自律神経の乱れを整えるセルフケアエクササイズを紹介します【いつでも出来る】
「背中のハリがなかなか取れない・・・」
「最近肩こりや頭痛がひどい」
「身体全体の調子が悪い・・・」
このように、何かしら身体の不調を感じている方は要注意。
その不調は自律神経の乱れが招いている可能性があります。
そこで今回は、自律神経を整える背骨エクササイズをご紹介しましょう。
自律神経の乱れる原因。それは胸まわりの背骨がスムーズに動いていないからかもしれないのです。
目次
第1章【その不調はどこから?】
冒頭で背骨の柔軟性と身体の不調について触れましたが、ここから少し掘り下げたお話をしましょう。
体調の悪さは風邪や感染症などの細菌・ウイルス性のものだけでなく、頭痛や倦怠感といった身体のバランスが崩れることで起こるものが多いのです。
このような症状を総称して不定愁訴と言います。
不定愁訴とは?
病院に行くほどではないけれど、何となく調子が悪い日を経験したことはありませんか?
それが不定愁訴です。
▪頭重感
▪疲労感
▪不安感
▪食欲不振
▪不眠
▪動悸
▪呼吸が浅い
▪眼精疲労 etc…
このように主観的かつ多種多様な自覚症状なものがほとんどです。
そして厄介なことに、病理的な検査では異常が見られないことが多いため周囲の理解を得難く、自分一人で悩みこんで相談できないケースも多いようです。
不調の原因は自律神経かも
原因不明であればもはや何も施しようがない・・・という訳ではありません。
そんな時は自律神経の乱れを疑ってみたほうがよさそうです。
あなたの身体を縁の下から支える自律神経のバランスが乱れることで、身体には様々な症状が現れてしまうのです。
そもそも自律神経とは、心臓血管系・胃腸による消化吸収機能・ホルモンバランス・体温や呼吸など生命を維持するために必要な臓器のバランスを無意識的にコントロールする神経のことを言います。
↓自律神経とは?↓
自律神経は交感神経と副交感神経によって構成され、互いの補完しあうように機能しているのです。
そんな自律神経は一体どこにあるのでしょうか?
参考:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系
こちらの図を見てもらえるとわかるように、自律神経は背骨(脊柱)の中心を走る脊髄神経からの波及であり、身体の軸である背骨周囲に存在しています。
自律神経の働きについて少し整理しておきましょう。
例えば意識的に手足を動かすことを随意運動と言いますが、反対に内臓の消化活動や唾液の分泌、心臓の脈拍などは意識とは関係なく変化します。これを不随意運動と呼び、このように自分の意志とは関係なく身体機能をコントロールするのが自律神経の主な働きなのです。
少し難しい話となりましたが、自律神経は身体を縁の下で支えているからこそ、正しく機能しなくなった時の反動が怖いのです。
背骨が動くと自律神経は潤う
それでは次に、背骨と自律神経の関係について解説していきます。
まず背骨のまわりから枝分かれしていく自律神経に栄養を送るのは他の筋肉や臓器と同じ血液です。
つまり背骨まわりの血液循環は自律神経の正常な働きを左右する重要な要因なのです。
背中に沿って走る自律神経
結局の所、身体の栄養は全て血液によって賄われており、その血液環境さえ向上すれば身体の機能は回復するという事を押さえておきましょう。
