【女性必見】くびれを作る”腹斜筋”の鍛え方
腹筋のトレーニングと言えば“バキバキに割れた腹筋”をイメージしがちですが、これは身体の正面にある腹直筋の作用。腹斜筋は「くびれ作り」や「ポッコリお腹の引き締め」など、身体のメリハリ作りには欠かせません。
女性だけでなく、男性にとっても鍛えたいポイントである腹筋。その中でも今回は、より理想的なカラダに近づくことが出来る腹斜筋の基礎知識や自宅でも取り組むことが出来る自重トレーニング、そしてメディシンボールやウォーターバッグ、ケーブルマシンなどのツールを使った効果的なトレーニング方法をご紹介致します。
目次
第1章【なぜ腹直筋ではないのか?】
腹筋と言えばシックスパックというイメージを持つ人は非常に多いと思います。実際身体の正面を覆う腹直筋は、内臓を外部からの衝撃から守るという重要な役割を担っています。
しかしプロポーションという意味では、少し考えを改めたほうが良いかもしれません。
シックスパックと呼ばれる腹直筋は、基本的に上体の屈曲(背中を丸める)動作をコントロールしています。そして腹直筋の厚みが増すことでスッキリとしたお腹まわりからはかけ離れ、肉厚な胴体へ近づきます。
それに比べ、腹直筋を左右から支えるように存在する外腹斜筋と内腹斜筋は、肋骨と骨盤を側面から繋ぎます。また筋肉の線維が上体に対して斜めに走行するため、筋肉が発達するとまるで袋の口を縛ったようにウエストまわりのくびれを作ることが出来るのです。
第2章【腹筋には種類がある】
2-1.腹直筋
腹直筋とは、いわゆるシックスパックとして有名な筋肉です。見た目としてはパーフェクト。しかしその機能は少なく、体幹の屈曲(上体起こしなど)は得意でも捻じったり傾いた状態ではあまり作用しない筋肉なのです。そして筋肉の分布は正面のみであり、脇腹のくびれ作りにもあまり効果を発揮することができません。
2-2.外腹斜筋
腹直筋の左右を囲うように存在するのが外腹斜筋です。外腹斜筋は肋骨から骨盤を繋ぎ、体幹部を強化しています。胴体を側屈(横に倒す)・回旋(捻る)させる作用があることから、歩行時には上半身と下半身が交互に捻じれるように連動して動くことが可能となるのです。
そしてウエストのくびれ作りは勿論の事、猫背や反り腰などの不良姿勢の問題となる骨盤と肋骨の位置を安定させる効果が期待できるので、積極的に鍛える必要があると言えますね。
2-3.内腹斜筋
外腹斜筋の後面に存在する内腹斜筋は、腹横筋と同様に腹壁前面を覆うように位置しています。外腹斜筋と内腹斜筋は互いに編み目のように交差することによって強度を増しており、体幹部の強化を担っています。そしてどちらも肋骨と骨盤を繋いでお腹まわりを形成しており、体幹を側屈(横に倒す)・回旋(捻る)させる作用があります。
腹壁を覆い、外腹斜筋と共同で作用することからウエストまわりのシルエットづくりに大きく役立っていることがわかりますね。
お腹の正面にある筋肉だけでない、いわゆる“くびれ筋”の1つとして鍛える必要があるのです。
第3章【腹斜筋を鍛えるメリット】
ご紹介した腹斜筋の担っている役割は主に体幹部の動作です。身体を横に倒す側屈は勿論の事、身体を捻ったり背筋を伸ばす役割など、日常生活では欠かすことが出来ません。トレーニングによって腹斜筋を効果的に鍛えることが出来れば、プロポーションを整える効果だけでなく、無理なく身体・体幹を動かすことが出来る機能的なカラダを目指すことが出来ます。
第4章【腹筋トレーニングでは首に気を付けよう】
それでは早速腹斜筋のトレーニングを始めたい所ですが、腹筋系のトレーニングを行う際の注意点をご紹介します。
「腹筋をすると首が痛くなった」という事を理由に、腹筋のトレーニングを断念・中断した方は少なくありません。特に腹筋のトレーニングに慣れていない方や腹筋が弱い方(トレーニング負荷が強すぎる)に多いのです。
この時痛みの原因は、首(頸部)が過剰に曲がることによって引き起こされます。これによって頸椎や靭帯、筋肉に過剰なストレッチがかかり痛みへ繋がってしまいます。
あなたは腹筋トレーニングの際、腕で身体を持ち上げようとしていませんか?
