【初心者向け】バランスボールトレーニングのダイエット効果と実践
あなたの家に、しぼんだままのバランスボールが眠っていませんか?何かとスペースが必要で、邪魔者扱いしてしまいがちなバランスボールですが、実はダイエットやボディメイクの為に効果的なトレーニングが出来るのです。
「ウエストまわりを引き締めたい!」
「運動不足を解消したい!」
「日々の生活で歪んだ身体を整えたい」
このような悩みを抱えている方は、今すぐバランスボールトレーニングを始めていきましょう!
しかし肝心の使い方がわからなければトレーニングは出来ません。そこで今回はバランスボールの使い方とダイエット効果についてご紹介しましょう。
目次
第1章【バランスボールについて知ろう】
フィットネスクラブやスポーツジムの片隅に大量に置いてあるバランスボール。一度は見たことがあるのではないでしょうか?ボールという特性を生かし、“転がす”“支える”と言った特殊な動きを行い、全身に刺激を入れることが出来るのです。
Ⅰ.バランスボールで痩せる理由
この後ご紹介するバランスボールを使ったトレーニングと、いわゆる一般的に行われる腕立て伏せや腹筋運動、どこがそんなに違うのでしょうか?
そのポイントはやはり“インナーマッスル”。地面という安定した状況では身体を大まかに動かすアウターマッスルが主に使われますが、バランスボールを使用した不安定な状況でトレーニングを行うことで全身の関節や体幹を安定させるインナーマッスルの活性化を図ることが出来るのです。
インナーマッスルは綺麗な姿勢を保つために欠かすことが出来ません。この筋肉が使えなくなると、身体全体に歪みが生じて猫背などの不良姿勢を引き起こします。この不良姿勢では日常生活において筋肉の活動量は低下し、基礎代謝も低下して太りやすい身体となってしまいます。
姿勢を改善させることで体型を整え、基礎代謝を向上させていく。
これこそがバランスボールを使う最大のメリットと言えます。
Ⅱ.腰痛予防
腰を支える腰椎(いわゆる背骨)は、椎間板というクッションを介して連なっています。そして体幹周囲の筋肉が働いて腰椎を安定させることによって、椎間板は正しく腰を回したり曲げる作用を助けてくれるのです。しかし体幹周囲の筋力(腹圧も含む)が弱まることによって椎間板などの組織に過度のストレスが掛かり、腰痛へと発展してしまいます。
このように体幹周囲の筋力を効率よく鍛えることが出来るのがバランスボールであり、バランスボールを使う事によって姿勢が改善されて腰痛が起こりにくい身体へと変えることが出来るのです。
※バランスボールを使用する以前から強く痛みを生じていたり、使用中に痛みを感じた方は使用を中止し、医師の診察を受けるようにしましょう。
第2章【バランスボールの選び方】
バランスボールと言っても、そのサイズは様々。たくさんのメーカーから45~75cmのサイズが販売されているため、果たしてどれくらいのサイズを使えば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、身長に合わせたサイズの選び方を知っておくことが大切なのです。
バランスボールは、基本的に自分の身体に対して大きすぎると扱いづらくなります。そこでこちらを参考にしてみてください。
身長165cm以下→バランスボールの直径55cm
身長160~175cm→バランスボールの直径65cm
身長175cm以上→バランスボールの直径75cm
また、バランスボールは座ることを想定して作られているため、バランスボールに実際に座り、股関節の位置が膝よりも少し高くなるようなサイズを選んでいきましょう。
※トレーニングの種類によってサイズを変更する場合もあります。
第3章【バランスボール使用時の注意点】
バランスボールが準備できたら早速使っていきたい所ですが、怪我無く安全にトレーニングを行うためにも、使用時の注意点についてご紹介しておきます。
Ⅰ.周囲に物を置かないようにする
