デッドリフトは最強筋トレ?!ただしフォームをミスるとヤバいので要注意
身体を鍛えるタイミングは人それぞれですが、あなたはしっかり目的意識を持つことが出来ていますか?
バストアップの為に胸まわりの筋肉を鍛えたり、ウエストを引き締めるためにお腹まわりのトレーニングを始めてみたり、皆それぞれ理由を持って筋トレに取り組んでいることでしょう。
そして下半身を引き締めるトレーニングの中で、あなたはデッドリフトという種目を知っていますか?
大殿筋やハムストリングを鍛える王道のトレーニングメニューですが、実は注意点が多いのが玉に瑕。
そこで今回はデッドリフトによるトレーニングのメリットと、誤ったフォームで起こる様々なリスクについて詳しく解説していきましょう。
目次
第1章【デッドリフトってどんなトレーニング?】
スクワットやベンチプレスはイメージが湧くけれど、デッドリフトがどのようなトレーニングなのかイメージ出来る方は少ないようです。
実はスクワット・ベンチプレス・デッドリフトは筋トレBIG3と呼ばれ、筋トレを行う上で是非習得すべき種目の1つです。
しかしトレーニングを知っているだけではダメ。
正しく実施出来なければ意味がないのです。
それでは早速デッドリフトとはどんなトレーニングなのかをご紹介しましょう。
1.身体の背面を鍛えられる
やはり筋トレBIG3と呼ばれるほど、デッドリフトには大きな効果があります。
身体後面に存在する筋肉のほとんどがデッドリフトトレーニングによって鍛えることが出来るのです。
お尻(大殿筋)や太もも裏(ハムストリング)だけでなく、背中まわり(脊柱起立筋や広背筋)を引き締めたいのであれば、習得しておくべきでしょう。
2.股関節の使い方が上手くなる
股関節の動きを習得することは、それだけトレーニングのレパートリーを増やし、ダイエットやボディメイクの効果を高めることに繋がります。
デッドリフトでは主に股関節を中心に動作が行われますが、この動きを専門的にはヒップヒンジと呼びます。
※ヒンジとは「蝶番」のことであり、ヒップヒンジは股関節を蝶番のように曲げ伸ばしすることを指す。
この写真では、股関節の動きの有無によって動作が変わる様子がご理解いただけるかと思います。
※左側は股関節の動き(ヒップヒンジ)を使うことが出来ておらず、腰や膝へ強い負荷が掛かってしまいます。一方、右側はヒップヒンジを適切に行えていることで腰や膝へストレスが集中することなくスクワット動作が行えています。
つまりこのヒンジ動作の習得がスクワットを始めとした多くのトレーニング動作の改善に繋がるのです。
「太もも前の太さがコンプレックス」
「お尻のボリュームが明らかに低い」
このように、下半身のバランスが気になる方はデッドリフトにチャレンジしてみると良いでしょう。
脚痩せのトレーニングメニューをもっと知りたい方は猫背姿勢で下半身が太く見えるのは何故?10つのルーティンエクササイズで脚瘦せしようが参考になります。
3.ケガの予防になる
前述したように、股関節の使い方をマスターすればより多くのトレーニングメニューを行うことが出来るので、スポーツだけでなく日常の姿勢変化によるケガ(腰痛や肩こりなど)予防に繋がります。
またそれだけでなく、デッドリフトでは太もも裏の筋肉(ハムストリング)を伸張性の収縮によって鍛えることが出来るので、デッドリフトを繰り返すことで筋肉自体の柔軟性が増し、肉離れなどのケガ予防効果が期待できるのです。 ※伸張性収縮とは筋肉が力を発揮したまま関節をコントロールする筋肉の収縮形態の1つ。
筋肉の使い方と効果については詳しく知りたい方は【目的別】ダイエットのために腹筋の効果を最大限発揮する方法が参考になります。
第2章【デメリットがいくつか存在する】
しかし残念なことに、デッドリフトがどれだけメリットの大きいトレーニングであるといっても、すぐに取り掛かれば良いという訳ではありません。
それでは、デメリットのデメリットについて見ていきましょう。
1.腰を痛めやすい
これはデッドリフトに限った話ではありませんが、ウェイトを持つ以上腰部へのストレスは間違いなく掛かってしまいます。
この後に詳しく解説を入れていきますが、デッドリフトでは股関節の伸展動作(※図参照)によってお尻(大殿筋)や太もも裏(ハムストリング)を鍛えることが出来ます。
前章にて身体の背面を鍛えることが出来るとご紹介しましたが、背中の筋肉は身体を支えるためにあくまで補助的な役割であることは知っておいてください。
そして一言で腰を痛めると言っても、その内容には大きく分けて2種類あります。
①腰の筋肉が原因の場合
②椎間板や関節が原因の場合
それぞれ解説していきましょう。
①腰の筋肉が原因の場合
上半身を起こす動きでは主に、脊柱起立筋や多裂筋、そして腰方形筋などの筋肉が働きます。
デッドリフトは股関節の伸展によって上半身を起こしていきますが、下半身を上手く使えないことでこれらの筋肉に負荷が掛かり、筋膜炎のような症状が現れることがあります。
②椎間板や関節が原因の場合
少し難しい内容となりますが、誤ったデッドリフトのフォームは身体の構造自体にストレスを掛けてしまうことがあります。
その代表格と言えるのが椎間板や関節という訳です。
デッドリフトの上昇・下降局面において、背中が丸まってしまった(腰椎が過度に屈曲)場合を例に取ってみましょう。
腰椎の間には椎間板と呼ばれる水分をたっぷり含んだクッションがあり、身体の動きに合わせて形を変えることで衝撃を吸収しています。
※青い部分が椎間板。
しかし椎間板の衝撃吸収の許容範囲を超えてしまうと、椎間板の髄核(中心)が脱出し、聞きなれたヘルニアの症状を引き起こしてしまいます。