頭を保持することで、首を痛める可能性があるのです。
それでは腹筋トレーニングを始める前に、正しいフォームを身に付けていきましょう。
4-1.頭ではなく首の後ろに手を組む
腕の力で身体を持ち上げないことが大切です。
これはつまり、頭の後ろで組んだ手で頭を持ち上げようとしている状態です。
※頭の後ろで組むと、首(頸部)の曲がりが強調されてしまいます。
腹筋に筋力が付いてくるとこの問題は解決しそうですが、なかなか思い通りにはいきません。腹筋が弱い方の特徴は、腹筋に力を入れるイメージがなかなか掴めないのです。それにより頭の後ろで組んだ手で無理やり頭を持ち上げてしまいます。
腕は上半身にあります。至極当たり前のことですが、腕で頭をどんなに持ち上げようとしても上半身を持ち上げることはできません。
しかし人間の頭は重く、一般的な成人の場合は5kg以上の重量が頸部に掛かります。
デスクワークなどで首まわりの筋力が不足している方は、腕で頸部(首の後ろ)を支えなければ更に首を痛める可能性がある為、首の後ろで手を組むことは必要なのです。
4-2.運動レベルに合った腹筋トレーニングをしよう
腹筋トレーニングには大まかに分けて2つのタイプがあります。
シットアップとクランチは同じ腹筋を目的としたトレーニングですが、そのフォームから安全性が異なります。
シットアップはいわゆる上体起こしであり、上半身を引き起こす動作が必要な為負荷は強くなります。クランチとの違いは腰を地面から浮かすことが必要であり、これによって頸や腰を痛めるケースは少なくなく、今現在はあまり推奨されないトレーニング種目の1つです。
クランチとは上半身(腰)を地面から離すことなく、上半身や下半身を動かしてトレーニングを行う種目です。シットアップと比べて上半身の動きは少なく、首や腰に不安がある方はクランチを中心としたトレーニングメニューを選択することをオススメします。
第5章【自重で行う腹斜筋トレーニング】
5-1.クランチニートゥーエルボー
腰を浮かさないクランチの姿勢から、体幹を捻るようにして肘と膝を付ける動作によって腹斜筋を鍛えていきます。いきなり肘と膝を付けようとするのではなく、初めは軽く肘と膝が近づく程度から行っていきましょう。
□方法(右側の場合)
①仰向けとなり、両手を首の後ろに組み、肩甲骨を地面から浮かせる体勢を取りましょう。
②両膝を伸ばしたまま浮かし、左膝を引き上げながら右肘を合わせるように(膝の外側へ肘をタッチすると更に腹斜筋が鍛えられます)上半身を捻ります。これを左右10回3セット行いましょう。
※難しい人はまず膝を伸ばしたまま足を浮かし、身体を捻る所から始めていきましょう。
5-2.T字クランチ
クランチ動作に捻りを加えることで、腹斜筋を活性化させることが出来ます。ただ上半身を捻るのではなく、伸ばした足側の踵を地面から浮かさないように注意することで、大殿筋の活性化を図り、より引き締まった身体を目指すことが出来ます。
□方法
①仰向けになり、図のように右足を上げて右膝・股関節を90°にキープします。右手は約45°の角度に置き(手のひらは地面側に)、左手は頭の後ろに組みます。踵は地面から離さないように注意すると下半身が固定され、より効果的に腹斜筋を鍛えることができます。
②右の脇腹を意識し、なるべく反動をつけないように体を捻りながら持ち上げて右膝と左肘を付けるようにしましょう(つかなくてもよい)。これを左右10回ずつ行います。(反対側も同様)
※腕の力に頼らず、腹筋で引き上げる意識を持ちましょう。
□ワンポイント
②の動作を肘ではなく、左手を伸ばした状態で右外くるぶしを触るようにすると、腹斜筋と脇腹にある前鋸筋が連動して負荷を上げることが出来ます。(反対側も同様)
※この時上体を支える右腕は肘を付かないようにしましょう。(反対側も同様)
5-3.ワイパー
下腹部を引き上げるリバースシットアップの状態から、上半身を固定して足をまるで車のワイパーのように左右に捻ることで腹斜筋を活性化させることができます。初めは小さい角度から、徐々に捻る角度を広げていくようにしましょう。
