ないとなれば、筋トレやダイエットから遠のく一方。
そこで今回は筋トレの効果が最大限出る方法と、様々な腹筋メニューをあなたの目的に合わせてご紹介したいと思います。
目次
第1章【筋トレの効果が高い時間帯はいつ?】
時間が無い現代人にとって、“効率重視”の考え方が増えてしまうのも納得ですよね。
当然トレーニングを行うのであれば、少しでも筋トレの効果が高い時間帯を狙って行うべきと言えます。
実は一日の中でも筋力を発揮しやすい時間帯が存在し、これには概日リズム(サーガディアン)リズムが影響しています。
最も筋力を発揮しやすい時間帯は午後2時から夕方と言われており、反対に午後10時から明け方にかけては最も筋力が低い時間帯とされています。
この事から、筋力の向上を目的としたトレーニングを行う場合は“朝活”をすべきではないことがわかります。
しかし軽いランニングやウォーキングを行うには適しており、トレーニングの目的によって時間帯をコントロールする必要があるのです。
つまり筋力を増やすことが目的なのであれば、昼から夕方にかけての間でトレーニングを行ったほうが良いのです。
第2章【消費カロリーを計算できるMETsとは?】
それではここで、身体活動の強さを示す単位「メッツ」を使ったエネルギー消費量の計算方法についてご紹介しましょう。
メッツ(METs)とは、「Metabolic equivalents」の略で、活動・運動を行ったときに安静状態の何倍の代謝(エネルギー消費)をしているかを表す、活動強度の指標のこと。
まずイスに座っている時のような安静にした状態を1メッツ(基準)で考えると、普通の速さで歩くと3メッツ、自転車に乗る(自分の心地よいペース)と6メッツとなります。
そしてこのメッツを利用して、あなたが普段の生活でどれくらいのエネルギー消費を行っているのか、おおよそを知ることができます。
エネルギー消費量(kcal)=〔メッツ〕×〔体重(kg)〕×〔時間(h)〕×1.05
例えば体重50kgの方が1時間の散歩を行ったとすると、
3×50×1×1.05=157.5kcal
となり、約150kcalのエネルギーを消費したことがわかります。
当然個人差はあるものの、筋肉量が増えれば増えるほどより多くのエネルギーを消費するということは間違いありません。
つまり同じ体重50kgでも、筋肉量が多い方と少ない方では当然エネルギー消費に大きな差が出るということです。
この事から、より効率よくエネルギーを消費するような痩せた体質になる為には、筋肉量を増加させることが最も効率が良いことがわかりますね。
筋肉量を増加させることで、日々の生活の中でのエネルギー消費が増えることを知っておけば、筋トレへのモチベーションアップにもつながるかもしれません。
第3章【筋収縮の種類を知ろう】
ただただ筋肉を鍛えると言っても、ひたすらに動かせば良いという訳ではありません。
実は筋肉を鍛える目的によって、どの位置で負荷を掛けるべきかが変わります。
筋肉が力を発揮するには3つの姿勢があり、それぞれの特徴を理解しておくことで効率的にトレーニングを行うことが出来ます。
1.求心性収縮(短縮性/コンセントリック収縮)
筋肉が縮こまりながら筋力を発揮する状態を表しています。
筋肉を構成する線維(アクチンフィラメントとミオシンフィラメント)が縮むことにより筋肉の長さを正常にする働きがあります。
例えば二の腕や脇の下、太もも前が弛んだ状態は猫背などの不良姿勢が誘発する筋肉の縮む力(収縮力)の低下によって起こりますので、身体をスッキリ引き締めたい方はこの求心性収縮を意識する必要があります。
筋肉が縮みながら物理的に短くなることで力を発揮する運動様式で、レッグエクステンションのように膝を伸ばす際の大腿四頭筋は求心性収縮に相当します。
求心性収縮の特徴は『てこの原理』を用いた運動形態のため少ない筋力で動作を行うことができ、比較的負荷が小さいトレーニングとなります。
2.遠心性収縮(伸張性/エキセントリック収縮)