またこれは前項と少しかぶる所がありますが、腰部の伸展動作が過剰となることで椎間関節(腰骨の関節)にストレスが生じ、関節に炎症が起きることがあります。
このようにお尻や太もも裏、そして背中まわりを引き締める偉大なトレーニングであっても、腰痛持ちのあなたは積極的に行うべきかどうかは意見が分かれても不思議ではないのです。
2.フォーム(トレーニング姿勢)の習得に時間が掛かる
デッドリフトは他のトレーニング種目と比べると難易度は明らかに高いと言えます。
動作中に意識する部位が多ければ様々な代償動作が生まれ、目的の筋肉に刺激を入れることが出来ないまま時間ばかり過ぎてしまいかねません。
もしあなたがアスリートやトレーニングの経験が長く、そしてパーソナルトレーナーによる指導を受けることができるのであれば、間違いなくデッドリフトは取り入れたほうが良いでしょう。(全米NSCA認定トレーナーなどの有資格者が望ましい)
実際私がパーソナルトレーニングのセッションをする際にデッドリフトを取り入れている方は、トレーニングの経験がありヒップアップや脚痩せを目的とした方となります。
これをダイエットに置き換えてみると、長期的に身体を変えたいのか、それとも短期的に体重を落としたいのかが重要と言えますね。
3.手の皮が厚くなる
ダンベルと比べ、バーベルは重量があるため握力が必要となります。
そのため手のポジションによって負荷を分散させることが出来ますが、結局バーベルを握ることになるので手の皮にマメやタコが出来ることがあります。※手のポジションについては後ほど紹介します。
女性らしい綺麗な手をキープしたい方はデッドリフトを敬遠される傾向があるため、スクワットやエアプレーンなどを選択するのも1つの方法と言えるでしょう。
第3章【デッドリフトをオススメする人】
くれぐれも注意していただきたいのは、デッドリフトは万人向けのトレーニングメニューではないという点です。
目的は勿論のこと、過去の既往も含めた判断が必要となりますので、以下に当てはまる方は普段のトレーニングメニューに取り入れてみるのも面白いですね。
▪全身の連動を高めたい
▪ジャンプ力・瞬発力を高めたい
▪基礎代謝を高めたい
▪新しい脚痩せトレーニングにチャレンジしたい
第4章【デッドリフトの正しい方法】
本章ではデッドリフトの方法を解説していきます。 まずはバーベルの持ち方から確認をしておきましょう。
1.バーベルの持ち方
バーベルを使ったトレーニング(レジスタンストレーニング)では握り方はテクニックの1つとなりますので、目的やレベルに合わせることを意識しましょう。
①オーバーハンドグリップ(順手)
いわゆる順手の持ち方をオーバーハンドグリップと言います。
デッドリフトなどバーベルを用いる種目を初めて行う方、もしくは低負荷で行う場合に用いると良いでしょう。
②アンダーハンドグリップ(逆手)
逆手となる持ち方をアンダーハンドグリップと言います。
ベントオーバーローイングなど、広背筋を鍛える際に用いることが多いグリップ法です。
③オルタネイティッドグリップ(交互)
左右の手を交互にしたままバーベルを握ることを、オルタネイテッィドグリップと呼びます。
その効果としてバーベルの回転を防ぎ、握力の消耗を防ぐことが挙げられます。
これは実際に試してみると一目瞭然です。 ※ 左右非対称な動きであることがデメリットですが、これはセット数を複数回交互に行うことで解決します。
2.デッドリフトを実践
①足を腰幅~肩幅に広げた状態で立ち、肩幅よりやや広めにバーベルを持ちます。そして“かかと”に少し重心を移し、バーベルが足の母指球周囲の位置となるようにしましょう。
※この時のグリップはオーバーハンドかオルタネイティッドにしましょう。
②胸を張るように背筋は真っ直ぐ伸ばし、肩甲骨をお尻側に下げてバーベルをスネに押し付け、広背筋を固めるようにしましょう。
③お尻を前方に突き出すように、股関節と膝関節の伸展を利用してバーベルを床から上げていきます。この時バーベルは肩より前方に抜けないよう肩甲骨は常にお尻側に下げておきます。
④お尻を締め、肩甲骨を引いたまま立ち上がります。
⑤お腹の力を抜かないよう注意しながら、お尻を後ろに引いて上体を前傾させるようにして股関節を畳みます(ヒップヒンジ)。背筋を伸ばした状態もしっかり維持しましょう。
※バーベルは太ももを沿わせるように意識すると大殿筋やハムストリングに適切に刺激を入れることができます。また足関節から膝にかけて常に床と90°を保つように意識しましょう。
⑥太もも裏(ハムストリング)のストレッチ感が出る位置までバーベルを下げ(膝下くらいの高さ)、④と同様にお尻を前方に突き出すように股関節と膝関節の伸展を利用して立ち上がります。
重さよりも、正しいフォームを身に付けることを重視して行っていきましょう。
第5章【まとめ】
それでは最後に、デッドリフトの効果についてまとめてみていきましょう
▪脚瘦せ効果が高い
▪姿勢が良くなる
▪基礎代謝が上がる
身体の後面を中心に鍛えることに、これだけ魅力的な効果があるのは嬉しいですよね。
繰り返しとなりますが、あくまで正しいトレーニングフォームが出来ていることが前提ですので、自身が無い方はムリに行わず、パーソナルトレーナーによる専門的な指導を受けることをオススメします。
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山戸 勝道
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