□方法
①仰向けとなり、手のひらを地面に向けた状態で腕を45°程度広げて上半身を支えます。この時頭や肩は浮かないようにします。
そしてその状態から両足を揃えたまま引き上げましょう。
②引き上げた足を崩さないように、左右へ車のワイパーのように動かしていきます。
(倒した側と反対側の足を長くするように骨盤を傾けると、更に腹斜筋を鍛えることができます)
これを5往復×3セット行いましょう。
※左右へ足を倒す際は肩や腰が地面から離れないように注意しましょう。
5-4.サイドクランチ
クランチ動作を横向きになった状態で行います。サイドベントなどのトレーニングに代表的な真横に上半身を傾ける(側屈)動作とは少し異なります。腹斜筋の筋肉の線維は身体の後方から前方にかけて斜めに走行しているため、効果的に鍛える為に少し身体を丸めた(屈曲)状態で側屈動作を行うことが大切です。
□方法
①横向きになり、足を伸ばした状態でボールやクッション(無くても良い)を挟み下半身を固定します。そして骨盤を地面につけたまま身体を少し天井に向かって開き、上半身のみ引き起こしましょう。
②足は伸ばしたまま、脇腹の収縮感を意識しながら引き上げていきます。
反動をつけて行わないように注意しながら、これを左右10回3セット行いましょう。
※この時背中は少し丸めておくことで、より効果的に腹斜筋を鍛えることが出来ます。
第6章【トレーニングアイテムを使った腹斜筋トレーニング】
6-1.ウォーターバッグを使ったフロントランジツイスト
ウォーターバッグとは、水と空気が入った円柱状のバッグの事を言います。水の容量で重さを自由にコントロールすることができ、バーベルやウエイトプレートなどのような金属ではないことから、安全性にも優れたトレーニングアイテムの1つです。
また、併せて(ランジトレーニングのコツ)もご参照ください。
□方法
①ウォーターバッグを身体の前方で抱えます。この時グリップを持って上半身に密着させましょう。
そして片足を大きく前に踏み出し、踵から地面につけます。そして上半身を前傾させ、頭から後ろ足までを一直線になるようにしましょう。
②踏み出した足側の踵に体重を掛け、下半身が動かないように注意しながら上半身を踏み出した側に捻り、バランスを崩さないように捻った上半身を戻します。お腹に軽く力を入れたまま、前に踏み出した足で地面を蹴るようにして身体を元の位置まで戻していきます。
これを10回3セット行いましょう。(反対側も同様)
6-2.メディシンボールクランチシェイク
クランチの姿勢から、メディシンボールの重さを使って腹斜筋を鍛えていきます。重さに身体がブレないようにコントロールすることで、体幹まわりのバランス感覚を鍛えることもできます。
□方法
①メディシンボールを持ち、上半身と下半身を引き起こしましょう。
②身体が左右にブレないように注意しながら、メディシンボールを左右に振っていきましょう。
これを出来る限り早いスピードで、20秒3セット行いましょう。
6-3.ダンベルツイストパンチ
シットアップ動作に捻り(ツイスト)と腕の突き出し(パンチ)動作を加えることで、鍛えるポイントである腹斜筋だけでなく、前鋸筋と外腹斜筋の連動を高め、より動ける身体作りに効果を発揮してくれます。
重いダンベルを持ち上げることよりも、身体を捻りながら腕を突き出すことを意識しましょう。
□方法
①膝を立てた状態で仰向きとなり、肘を90°にした状態でダンベル(500g~1kg程度)を保持します。
②右腕を前方へパンチをするように突き出し、その動きに合わせて上半身をやや左へ捻りながら起こしていきましょう。
1回毎に元の位置に戻り、これを左右10回3セット行います。(反対側も同様)
※この時足は地面から離れないように注意しましょう。
6-4.クランチツイスト(ボールを膝に挟む)