筋肉が伸びながら筋力を発揮する運動様式で、求心性収縮よりも筋肉が発揮できる力が増大するのが特徴です。
筋肉を構成する線維(アクチンフィラメントとミオシンフィラメント)が縮んだ状態から引き延ばされるため筋線維のダメージが大きく、筋肉痛の原因となります。
しかしその反面、筋肉のダメージが大きいため筋肥大の効果が高く、ヒップやバストのボリュームが欲しい方は是非意識すると良いでしょう。
レッグエクステンションマシンで例えると、膝を伸ばした状態が求心性収縮なのに対し、伸ばした状態から重さに耐えながらゆっくりと戻していく過程が遠心性収縮に相当します。
3.等尺性収縮(アイソメトリック収縮)
前述した2つの運動様式と圧倒的に異なる部分は、関節の運動を伴わないという点です。
つまり同じ体勢を維持するために必要の能力であり、立ち姿勢や座り姿勢を正しく整えるためのポイントの1つとして効果を発揮します。
レッグエクステンションマシンで例えると、重さに抵抗して膝を中間の位置で動かないように止めた際の大腿四頭筋が等尺性収縮に相当します。
この後ご紹介するプランク種目では、腹筋を収縮させて“止まる”ことを意識すると良いでしょう。
第4章【腹筋の実践①:腹筋を割る】
ここまで筋トレの効果を高めるタイミングや筋肉の運動様式について取り上げていきました。
それではいよいよ、お腹を引き締める腹筋メニューを実践していきましょう。
1.腹筋ローラー
腹直筋を効率よく鍛えることが出来るアイテムの1つです。
足を支点にローラーを使って上半身を遠ざけることで、腹直筋に遠心性の刺激を加える事が出来ます。
また戻る際には腹直筋における求心性収縮が必要となるため、腹筋のタテスジを目立たせるためには是非取り入れていきたい腹筋メニューです。
□方法
①膝を腰幅でついた状態で腹筋ローラーを把持し、顔の真下に位置するようにしましょう。
②顔の真下の位置をキープしたまま腹筋ローラーを前方に転がしていきます。そして腰が反らないよう注意しながら元の位置に戻ります。これを10回×3セット行っていきましょう。
※戻る際は腰を後ろに引くのではなく、腹筋ローラーを手前に引きながらヘソをのぞき込むようにしましょう。初めは浅い角度から行い、慣れてきたら写真下のようにチャレンジしていきましょう。
2.レッグレイズ
足を上下に動かすことによって腹直筋の下部を鍛え、引き締めることが出来ます。
仰向けに寝た状態で行うと腰を反って痛めやすくなりますが、今回のレッグレイズでは上半身を起こした状態で行うため腰を反りにくいため腰痛のリスクを軽減させることが出来ます。
□方法
①仰向けとなり、両肘を立てて上半身を起こします。そして両足を揃えた状態で浮かせて置きましょう。
②膝が顔に向かうように、そして足は軽く曲げた状態で尾骨を引き上げるようにして足を上げ、下腹部の収縮間を感じたらゆっくりと元の位置に戻ります。これを10回×3セット行っていきましょう。
第5章【腹筋の実践②:姿勢を良くする】
立ち姿勢や座り姿勢、人間らしい生活を送るためには腹筋の活動を欠かすことはできません。
この時大切となるのは等尺性収縮、つまりその体勢を維持する筋力が必要となります。
そこでプランク種目を行い、姿勢維持筋を鍛えていきましょう。
1.フロントプランク
体幹トレーニングの王道とも呼ばれるフロントプランクを正しく取り入れ、ボディメイクを成功させていきましょう。
主に鍛えられる筋肉は腹直筋であり、筋肉量の増加や引き締めというよりも腹筋を使って身体を支えている感覚を掴むことが最大の目的と言えます。
□方法
①うつ伏せの姿勢で両肘を肩幅程度に開いた状態でつき、つま先を立てておきます。
②下腹を引き上げるようにして腰を上げ、頭から“かかと”まで一直線となるように姿勢をキープしましょう。これを10秒×3セット行っていきます。
※前腕で地面をしっかり押さえ、ヘソを引き上げるイメージを持つと腹筋へ力が入りやすくなり効果的です。
2.サイドプランク