バランスを崩して転倒した場合、周囲にダンベルや家具などの物があると非常に危険です。またエクササイズマットなどを用いて、足元やバランスボールが滑らないようにしましょう。
Ⅱ.空気量を調節
バランスボールの空気の量は、そのままトレーニングの難易度に影響します。空気を少なめに調整すればボールは簡単に凹み、その分バランスがとりやすくなります。つまり初めの内は少し少なめに空気を入れた状態で使用し、慣れてきたら空気量を増やして難易度の高いトレーニングに挑戦するほうが良いのです。
また心臓などに持病があったり、体調に不安のある方は医師と相談の上使用するようにしましょう。
第4章【基本的なバランスボールの使い方】
あなたにピッタリのバランスボールを見つけたら、早速使っていきましょう。
まずは正しい座り方をマスターしていきます。正しく座るだけでもお腹まわりを中心とした体幹が鍛えられるのです。
Ⅰ.基本姿勢(難易度★☆☆)
①足を腰幅の約1.5倍程度に開き、膝とつま先が同じ方向に向けます。そして足首から膝までが垂直となるようにします。背筋を伸ばし、頭からバランスボールの中心が一直線となるようにしましょう。
※内股姿勢のまま座ってしまうと、骨盤まわりの歪みやポッコリお腹、太ももへの負担が大きくなってしまうので注意しましょう。
Ⅱ.バウンス(難易度★☆☆)
基本姿勢をマスターしたら、次はバランスボールの上で弾んでみましょう。一見簡単そうに見えますがバランスを取りながら続けるのは難しいのです。
バランス崩さず同じ位置で弾むことが出来れば、お腹まわりのインナーマッスルを活性化させ、正しい姿勢を維持することができます。
□方法
①足を腰幅の約1.5倍程度に開き、膝とつま先が同じ方向に向け、足首から膝までが垂直となるようにします。そして背筋を伸ばし、頭からバランスボールの中心が一直線となるようにしましょう。
②手を腰まわりに置き、両足を地面から離さないように注意しながら弾んでいきます。これを15~30回3セット行っていきましょう。
第5章【お腹を鍛える】
Ⅰ.赤ちゃん腹筋(難易度★☆☆)
赤ちゃんが仰向けとなり、手足を伸ばしたようなポーズをとった状態で行う腹筋運動です。体幹を安定させなければ手足をスムーズに動かすことが出来ないため、姿勢改善に大切なトレーニングの1つと言えます。
※別名デッドバグとも呼ばれています。
□方法
①仰向けになり、股関節・膝を90°の角度まで引き上げます。そして両手を“前ならえ”のように伸ばしましょう。そしてバランスボールを潰すように挟みます。
※この時恥骨を頭方向へ引き上げるようにすることで、腹筋を意識しやすくなります。
②足関節は90°をキープしながら、バランスボールを落とさないように右手・右足を地面ギリギリまで伸ばしていきます。
この状態を10秒キープ3セット行いましょう。(反対側も同様)
※腰が浮くと腰椎の伸展、そして腰痛に繋がるため腰が浮かない角度で始めていきましょう。バランスボールを手と膝で潰す力を強めると、より強度が高まります。
Ⅱ.フロントプランク(難易度★☆☆)
フロントプランクは体幹トレーニングとしてよく知られたメニューの1つですが、バランスボールを使うことで、腹筋・体幹のインナーマッスルをより短時間で効果的に鍛えることができます。
□方法
①バランスボールの上に肘から前腕に掛けて肩幅の広さで乗せます。
②つま先を腰幅に立て、お腹を持ち上げます。そして頭から“かかと”までが一直線となるようにしましょう。この状態で15秒キープ3セット行います。
※“おヘソ”と“みぞおち”を少し引き寄せるイメージを持つと、より腹筋に刺激を入れることができます。
Ⅲ.アブローラー(難易度★★☆)
フロントプランクの状態からバランスボールを前後に転がし、腹筋を鍛えていきます。
今回はトレーニング初心者のために、膝を付けた状態で行う方法をご紹介します。大切なのは、腹筋の収縮感と伸張感を意識づけること。ゆっくり丁寧に行うことがポイントです。
□方法
①バランスボールの上に肘から前腕に掛けて肩幅の広さで乗せます。この時膝は閉じておきましょう。