股関節を引き上げた状態から、上半身を引き上げるようにして腹斜筋を鍛えていきます。股関節は固定されているため、腹斜筋でも特に肋骨まわりを中心に引き締める効果が期待できます。アンダーバストやくびれを強調したい方は是非挑戦して欲しいトレーニングメニューの1つです。
ボールを挟むことで内転筋や骨盤底筋にも刺激が入るため、汎用性が高いメニューでもあります。
□方法(左側の場合)
①仰向けとなり、膝・股関節がともに90°となるような姿勢を取り、膝の間にボールを挟みます。そして左手を首の後ろに置き、反対側の手は地面に置いて身体を支えます。
②反動をつけないように、左肘を右膝にタッチさせるように身体を捻じり引き上げていきます。これを左右10回3セット行いましょう。
※肘と膝が付かなくても、まずは身体を起こすことを意識しましょう。
□ワンポイント
②の動作を肘ではなく、左手を伸ばした状態で右外くるぶしを触るようにすると、腹斜筋と脇腹にある前鋸筋が連動して負荷を上げることが出来ます。(反対側も同様)
6-5.ケーブルチョップ
ケーブルマシンを用いた腹斜筋トレーニングです。ダンベルツイストパンチと同様に、腕を前方に突き出した状態で行うトレーニングメニューであり、腹斜筋だけでなく前鋸筋との連動を高め、バランスの良い身体作りをサポートしてくれます。
ケーブルは軌道が安定しないため腹斜筋にまんべんなく刺激を入れる事が可能となり、お腹まわりの引き締めだけでなく姿勢改善トレーニングにオススメです。
□方法
①ケーブルマシンの左側に立ち、ケーブルの高さを45°になるくらいの高さに調整します。
そして肘を伸ばし、指をかますようにグリップを持ちましょう。
図のように足を前後に開き、腰を少し落とします。(右足を前、左足を後ろ)。
②下半身がブレないように注意し、肘は伸ばして体の正面にキープしながら左下方にゆっくり引いていきます。この時、右の脇腹を意識しましょう。
③ケーブルを引いたまま、マシンと反対側の膝を上げた姿勢でキープしましょう。
これを左右10回3セット行っていきましょう。(反対側も同様)
6-6.ロータリートーソ
マシントレーニングの1つで、腹斜筋を集中的に鍛えることが出来ます。自体重でのトレーニングに比べ動作のエラー(誤ったフォーム)が少なく、比較的簡単に取り組むことができるのが大きなメリットです。しかし正しい使い方を知ることで、より効率的に腹斜筋のトレーニングを行うことができます。
腹斜筋を鍛えることで「くびれ作り」は勿論の事、お腹まわりのいわゆる「浮き輪肉」撃退にも効果を発揮します。
□方法
①バーを軽く握り、肘を付けた状態で正面を向きましょう。
そして肘をバーにしっかりと押し付け、目線を下げて背中を少し丸めておきます。
※背中を少し丸めることで腹斜筋は筋肉の走行上縮みやすくなり、トレーニング効率が高まります。
②胸と顔は正面に向けたまま、肋骨から下を右に捻っていきます。
反対側も同様に肘をバーから離さず、肋骨から下を左に捻っていきます。
これを左右10回3セット行っていきましょう。
※下半身を捻る際、捻った方向側の肘でバーを押し付けるようにすることで、前鋸筋と腹斜筋の連動を高めてトレーニング効率の向上が図れます。
第7章【まとめ】
今回は腹筋の中でもウエストのくびれ作りに非常に有効な腹斜筋トレーニングの正しいやり方やコツについてご紹介致しました。腹筋系のトレーニングは自宅で簡単に出来るエクササイズイメージですが、その分フォームにばらつきがあり、効果的に筋肉に効かすことが出来ないだけでなく、首や腰を痛めてしまう可能性があります。正しいフォームで効率よくトレーニングを行うことが、ウエスト痩せやくびれ作りに体大切なのです。
またウォーターバッグやダンベル、メディシンボールやケーブルマシンを使うことで、より多くの負荷を掛けることが出来ます。
トレーニングの習慣は非常に大切ですが、毎回同じトレーニングばかりしていませんか?
違った刺激を与えることで、より筋肉を引き締めることができますよ。
くびれ美人パーソナルトレーナー
山戸