そこであなたのすべきことは1つ。
背骨に沿って走る自律神経の血流を改善するために、背骨の可動域を広げるのです。
ここまでをまとめると“自律神経を整えるには背骨の柔軟性を高める必要がある”、この点を理解していただけるとOKです。
第2章【背骨の硬さは不調のサイン】
それでは早速不調を取り除くために背骨の柔軟体操に入りたい所ですが、まずはここで背骨の構造について簡単に解説していきます。
構造を知ることで、どこにポイントを置いてストレッチをすれば良いのか理解が深まるはずです。
背骨の構造を知る
背骨(脊椎)は身体構造の中で、文字通り“軸”となる部分です。
首からお尻まで全て椎骨と呼ばれる骨が繋がって連結しており、その数は頸椎7個(首)、胸椎12個(胸)、腰椎5個(腰)、仙骨・尾骨(お尻)に及びます。
一つ一つの椎体には穴が開いており、そこに脳から繋がる太い神経(脊髄神経)が通っているのです。
胸椎を動かすべし
ここで前章で解説した自律神経に話を戻しましょう。
背骨周囲から派生する自律神経のうち、特に生命維持に大切な機能のほとんどは胸椎レベルに存在しています。心拍・気管支・胃腸や腎臓に至るまで、これらの臓器のバイオリズムが乱れることが、どれだけ身体にとってマイナスなのか簡単に想像できるはずです。
※この他にも呼吸と自律神経の関係性を深く掘り下げると胸郭について触れるべきですが、今回は多くのエクササイズをご紹介したいので割愛致します。
つまり背骨の柔軟性を上げると言っても、それはただ腰を捻れば良い訳ではありません。
胸椎を中心とした可動域の改善が必要であることを知っておきましょう。
第3章【誰でも出来る背骨柔軟性チェック】
繰り返しとなりますが、背骨、特に胸椎の柔軟性は自律神経と相関関係にあります。
柔軟性が低下すればそれだけ脊柱周囲の血流は低下し、自律神経系に悪影響を与えてしまうのです。
そこで背骨(脊柱)の柔軟性をチェックし、自律神経が悪影響を受けやすいかを把握しておきましょう。
以下ご紹介する2つのチェック項目のうち、どちらか1つでもクリアできなければ脊柱は硬くなり自律神経系へのストレスを受けやすい身体と言えます。
チェック①:四つ這いひねり
四つ這いの状態から背中を捻ることで、脊柱の柔軟性をチェックします。
この際、肘の位置が170~180°に達していなければ胸椎の柔軟性は低下していると言えます。
□方法
①四つ這いの姿勢で背筋を伸ばし、片手を頭の後ろに置きます。
※手は少し中心寄りに付きましょう。
②少しお尻を後ろに引いて下半身が動かないよう注意しながら上半身を出来る限り捻ってみましょう。肘の位置が170°未満の場合は胸椎レベルでの柔軟性が低下しています。
※この時肩をすくませたり、上体を側屈させないよう注意しましょう。
チェック②:横向きひねり
こちらは脊柱の柔軟性に加え、胸郭の柔軟性のチェックも兼ねています。
力み感なく、開いた側の腕や肩が床につけばOK です。
ストレスによって呼吸が浅くなりやすい方、そして猫背姿勢を取りがちな方は要注意です。
□方法
①横向きになり、膝と股関節を90°に曲げて下半身を固定し、両手を伸ばして揃えておきます。
②下半身が動かないように注意し、息を吐きながら大きく胸を広げていきましょう。肩・腕がともに床についていますか?