※“おヘソ”と“みぞおち”を少し引き寄せるイメージを持つと、より腹筋に刺激を入れることができます。
②腹筋に力を入れたまま、肘だけを前方に動かして行きます。腰が反らないよう注意しながら、肘を元の位置に戻していきましょう。これを10回3セット行いましょう。
※息を吐きながら肘を前後に動かしていきましょう。肘を動かす際は腰が落ちないよう注意しましょう。
慣れてきたら、フロントプランクのポジションから同様に行っていきましょう。
(難易度★★★)
Ⅲ.サンドベント(難易度★☆☆)
ウエストまわりのくびれを作る為には、腹斜筋のトレーニングは欠かせません。バランスボールを使うことで、腰に負担を掛けずに腹斜筋を鍛えることができます。
□方法
①足を前後に開いた状態で、壁に付けます。(上側の足が前)
そしてバランスボールを横腹にセットします。
※バランスボールを壁に寄せるほど難易度が上がります。
②両手を頭の後ろに組み、身体を横に引き上げていきます。これを左右10回3セット行いましょう。
※身体が前後に捻じれないよう注意し、膝はしっかりと伸ばしておきましょう。
Ⅳ.V字シットアップ(難易度★★★)
シットアップとは、いわゆる一般的な腹筋運動である“上体起こし”の事です。それに対してV字シットアップは上体と一緒に両足も床から引き上げ、まるでV字の体勢を取ることからこのような名称となっています。
腹直筋や股関節まわりを鍛えるとともに、バランスボールを使うことで内転筋などの引き締めにも効果を発揮します。
難易度は高い為、腰に不安のある方は無理に行わないように注意しましょう。
□方法
①仰向けとなり、両手でバランスボールを把持します。
②息を吐きながら上体と両足を引き上げて両足でバランスボールをキャッチし、再び手足を伸ばします。このように手足で交互のバランスボールを受け渡していきます。これを10回2~3セット行っていきましょう。
※手足を伸ばす際、腰が地面から浮かない角度まで伸ばしていきましょう。
第6章【下半身を鍛える】
Ⅰ.【お尻編】
ⅰ.ヒップリフト(難易度★☆☆)
バランスボールの上に両足を乗せた状態でヒップリフトを行っていきます。不安定なバランスボールに両足を置くことで左右の筋力差を整え、身体の歪み改善を図ります。
引き締まったお尻まわりを手に入れるために、普段のトレーニングへのアクセントとして取り入れてもOKです。
□方法
①仰向けとなり、バランスボールに両足を乗せましょう。そして肘を付け、肩が浮かないようにしてバランスを取ります。
②“かかと”でバランスボールを押すようにしてお尻を持ち上げていきます。これを10回3セット行っていきましょう。
※膝が離れると、お尻よりも太もも裏に力が入りやすい為注意しましょう。
ⅱ.ヒップエクステンション(難易度★☆☆)
足を後方に蹴る(股関節の伸展:エクステンション)動作を繰り返し、ヒップアップに大切な大殿筋を鍛えることができます。
バランスボールに腹這いになることで体幹が安定し、腰痛の原因となる腰の過剰な伸展を防いでくれます。
□方法
①バランスボールに腹這いとなり、肘を付けます。この時片脚は地面に付けたままにしておきましょう。
②浮かせた足は“かかと”から頭まで一直線となるまで引き上げ、ゆっくり降ろしていきます。これを左右10回3セット行っていきましょう。
※足が外側に開いたり、膝が大きく曲がらないように注意しましょう。
第7章【上半身を鍛える】
Ⅰ.【腕・胸編】
それではバランスボールを使って、バストアップ・二の腕引き締めトレーニングにチャレンジしていきましょう。
ⅰ.バランスボールを使ったプッシュアップ(難易度★★☆)
バランスボールに両足を乗せた状態で腕立て伏せ(プッシュアップ)を行っていきます。通常の腕立て伏せに比べてお腹まわりのインナーマッスルを刺激できるため、腕とお腹を同時に引き締めることができます。
□方法
①バランスボールに両足を乗せ、肘を伸ばしてバランスを取ります。初めは膝に近い所から行い、慣れてきた足首に近い位置で支えると強度を調整できます。