フロントプランクが出来たら、次はサイドプランクに挑戦してみましょう。
主に鍛えられる筋肉は腹斜筋群(内・外腹斜筋)であり、お腹まわりを側面から引き締める効果が期待できます。
□方法
①横向きとなり、両足を揃えた状態で肘を肩の真下に付きます。
②前腕でしっかり地面を押すようにして腰を持ち上げ、頭から足までが一直線となるようにしましょう。これを左右10秒キープ×3セット行っていきます。
※足関節を90°、そして膝や股関節が曲がらないように注意しましょう。
サイドプランクでは、巻き肩や猫背の方は肩を痛めやすいため注意しましょう。これは肩甲骨と上腕骨の関節面が関係しています。そこで肩に不安のある方はヘソを地面に向けるように身体を少し斜めにすることで、腹斜筋群を最大限鍛えることが出来ます。
第6章【腹筋の実践③:くびれを作る】
女性らしいくびれを作るためには、お腹まわりの筋肉量は欠かせません。
女性は男性と比べて骨盤が広く、ウエストとヒップとのギャップが出来やすいのが特徴であり、この特徴を最大限生かすためには腹斜筋群(内・外腹斜筋)の筋収縮が必要不可欠なのです。
1.サイドV字シットアップ
前述したレッグレイズは主に腹直筋の下部を選択的に鍛えることが出来るメニューでした。
そこで身体を側方の向けた状態でレッグレイズに加え、上半身も同時に起こすことでⅤ字シットアップとして腹斜筋群を鍛えることが出来ます。
□方法
①横向きとなり、手で身体のバランスと取るようにして少し上を向きます。この時下側のお尻を支点にするイメージを持っておきましょう。
※足は揃えて真っ直ぐに伸ばしておきましょう。
②反対側の手でつま先をタッチするように手と足を同時に引き上げ、ゆっくりと元の位置に戻ります。これを左右10回×3セット行っていきましょう。
2.ツイストクランチ(ニートゥーエルボー)
通常のクランチ動作は前後方向で行われるため主に鍛えられる部位は腹直筋ですが、クランチに捻り動作を加えることで腹斜筋群を鍛え、ウエストまわりを引き締めることが出来ます。
腹斜筋を鍛える為には身体を引き上げるだけでなく捻る動作が重要となるため、なるべく対側の肘と膝を付けるように意識していきましょう。
□方法
①仰向けとなり、膝を立てた状態で片側の足を反対側に掛けます。そして掛けた側と反対の腕で頭を支えておきましょう。
※この時フリーとなった腕は身体を支える為に側方に伸ばしておきましょう。
②反動をなるべく付けないよう注意しながら対側の肘と膝をタッチさせていき、ゆっくりと元の位置に戻ります。これを左右10回ずつ行っていきましょう。
※手で後頭部を支えると首に負担が掛かるため、首を直接支えるように手を置くようにしましょう。
3.T字クランチ
先ほどのツイストクランチと同様に腹斜筋群を主に鍛える、少し難易度の高いメニューとなります。
股関節を引き上げた状態で行うため腹部のインナーマッスルである腸腰筋へ刺激を入れることが出来るため、お腹まわりのトレーニングを効率よく行うことが出来ます。
□方法
①仰向けとなり、片側の足を上げて股関節・膝・足首をそれぞれ90°となるようにします。そして対側の手で首を支えておきましょう。
※伸ばした側の“かかと”は地面から離さないよう、お尻を引き締めながら押し付けておきます。
②肘を膝の外側にタッチするように身体を起こしながら捻っていきます。これを左右10回×3セット行っていきましょう。
第7章【まとめ】
いかがでしたか?
今回は現代人が気になるお腹まわりを引き締める腹筋メニューを中心にご紹介致しました。
“上体おこし”のような昔ながらのトレーニングが良い場合もありますが、ワンランク上の身体を目指すためには求心性収縮・遠心性収縮、そして等尺性収縮の3つの運動様式を上手く使い分けることが必要となります。
腹筋を割りたいのか、それともウエストをくびれさせたいのか、あなたがお腹を鍛えたい理由は何ですか?
是非今日から取り入れてみてくださいね!
広島のパーソナルトレーニングジムくびれ美人
山戸 勝道