※膝が浮いてしまうと正しくチェックできなくなりますので注意しましょう。
第4章【背骨を柔らかくして自律神経を整えるエクササイズ】
日常生活に取り入れ、疲労の溜まった身体をリフレッシュしていきましょう。
①胸椎伸ばしエクササイズ
ストレスを溜めこみ、硬くなってしまった脊柱の柔軟性を改善していきましょう。
特に胸椎レベルでの伸展(反らす動き)可動域の改善は肩甲骨や頸椎の動きに直結し、肩関節痛や姿勢改善に大きく役立ちます。
□方法
①横向きにストレッチポールを置き、背中を当てて首を両手で抱えるようにして支えましょう。みぞおち~バストトップの高さストレッチポールを調整します。
※頸椎を過剰に伸展させると首痛の原因となるので注意しましょう。
②ストレッチポールを支点に、胸を張るように胸椎を伸展させましょう。これを10回行っていきます。
※胸椎の伸展に合わせて息を吐くことで、可動域改善効果が高まります。
②胸開きエクササイズ
ストレッチポールに膝を立てて仰向けとなり、前胸部・肩関節の可動域を改善するエクササイズです。
手の甲を地面に沿わせるようにして腕を外側に広げるように動かすことで、肩甲骨・肋骨・胸椎の動きが連動し、猫背や巻き肩を改善することができます。
□方法
①膝を立てた状態で仰向けとなり、手のひらを天井に向けた状態で脇を開きます。
②手の甲を床から離さないよう、息を吐きながらなるべく大きな円を描いて胸を開いていきましょう(90°くらいまでOK)。これを10回繰り返しましょう。
③背骨ひねりストレッチ
背骨の中核を担う胸椎は、浅い呼吸やストレスによって柔軟性を失いやすくなります。
そこで胸まわりを大きく開く胸椎ストレッチを行い、凝り固まった身体をリセットして、副交感神経を活性化させていきましょう。
□方法
①横向きになり、膝と股関節を90°に曲げた状態でストレッチポールに乗せて下半身を固定し、両手を伸ばして揃えておきます。
②下半身が動かないように注意し、息を吐きながら大きく胸を広げていきましょう。これを左右10回ずつ繰り返していきます。
※この時肩がすくまないよう、大きな弧を描くイメージを持つと胸椎の可動域を広げやすくなります。
④キャット&ドッグ
普段から座った姿勢などの同じ体勢を取る習慣が、背骨の柔軟性低下の大きな原因となります。
背骨の柔軟性低下は肋骨の可動域低下を引き起こし、呼吸の質を低下させることに繋がります。そして呼吸が浅くなると自律神経の働きは乱れてしまいます。
肺を覆う肋骨の可動域を広げて自律神経を整え、身体を不調から守りましょう。
□方法
①肩・股関節の真下にそれぞれ手首と膝を置いて四つ這いの姿勢を取ります。そして背筋を伸ばしましょう。
②骨盤をゆっくりと後傾させながら胸椎を丸めていきましょう。肩がすくまないように注意し、腕を突っ張りながら行うのがポイントです。
※この時腰を後ろへ引き下げないよう注意しましょう。
③そして最後に胸椎をしっかり伸展させていきます。骨盤を前傾させ、肩甲骨を寄せて下げるように胸を地面に突き出していきましょう。これを10回ゆっくりと繰り返しましょう。
※頸椎のみを伸展させてしまうと首を痛める可能性があるので注意しましょう。
⑤TRX胸ひらきエクササイズ
TRXを用いて行う上肢の可動域改善エクササイズです。
両手でTRXを支持しながら動作を行うため身体の動きをコントロールしやすく、個人のレベル(可動域・柔軟性)に合わせられるのが特徴です。
主に大胸筋や小胸筋など前胸部の筋肉をストレッチすることが出来ます。
□方法
①両手でTRXのグリップを把持し、胸前にケーブルの長さを合わせましょう。
②前方に大きく足を踏み出しながらグリップを広げ、胸筋をストレッチしていきましょう。足の踏み出しを交互に、これを10回繰り返していきましょう。
⑥TRXツイストストレッチ
次はTRXを用いて広背筋をストレッチしていきましょう。
広背筋は肋骨の後・側面から上肢をつなぐ筋肉で、柔軟性が低下すると肋骨の動きが鈍くなり、呼吸が浅くなるなど自律神経に大きな影響を与えてしまいます。
□方法.
①万歳の姿勢でグリップを把持し、片足を大きく前方へ踏み出しましょう。
②そして踏み出した側の手を横に聞きながら上体を傾け、脇腹から股関節の付け根までストレッチし、元の位置に戻ります。これを左右10回行っていきましょう。
※ケーブルはたわませないように、そしてストレッチのタイミングで息を吐くようにしましょう。
第5章【まとめ】
いかがでしたか?
今回は放っておきがちな身体の不調を改善する方法をご紹介致しました。
身体を柔らかくするための柔軟体操ではなく、身体の不調を根本から取り除くための柔軟体操は、現代社会において非常に重要です。
一日どれか一つでも良いので、まずはチャレンジすることから始めてみてくださいね!
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