※この時腰が落ちて反らないよう、お腹に力を入れておきましょう。
②体幹が崩れないように、腕立て伏せをしていきます。これを10回繰り返しましょう。
ⅱ.ダンベルフライ(難易度★☆☆)
ダンベルを持った状態で胸を大きく開く動きを行うことで、大胸筋を鍛えることが出来ます。大胸筋はバストアップに大切な筋肉の1つで、ダンベルプレスのように肘の曲げ伸ばしを伴わないため大胸筋をダイレクトに鍛えることが出来ます。特に大胸筋の内側を引き締める効果が期待できます。
本来であれば、ベンチ台を使って行う種目ですが、バランスボールを使うことで胸まわりだけでなく体幹まわりの引き締めにも効果を発揮します。
□方法
①バランスボールに背中を付け、ヒップリフトのような姿勢を取ります。そしてその状態でダンベルを目線の高さに上げておきましょう。この時手のひらは内側に向けておきます。
※後頭部までバランスボールに付けてお尻をしっかり上げておくと、姿勢改善だけでなく安全にトレーニングを行うことができます。
②ゆっくり胸を開くように腕を広げていきます。地面と水平より少しだけ肘が下がるようにし、大胸筋のストレッチ感が出たら元の位置に戻します。これを10回3セット行いましょう。
※肘を少しだけ曲げ、肩がすくまないよう注意することで肩を痛めずに大胸筋を鍛えることが出来ます。
Ⅱ.【背中編】
ⅰ.リバースフライ(リアデルト)(難易度★☆☆)
太さや厚みといった筋肉のたくましさではなく、女性が求めるような引き締まった肩まわりを目指すためにオススメのトレーニングです。固まった肩甲骨まわりを動かすため、肩こりの解消にも効果的です。
□方法
①バランスボールの上に腹這いとなり、足を壁に付けて固定します。
※バランスボールがおヘソあたりとなるように位置を調整しましょう。
②ダンベルを持ち軽く肘を曲げた状態で、腕全体を弧を描くようにして広げていきます。そして腕を上げた所で肩甲骨を寄せる意識を持ち、ゆっくり腕を降ろしていきます。これを10回繰り返しましょう。
ⅱ.バックエクステンション(難易度★☆☆)
引き締まった背中まわりのためにトレーニングです。通常のバックエクステンション(背筋運動)とは異なり、バランスボールを使う事で腹圧を高めることが出来る為、腰痛予防に効果的です。
□方法
①バランスボールの上に腹這いとなり、足を壁に付けて固定します。そして両手を頭の後ろに組み、少し背中を丸めておきます。
②肘を引き上げるようにして、上半身を起こしていきます。これを10回繰り返しましょう。
※上半身を引き上げ過ぎると腰を痛めてしまうため勢いを付けないように、そして上半身の角度は“かかと”から頭まで一直線となる程度までにしましょう。
第8章【まとめ】
以前ご紹介した【ストレッチポールの使い方】と同様に、バランスボールも非常にたくさんの使い方があります。運動経験の少ない方向けの簡単なものから、トレーニング上級者やアスリートのための難易度の高いものまで、工夫次第であなた身体を鍛えることが出来るでしょう。
「筋肉を付けたい!」
「綺麗な身体になりたい!」
「トレーニングのレパートリーを増やしたい!」
というあなた。今すぐバランスボールトレーニングにチャレンジしてみましょう!
しかし、バランスボールを初めて使う方は特に転倒に注意して行ってください。球体である以上、バランスが大きく崩れることで転ぶ危険性は常に付きまとっています。前述したように、初めは必ず少し余裕を持たせた状態まで空気を入れることで転倒のリスクは軽減します。
最後にバランスボールのエクササイズを行うにあたって、がむしゃらに難易度の高いものを行うのはやめておきましょう。あくまでトレーニングは目的となる筋肉に刺激を入れることが大切であり、力んだ状態をひたすら維持することは良いトレーニングとは言えません。
この事に注意し、今すぐバランスボールを使ってトレーニングを始めてみてくださいね!
くびれ美人パーソナルトレーナー
山戸